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No.30 崩壊

「きゃっ!?何!?」


何かが吹き飛ぶ音と共に、鼻を突くような黒い煙が校舎に立ち上るのをカンナ達は見ていた。

一瞬、赤い線のような物が見えたが、瞬き一つすれば消えていたので見間違えたのかとカンナは目を擦っていた。


シュンを追いかけ、庭園を駆け巡っていたカンナは同じように動揺し立ち止まっていたシュンを見つけた。


銃を握りしめた手を見ながら目を泳がせ慌てて武器を解除した。

自分が理性を無くし、咄嗟に敵を追いかけていた事に気づいたのだろう。


心配になったカンナはシュンに駆け寄った。


「シュン君?大丈夫?」


「あぁ…大丈夫。少し、錯乱してたみたいだ。…校舎の方で何かあったみたいだな」


2人で校舎の方を見上げ、状況を確認する事にした。


頂上付近は大広間や校長室など学園にとって重要な施設が入った区間だ。

そこで何かあったとなれば、大問題に発展するだろう。


「どうしよう…様子を見に行った方がいいかな」


「タマミさんと合流してから見に行こう」




シャトランス・校舎付近


「あー、2人とも戻って来たー。戦果は…無いみたいだねー。しょうがないかー」


「ゴメンね、ちょっとアクシデントがあって戻って来たんだ。気になる事もあるし」


そう言いながら、カンナは校舎の頂上を仰ぎ見た。

すると、一瞬赤い線と人影が見えた。

カンナはそれを見逃さず、慌てて駆け寄った。


「カンナちゃん!?」


「間違いない、シャンランさんだ!!いつの間にあんな所に」


探していた人物がこんな所にいるとは思わず、動揺したがダメ元で捕まえられないかと奥義を発動し、彼女に接触しようと試みたが直ぐ様逃げられてしまった。


しかし、状況は把握出来た。

校舎を破壊された事にシャンランが関わっていると言うのは言うまでもないだろう。


3人で状況を確かめるべく、校舎内へと向かった。



校舎・19階


異質な解放感に包まれ、強風が吹き荒れる一室でペルケレは落ち着いた様子で椅子に座り、そのまま3人の方へ向き直った。


「ペルケレ先生は…大丈夫そうですね。一応、安心しました」


「ご心配をおかけしました。大丈夫ですよ、皆さんは自分のすべき事を行なって下さい」


「ねぇ、カンナちゃんー。もしかして、ペルケレ先生って変人なのかなー?校長室って、こんな感じだったけー?なんか違うよねー?」


「…うん、そうだよ」

No.30を読んでいただきありがとうございました。

次はNo.31「助け舟」をお送りします。

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