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レッドドラゴン

「ここの頂上にレッドドラゴンがいるのか?」

「くふふ、びんびんに感じるよ。」


「はぁ、ドラゴンに俺の力は通用するのかな?」

「どうだろうね?」


 俺は自分のステータスを見る。


名前  :ムサシ。

 ジョブ :神の身代わり レベル172

 生命力 :1004 一般成人男性の平均は15

 力   :1256 一般成人男性の平均は10

 魔力  :1167  魔力適正者の平均は30

魔法適正:有り

 使用魔法:4大属性魔法 (火、水、地、風)、天、闇、時、空間、?

スキル :剥ぐ者、統べる者 威圧 料理人 創造者

 耐性  :炎無効 水及び氷無効 土魔法、大地魔法無効、風魔法、暴風魔法無効、毒無効、麻痺無効、精神障害無効、幻術無効、石化無効、汚染無効、即死無効、呪い無効、時魔法無効、睡眠耐性、飢餓耐性、排泄耐性、水分補給耐性


「うん、俺は人外だな。」

「くふふ、認めちゃうんだ。」

「あぁ、力が普通の人間の66倍ってどんなんだよ。」

「知らない。」


「はぁ。」俺は諦めて山頂に向かった。


*********


「生き物は全くいないんだな。」

「くふふ、ドラゴンの住むところだからね。」


「しかし、微妙に上りやすいな。」

「くふふ、近隣住民の信仰の対象になっているから、そのために整備されているんだよ。」

「ふ~ん。」


 暫く登るとお堂が見えてきた。

「何だここ?」

「ここで、願い事を祈るんだね。」

「ふ~ん。」


「うん?」俺はそれに気づく。


「此処より先、入るべからず。」と書いた看板がある。

「これは、振りで良いんだな?」

「くふふ、死にたくなければ行くな! と言う事じゃない?」

「そうなのか?」

「知らないけど、多分?」


「はぁ?」俺はため息をつきながら看板を無視して登り始めた。


*********


「頂上まではもう少しか?」俺は山の頂上を見ながら言う。

「くふふ、びんびんに感じるね。」


「あぁ、俺にも解る。」

「そう言いながら進むんだ?」

「当たり前だろう。」


「くふふ、男前。」

「五月蠅い。」そう言いながら先に進む。


*********


「そこで止まれ!」声が聞こえる。

「おぉ。」俺はその存在に気付く。


 山の頂に、全身が深紅のドラゴンがいた。


「おぉ、ドラゴンだ。」


「我に何用だ?」レッドドラゴンが聞いてくる。


「あぁ、大した事じゃない、ミロク神の神気を返してもらいに来た。」


「ほぉ。」レッドドラゴンが俺を見下して言う。


「あぁ、黙って返してくれたら、生き延びられるぞ。」俺は威圧を込めて言う。


「ふふふ、神気とは我が100年ほど前に食らった奴が持っていたこれの事か?」レッドドラゴンは指先に神気を集めて言う。


「おぉ、それだ!」

「只では返せんな。」


「ほぉ。」俺は威圧と闘気を最大限に開放して言う。


「ぐう! 人が持つ闘気ではないぞ!」レッドドラゴンが言う。

「俺は人外みたいなんでな。」そう言いながら一歩を踏み出す。


「ふふふ、面白い! 我を屈服させてみよ!」レッドドラゴンが咆哮する!

「くふふ、威圧と恐怖が込められているよ。」


「え? 全く効かないんだが。」

「くふふ、だろうねぇ。」


「なぁ? 効いていないのか?」レッドドラゴンが驚愕する。


「温いなぁ。」俺はレッドドラゴンに向かい走り出す。

「くっ!」レッドドラゴンはブレスを吐こうとする。


「どっせい!」俺は手近にあった2mほどの岩をレッドドラゴンの口に向かって放り投げる。


「ぐあぁ!」レッドドラゴンの口に岩がすっぽりと挟まった。


「てい!」俺は10mほど飛び上がり、レッドドラゴンの顎を蹴り上げる。


「ぐはぁ!」口に咥えた岩を粉砕しながらレッドドラゴンが仰け反る。


 飛び降りた俺は、レッドドラゴンの腹を殴りつける。


「ぶばぁ!」レッドドラゴンが目を見開く。


「もう一丁!」俺は更にレッドドラゴンの腹を殴りつける。

「ぶぼぉ!」


「もう一回!」

「ばはぁ!」


「もう一回!」

「解った、降参する、もう止めてくれ!」レッドドラゴンが懇願してきた。


「なんだ、これからだったのに。」俺はがっかりしながら言う。

「我らドラゴンを素手でぶちのめす人間がいるとは思わなかった、この通り頭を下げる。」レッドドラゴンがその場で平伏する。


「最初からそうしておけば、痛い目に合わなくても済んだのに。」俺が言う。


「すまない、人間を見くびっていた。」

「くふふ、ムサシが人外なだけで、普通じゃないからね。」ミロクが俺の横で言う。


「何と、ミロク神様か?」レッドドラゴンが更に平伏する。

「見えるのか?」俺が聞く。


「あぁ、はっきりとではないが、お声を聴いて薄っすらとなら。」レッドドラゴンが言う。

「へぇ。」


「と言う事は、貴方様は『神の身代わり』様なのか?」レッドドラゴンが言う。


「あぁ、そうだ。」俺は組合のカードを見せて言う。


「なんと、最初にそう言ってくだされば大人しくお返ししたのに。」レッドドラゴンがそう言いながら指先に集めた神気を俺の前に差し出す。


「ミロク。」

「うん、凄く一杯帰って来た。」ミロクが満面の笑みで言う。


「良かったな。」

「うん。」


「んじゃ、帰るか。」俺はそう言って踵を返す。


「お待ち下さい!」レッドドラゴンが言って来る。

「何だよ?」


「次はブルーですか? ブラックですか?」レッドドラゴンが言う。


「え?」俺はミロクを見る。

「両方だよ。」ミロクが答える。


「何と?」レッドドラゴンが驚愕する。


「両方、そして最後は。」ミロクが貯めを作って言う。

「最後は?」レッドドラゴンが聞き返す。


「エンシェント。」ミロクが言う。


「なんと!」レッドドラゴンが再び驚愕する。


「何だよ?」俺は怪訝に思って聞く。


「ブルーは、まだ話が分かると思います。」レッドドラゴンが言う。

「ほぉ。」


「神の身代わりの名を出せば、大人しく神気それを差し出すかもしれません。」レッドドラゴンが言う。


「しかし、ブラックは我らでも話が通じません。」レッドドラゴンが言う。

「へぇ。」俺は流す。


「いや、『神の身代わり』様なら大丈夫かもしれませんが。」


「今回は抜かなかったが、いざとなればこれで首を落とす。」俺は天叢雲剣を抜いて言う。


「そ、それは、天叢雲剣!」レッドドラゴンが震えながら言う。


「あぁ、ミロク神から借りている。」


「その剣ならば、我らドラゴンも容易く切り刻めます。」

「そおみたいだな。」


「その剣ならエンシェントにも通じるやもしれません。」レッドドラゴンが言う。


「なんだ、エンシェントってそんなに強いのか?」俺はレッドドラゴンに聞く。


「戦った事はありませんが、言い伝えではブレスで山が吹き飛んだとか、しっぽの一振りで森が更地になったとか。」レッドドラゴンが言う。


「へぇ?」


「流石は神の身代わり様、全く動じませんね。」レッドドラゴンが感心して言う。


「見たことも無い奴だからな。」俺はそっけなく答える。


「感服いたしました。」レッドドラゴンが平伏して言う。


「あぁ、忠告感謝する。」俺はそう言いながら山を下りる。


「何かあれば、この我がお手伝いさせて頂きます。」レッドドラゴンが平伏したまま言う。

「あぁ、その時は頼むよ。」俺は振り返らずに言う。


「ははぁ! 仰せのままに。」レッドドラゴンが言う。


「くふふ、仲間になりたそうにしているよ。」ミロクが言う。

「はぁ。」俺はその場で止まって振り返る。


「ではな、『くれない』。」俺はレッドドラゴンに言う。


くれない?」レッドドラゴンがキョトンとする。

「お前の名だ。」俺が言う。


くれない、おおおぉ、ありがとうございます!」紅が更に平伏した。


「くふふ、色男!」ミロクが俺の脇腹を肘でつついて言う。

「何がだよ?」


「くふふ、あのレッドドラゴンは雌だよ。」

「はぁ?」


「ドラゴンもあのレベルなら人化が出来るから、嫁になれるよ。」

「お前、俺を何だと思っているんだ?」


「え? チャラいハーレム大好き男?」

「てい!」俺はミロクの腹に一発入れた。


「ふぎゅう。」ミロクが其処で撃沈する。


 そのまま、俺はミロクを肩に担いで自宅に向かった。


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