No.29 手がかり
「おや?どうしました、シャンランさん?もしかして、逃げるつもりですか?」
「...っ」
ジリジリと後ろに下がろうとするシャンランをペルケレが気づかない訳がない。
しかし今、現状を踏まえて此処でシャンランが出来る事は無いのだ。
正攻法で彼を倒す事が不可能なのは目に見えている。何もできない。
「歯痒い」この一言に尽きる。
倒すべき相手はもう分かっているのに、ペルケレをどう上手く処理したらいいのか分からないのだ。
まず、仲間を集め手段を構築するのがいいだろうと判断したシャンランは相手に背を向ける事にした。
「残念ですが、仕方ありませんね。私は此処で待っていますから答えが出たらまた来てくださいね。期待してますよ」
シャトランス・庭園
レイカとケンシロウの元に戻ったシャンランは2人にペルケレとのやりとりを話した。
レイカは頬杖をつき、困惑した表情をしている。
「困ったわね。まぁ、そう単純な人ではないのは分かっていたけど。まさか、全員の守護霊を管理出来るとは思わなかったわ。あなたは知ってたの?」
その言葉にケンシロウは溜息をつきながら頷いた。
その態度を見るに以前から知っていたようだ。
「元々、霊感のない私の代わりにペルケレがクラーケンの管理をしていた。それの派生だろう。私に守護霊の使い方を教えたのは彼だからな。他にも人工的な繰り上がりを研究して武器まで自分の思い通りにしようとした」
「はぁ…じゃあ、何年も前からアイツの思い通りだったわけネ?今更だけど、何で止めなかったネ」
「ごめんなさいね、この人。私を生き返らせる事しか興味ないから」
3人一同に溜息をつきながらもこれからの事を考える。
「でも分かった事もあるわ。彼は“周りが何をするのか待ってる”のね。自分で手を出してこないのなら尚更。尺に触るけど、“彼の望む事をしてあげる”事がこの戦いを終わらせる鍵になるでしょうね」
No.29を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.30「崩壊」をお送りします。




