表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/132

バジリスク解体

「はぁ、これを解体するの?」俺は嫌そうに言う.


「あぁ、お宝だよ。」ミロクはいつもの通り楽しそうだ.


[はぁ、観念したよ。]


「天叢雲剣の小太刀を使わないと、捌けないよ。」

「あぁ、解った。」


「まず皮は、石化防止に優れた防具になるよ。」

「おぉ、慎重に剥げって事だな。」


「くふふ、意外とお肉も美味しいんだ。」

「あぁ、部位ごとに切り分ける。」

 切り分けた肉を、ミロクが持ってその場から消える。


「心臓は、薬の材料になるよ。」

「へぇ。」そう言いながら、俺は切り分ける。


 切り分けた物をミロクが持つ。

 一瞬で、心臓が消える。


「後、目と舌は希少部位だよ。」

「え? これが?」


「くふふ、おつまみに最高だよ。」

「げぇ、舌はともかく、目は嫌だ。」

「くふふ、バジリスクの目は、一個100Gになるよ。」



「マジかぁ?」

「くふふ、人生で一回ぐらいは味わった方が良いよ。」


「考えておく。」


「内臓も珍味として売れるよ。」

「こんな物が?」


「くふふ、生姜を利かせて、甘辛く煮れば最高の味になるよ。」

「ふむ、一回ぐらいは試して見るか。」

「くふふ、人生観が変わると思うよ。」

「そうか。」


「魔石は最低50Gになるよ。」

「あぁ。」俺は魔石をはぎ取ると、ミロクが一瞬で持ってくれた。


「骨は、う~ん、要らないかな。」

「持って帰れば売れそうだけど?」


「たいした収入にはならないから、破棄で。」


「解った。」

「くふふ、塵になれ!」ミロクの言葉で、バジリスクの残骸が塵になる。


「さて、帰るよ。」

「おぉ。」


 俺達は、南の門に向かって走る。


 当然、出会ったお肉は解体した。


 ゴブリン44、オーク74、オーガ44、金鶏53、コカトリス12。


「くふふ、良い稼ぎだね。」


「あぁ。」その価値を知らない俺が返事をする。


「くふふ、一生楽して暮らせるよ。」

「え?」


「バジリスクも、レッサードラゴンも、勇者認定される獲物だよ。」

「いや、バジリスクはともかく、レッサードラゴンは、ミロクが狩ったよな。」


「くふふ、ムサシでも瞬殺だったよ。」

「はぁ?」


「謙虚だね?」


「いやいやいや、あの化け物を俺が狩る?」


「くふふ。」


「あ~、出来そうだ。」

「くふふ、そうだよね。」


「俺、どうなったんだ?」


「神の身代わりとして開花したのかな?」


「へぇ?」


「その反応が良いね。」





「ぜはー、ぜはー、ぜはー、きっつい。」俺は南門の前で、膝に手を当てて息を整える。

「くふふ、予定より3時間も早く着いたよ。」


「おぉ、バジリスクはどうなったんだ?」朝もいた門番が俺を見て聞いてくる。


「狩ったよ。」


「おぉ、流石だな。」


「とりあえず、この町の組合に納品しようか?」ミロクが言う。

「あぁ。」俺は組合に向かった。



「おや、神の身代わり様、納品ですか?」俺の顔を知っているお姉さんが、声をかけてくる。

「あぁ、そうだ。」


「はい、ではこちらのカウンターではなく、奥の解体場に。」

「あぁ、解った。」


「では、こちらで納品してください。」お姉さんが、大き目の素材を納品するところに案内する。


 俺は、其処にミロクが持っていた物を取り出す。


「ゴブリンの魔石、120個。」

「あぁ、屑魔石です、30Gですね。」

「あぁ、それで良い。」


「オークの良い肉1080kg。」

「おぉ、これは良い肉です、648Gですね。」

「うん。」


「オーガの爪68匹分。」

「136Gですね。」

「うん。」


「金鶏81羽。」

「え? 金鶏?」

「うん。」

「マジですか?」

「1羽10Gです。」

「そんなに?」

「めちゃめちゃ美味いんですよ、しかもめったに獲れない物を81羽ですか?」

「あ~、1羽は俺が食う。」

「では、800Gです。」

「うん。」


「次は、コカトリス18羽だ。」

「は?」

「え?」

「こ、こ、こ、コカトリスですか?」

「うん。」

「お待ちください。」そう言ってお姉さんが奥に走っていく。

「くふふ、半分はリーンに持っていったら?」

「あ、そうだな、じゃぁ9羽にするか。」

「うん。」そう言ってミロクが9羽を持ち、その場から消える。


「お、お待たせしました。」お姉さんが恰幅の良い男を連れて来た。


「あ、あれ? 減ってる?」

「あぁ、悪いな、お土産を忘れていたから、半分にした。」

「でも、まだ9羽ありますから良いです。」


「コカトリスを持ってきたのは君か?」男が言う。

「はい。」


「しかも、大量に。」

「駄目なら、仕舞いますが。」

「いや、問題ない、あぁ、失礼した、此処の副組合長をしているオーマ・ドーンと言う、宜しく頼む。」

「はぁ、俺はム「神の身代わりのムサシ様だろ、宜しく頼むな、昨日はナマズを納品してくれたそうじゃないか、ありがたい事だ。」

「で、コカトリスなんだが、買取価格は1羽60Gなんだが、大量だから色を付けて70Gで買う。」

「良いよ。」ミロクが俺の声で言う。


「おぉ、ありがたい。」


「じゃぁ、決済宜しく。」俺はカードを渡す。

「はい、今回の買い取りは2214Gです。」端末を処理しながらお姉さんが言う。


「ははは、今後とも御贔屓にお願いします。」オーマ・ドーンが俺の手を握りながら言う。

「あぁ。」


「はい、決済完了しました。」お姉さんがカードを返してきたので受け取った。


「じゃぁ、また来るな。」


「「はい、お待ちしております。」」お姉さんとオーマ・ドーンの声がハモった。


 宿に帰った俺は、ニホに金鶏を渡した。

「これは、金鶏?」

「あぁ、足一本分で料理を作ってくれ、残りは好きにしていいぞ。」

「あの。」


「ん?」

「このようなものにお支払いする「あぁ、要らない要らない、料理を作ってくれることが対価で良いから。」

「でも。」

「良いんだよ、後でテトをもふらせてもらうから。」


「え~。」テトが困った顔をする。

「そう言う事なら、存分に、夜伽をさせても構いません。」

「俺が構うよ!」


「「え?」」ニホとテトが同時に言う。


「あんたら、俺を貶めてるのかよ!」俺が叫ぶ。



「くはぁぁ。」金鶏の料理を喰った俺はその場で撃沈した。

「マジで、恍惚を味合わせてくれる味だった。」


 賄いで食べた、ニホとテトも撃沈していた。


「金鶏でこれなら、コカトリスはどうなるんだろう?」

「くふふ、死んじゃうかもね。」


「何それ、怖い。」

「くふふ、くふふ。」


オーク肉の値段計算が違っていたので訂正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ