No.44 断念
「ペルケレ先生、もう終わらせましょう。どう言ったって、貴方の気持ちは変わらないんでしょう?」
瓦礫の中から、震えた体を堪えながら姿を晒す。
「母はもう足が動きません。逃げるにしても限界がある。…それ以上に生きる事を望んでいません。後は、本人次第になりますが、貴方の思い通りになるし、なるしかない」
「カンナちゃん!」「カンナさん!」
「2人ともゴメンね。こんなに頑張ってくれてありがとう。でも、疲れたでしょ?動けないでしょ?ありがとう、もういいよ」
その言葉に2人は目を見開き、ガクッと肩を落とした。
「母の居場所はわかっています。私が案内するのでついて来て下さい」
その言葉にさえ、彼は首を傾げる。
こんなに疑い深い人物だとは思わなかったが、文言を付け足した。
「私が貴方に牙を向いた時は、貴方が武器を解除すれば良いだけの話です。後で避難している人たちや島にいる人達は全員大広場に行かせます。もう、降参です。これで良いですか?」
「そこまで言ってくださるのなら、私はカンナさんの言葉を信じましょう。では案内して下さい」
2人でエレベーターに乗り込み、母達のいる階のボタンを押した。
「貴方は可哀想な人ですね。どうせ、全部の罪を背負うつもりなんでしょう?理不尽だとは思いませんか?」
「別に、人殺しなのは変わりありませんから。さぁ、つきましたよ」
とある階の廊下に出向くと、シュウマ君と母の姿があった。
「ペルケレ先生」
「探しましたよ、レイカさん。私と一緒に大広間に来ていただけますか?」
その言葉だけで背筋が凍ったが、今は耐えるしかない。
ペルケレ先生の言葉に母は静かに頷いた。
「カンナ殿、ペルケレ先生に身柄を渡しても良いのでござるか!?」
「うん。色々考えたけど、誰かを守る為には誰かを犠牲にしなきゃいけない。全員は守れない。ママ...」
「大丈夫よカンナ。一度は死んだ身ですもの。私はこの世にいてはいけない存在なの。覚悟は出来ているわ、私を連れて行って」
その言葉と共に、母をおんぶし大広間まで行く事になった。
No.44を読んでいただきありがとうございました。
No.45(End)エンドロールをお送りします。
次で長かった連載も最後となります。
最後まで読んでくださった読者の皆様本当にありがとうございました。
連載終了後はファンブック?みたいな感じでキャラクターの設定とか、物語の時系列をまとめた物を投稿したいと思いますのでよろしくお願いします。




