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No.4 決断

ドラゴニクヴァルガン寮・火山


トワコ先生を人気のいない火山へ呼び出し、大事な決断を迫られていると告げた。


「トワコ先生、決めて下さい。貴方がどちらの味方をするのか。かつての仲間達か、それとも私達生徒か」


「ねぇ、カンナちゃん。私が前に言った事覚えてる?私は戦場に行きたいくないっていう話」


「…はい」


以前、ダイスさんがオクトール諸島に来た時にトワコ先生がBIG7である事を初めて知った。


「…戦いを避ける事は出来ないの?相手も人間だもの。言葉が通じないわけじゃないでしょう?戦闘を避けて、話し合いをするっていう手段もあると思うの」


トワコ先生の言葉で自身の考えに初めてブレーキをかけられたような気がした。

彼女は平和主義者だ。

強い人程、戦いを好まないのはこの世の真理だろう。


トワコ先生のように、相手に危害を加えない平和を求めるのなら何も問題ないのだが私の母は違うのだ。

私達の言葉など耳も傾けようとしないだろう。


自分が正しいのだ。死んだ自分が。


被害者となった自分が一番正しく、正義なのだ。

どれだけ人を傷つけようと、どれだけ人を殺めようと一度死んで酷い目に遭った自分を誰も責めはしない。

そう思っているのだろう。


「確かに先生の言う事はごもっともです。それが一番ベストな答えだと私も思っています。でも、私達の敵はそれが通じません。意見が違えば、相手に合わせる必要があるんです。…お願いします、貴女が決断しなければ戦いが始められません」


深々とお辞儀し、この深刻な現状を受けとめて欲しいと説得する。

どう言う意味でトワコ先生が動揺したのかはわからないが、間をおいた後、考え込んでいるようだった。


「…私の能力じゃ治療出来ても人を生き変えらせる事は出来ないの。…カンナちゃん、お願い、約束して。大切な人が死んでも、決して自分の目的を間違えないで、やり通して。自分の悪で相手の正義を潰している事を忘れないで。カンナちゃんのやりたい事はエゴなの悪なのよ」


優しく手を握ってくれるものの、言い聞かせるように、忠告する様に言うトワコ先生は優しい人だ。

そんな人をこの戦いに招く事自体が悪なのだろう。


「トワコ先生。以前、ヒデキチさんが守護霊を帰還させる方法を教えてもらったんです。貴女にはその第一号となってもらいます」


「…拒否権はないのね」


「ありません。そのあとは生徒や他の先生方と一緒にイギリスの姉妹校に移動してもらいます。ヒメユリは戦場に似合いませんから。教師として、生徒を守ってください」


無理矢理になってしまったがこれでよかったのだろう。

後日、ユニコーンさんを帰還させる予定だ。


これでピースは出揃った。

後は客人を招き入れるだけだ。




No.4を読んでいただきありがとうございました。

次はNo.5「黒い波」をお送りします。

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