No.24 奇襲
シャトランス・庭園付近
「アダム、誰かいる?」
花壇に隠れながら3人は辺りを見渡している。
アダムは嗅覚を使い、偵察を開始した。
『レイカ、色んな人間の匂いがするよ。混じって良くわからないや』
「複数人いると言うことか。厄介だな」
その時だった、ゆっくりと4つ程の足音が聞こえて来る。
キョロキョロと何かを探しているようだ。
「シュン君、いた?」
「いや、ここにはいないみたいだな。2人とも何処に行ったんだ?」
その正体はカンナとシュンのようだ。
どうやらヴァニラとラトゥーシュカを追って庭園まで来たようだ。
「タマミちゃんを待たせてるし、早く探さないと」
3人にとってこの2人は厄介な敵と言ってもいいだろう。
停戦したものの、レイカを倒す為に地下にやってきたのは間違い無いからだ。
敵討ちをするタイミングを虎視眈々と狙っているだろう。
口を塞ぎ、2人が遠のいていくのを待っていたが大人しく出来ない者もいる。
「悟空、大人しくするヨ!」
慌てるシャンランをニヤニヤしながら悟空は見ていた。
彼は頭を指さしこう言った。
『シャンラン、頭を使え。頭を。こんな所で待ちどまっていたら相手の思う壺だ。こうするんだよ』
勢いよく花壇から飛び出し、近くの木によじ登っていく。
露骨に揺らせば相手も気付くだろう。
「何だ!?」
シュンがショットガンを打った所で当然だが擦りもしない。
しかし、シュンは冷静でいられないのか反射的に追いかけている。
「シュン君、ちょっと待って!!」
カンナもそれを追いかけていき、3人から離れる事になってしまった。
「丁度いいわ、此処から離れましょう」
シャンランは囮となった悟空を横目に見ながら逃走を開始した。
No.24を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.25「発見」をお送りします。




