No.22 無戦
「…なら、我はどうしたらいいネ」
その言葉にレイカは校舎の頂上を指さした。
「彼処にペルケレ先生がいるの。この戦いを終わらせるには彼を止めるしかないわ」
「なら、彼奴を」
校舎の方を睨みながら、武器を向けるシャンランをレイカは引き止めた。
「待って、それじゃ意味ないわ。それどころか、彼の思惑通りになってしまう。彼が居なくなったら反発してくる子達がいる事を忘れないで」
現状、シャンランと敵対している人物は同時にペルケレの仲間でもある。
自分達は気づいていないだろうが、ペルケレが優位になるように動いているのだ。
武器を仕舞い、一呼吸置いたシャンランは携帯を取り出し誰かに連絡しようとしている。
しかし、繋がらないようだ。
「あの2人は何処に行ったネ、全く」
「あら、誰を探しているの?良かったら、手伝いましょうか?」
そんな会話をしていると、エンジン音が聴こえてきた。
「不味いネ!!ヴァニラとラトゥーシュカを探さないといけないのに!!」
上空ではシャンランが武器をしまったのを見計らい、コテツがこちらに奇襲を仕掛けようと狙っているのだ。
それを見たレイカはこう呟いた。
「アダム、手錠に顕現して」
レイカは咄嗟にシャンランの手を掴み拘束した。
「お前らグルだったネ!!我を騙したあるカ!!」
抵抗する彼女を宥めるようにレイカは囁いた。
「落ち着いて。今此処で暴れたら死ぬわよ?それよりも今此処で捕まって降伏した方がいいわ。そうすれば今よりもっと動き易くなるわ。仲間も見つけられるもの」
シャンランを捕獲したとコテツに見せびらかし、攻撃するなと抑圧した。
すると、コテツは戦闘機をパラシュートに変え、陸上に着地した。
「彼女を地下まで連れて行くわ。まだ仲間がいるようだし、私達で管理していいわよね?」
その言葉にコテツは訝しげにこちらを見たが、結果として了承した。
No.22を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.23「隠れ家」をお送りします。




