表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/132

人魚に天麩羅を教える

 俺は約束通り、人魚に天麩羅を教えに来た。


「だが、この並びか」俺は門の前に並ぶ行列を見てため息を着いた。

「くふふ、自分が元凶のくせに」

「五月蠅いな」

「くふふ」


「しかし長いな」

「貴方は初めてですか?」前に並んでいた商人が聞いてくる。

「いや、何回も来ている」


「ほほほ、そうですか、人魚たちはうに丼なるものを売り初めまして」

「はぁ?」


「午前中には売り切れる一品です」

「ははは、そうですか」俺は受け流す


「しかも一杯500Bもするのですが。」

「はぉ。」


「其れほどの価値があるのです。」。


「くふふ、全部君のせいだ」

「五月蠅いな」

「其れは凄いですね。」


「えぇ、うに丼のためなら全てを投げ打っても。」

「あぁ、食べられればいいですね。」俺は機械的に話す。




**********


 二時間後に俺の順番になった。


「身分を証明する、あぁ、君かどうぞ中に」

 俺の顔を知っていた門番が俺を町に入れてくれる。

「あぁ、ありがとうな」俺は門を潜った。


「そうだ、人魚たちの店に行く前に材料を仕入れるか」俺は八百屋に行くことにした。

「此処で売っているものでなきゃ駄目だからな」


「邪魔するぜぃ」俺はそう声を掛けて八百屋に入る。


「おぉ、色々あるんだな」俺は品ぞろえを見て言う。

「わははは、任せろ」店の親父が元気だ。


「ふむ、一通りそろっているな」俺はそういながら材料を選んでいく。


椎茸、レンコン、南瓜、ナス、サツマイモ、大葉、舞茸、大根


「こんなもんか、親父さんいくらだ?」俺は店の親父さんに聞く。

「あぁ、随分大量に買うんだな、全部で300Bだ」親父さんが言う。


「このカード使える?」俺は組合のカードを見せながら言う。

「あぁ、大丈夫だ」

「なら、決裁して」

「任せろ」


 俺は選んだ食材をミロクに持って貰い、八百屋を出て人魚たちの店に向かった。



「あぁ、お兄さん、待っていたよ」人魚が俺を見て言って来る。


「相変わらず並びが凄いな」

「え? そうなのかい? あたいらには関係ないから気にしなかったよ」

「はぁ、そうなのか」


「店の方は、別の奴に任せているからねぇ」

「こっちの店はいつも通りさ」


「そうか」俺は苦笑いをしながら言う。



「で、今日は何だい?」人魚が聞いてくる。


「あぁ、前に約束しただろう、天麩羅を教えに来た」

「マジかい? 今料理担当を呼んでくるよ」そう言って人魚が消える。



「で、今日は何が買える?」そこに残った人魚に聞く。


「今日は、鯵を始めに、鰯、鯖、そして最近獲れ始めた秋刀魚があります」

「まじかぁ、全部買う」


「え~っと、全部で5G分有りますけど」

「買う!」俺はカードを人魚に渡す。


「はい、決裁しました」人魚がカードを返してくる。


「ミロク」

「任せろ」其処にあった魚が消えた。


「あぁ、貝の方も見に行かなきゃな」俺は隣の店に向かった。


「あぁ、ムサシ様だ」

「また来てくれたんだね」人魚たちに歓迎される。


「今日は何が買えるんだ?」


「アサリと蜆はいつも通りあるよ、サザエと鮑も結構、後はエビがこんだけ」人魚が自慢げに言う。


「良し、クルマエビ以外は全部買い取る」

「え? 4Gはあるよ」

「構わないぞ」俺はカードを人魚に渡して決済してもらう。


「ミロク」

「くふふ、解ったよ」其処にあったクルマエビ以外が消える。


「さて」俺は前に俺が作った料理場に行く。


 そして、竈に火を入れてまな板の用意をする。


「連れて来たよ」さっきの人魚が、何人かの人魚を連れて現れる。


「あぁ、今日は天麩羅を教えに来た」

「待ってました」

「興味があったんだ」


「まず、汁から作る」

「汁?」


「あぁ、天麩羅を食べるときに漬けるものだ、塩だけでもうまいけどな」


「へぇ?」


「出汁の取り方はとりあえず俺特製のだし袋で作るけど、鰹節や昆布でのだしの取り方を研究してくれ」


「あいよ」


「おや?」

「旦那の出汁は覚えた」

「あぁ、前に材料を聞いたからね」


「おぉ、凄いな」


「んじゃ、やるぞ」

「あいよ」


「俺特製のだし袋を水1Ⅼに入れて煮だして、味醂と醤油を200ccずつ入れてアルコールを飛ばす」

「ふむふむ」


「冷ませば、これが天汁だ」

「成程」


「そしてタネだ」

「たね?」


「あぁ、天麩羅を揚げるのに使う物だ」

「おぉ」


「小麦粉を200gをざるでこしながらボールに割り入れた卵一個に入れて混ぜる」

{なるほど}


「そして、ここに氷水を200cc入れて小麦粉が残る状態まで混ぜる」

「完全に混ぜなくて良いの?」人魚が聞いてくる。


「あぁ、粉が残っていた方がからっと揚がるんだ」

「成程」


「さて、油の温度はエビフライと同じだ」


「残しておいたクルマエビをエビフライと同じように裁け」

「あいよ」人魚たちがクルマエビを裁き背ワタまで取る。


「腹の方に切れ目も入れたよ」


「よし、んじゃ天麩羅を揚げていくぞ」

「あいよ」


「そのまえに、天麩羅にしたら美味い物をここに出すぞ」

「おぉ。」


椎茸、レンコン、南瓜、ナス、サツマイモ、大葉。舞茸。


「へえ?」


「椎茸はへたを採って」

「おぉ」


「レンコンは皮を剥いて5㎜位に輪切りにする。

「へぇ」


「南瓜もレンコンと同じ厚さに切って」

「おぉ」


「ナスとサツマイモも同じ厚さに切りそろえる」

「成程」


「舞茸は食べやすい大きさに手でむしる」

「はぁ」


「大根は皮を剥いておろす」俺はおろし金で大根をおろす。


「ぜはー、ぜはー、ぜはー、これで準備完了だ」俺は胸を張って言う。


「まずエビからだ」俺はクルマエビを手に取る。

 そしてキッチンペーパーで水分をふき取って、小麦粉を付け、タネを潜らせて油に入れる。


「じゅわわわぁ。」美味しそうな音が響く。


「4本ぐらいまでなら同時に揚げられるぞ」

「なんで?」


「油の温度が下がらないからな」

「へぇ」


「2~3分で揚がるからまず食べてみろ」俺は人魚たちに言う。


「ほら、揚がったぞ」俺はエビの天麩羅をバットに取り出す。


「どれ?」

「これに漬けて食べるのか?」

「塩でもいいって言っていたよな」人魚たちが其々食べ始める。


「カシュ」エビ天がはじける。


「旨ぁ!」

「これが天麩羅?」


「それ、次が揚がるぞ」俺は椎茸、南瓜、レンコン、ナス、サツマイモ、舞茸、大葉を次々に揚げていく・


「お、お、お、どれもうまい」人魚たちには盛況だ。


「で、だ」俺はどんぶりに飯を盛る。

「?」


「これに天つゆを振りかけ、天麩羅を天つゆに漬けて乗せて、天丼セット」


「おぉ、旨そうだ」人魚が言う。


「これに、どれかの味噌汁を付けて200B」


「おぉ」


「ご飯とみそ汁に、天麩羅を皿に盛って、天つゆに大根おろしを入れて天麩羅御膳、同じく200B」

「あはは、又名物が増えるね」


「ムサシ様様だな」


「売っても良いぞ、前回の契約でお前たちが売った俺や姉御が教えて物の対価は、自動的に振り込まれるみたいだからな」


「あぁ、ありがとうよ」

「ムサシ様マジでパねえ」


「足を付けてもらうから、嫁にしてくれ」


「不穏なことを言ってるんじゃない」


「え~。マジなのに」


「これ以上嫁は要らん」俺は人魚の村を後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ