第6話
年末年始、時間がありましたので、書いてみました。
説明のような、おとぎ話のような……
読んでいただけると嬉しいです。
ダンジョンギルドとは……。
それは冒険者ギルドと対をなす存在である。
昔々あるところに、勇者と魔王がいました。
勇者は仲間たちとチカラを合わせ、魔王を退治しました。
ところが、魔王は死んでいなかったのです。
復活した魔王に再び勇者と仲間たちは挑みました。
ところが、
魔王は逃げだしたのです。
追いかける勇者と仲間たち。
しかし魔王は、数々の魔物や罠を張り巡らされた地下深くへと逃げ込み、
勇者たちから姿を隠したのでした。
そして
今も地下深くから地上を狙っているのです。
勇者は私たちに言いました。
「私はいつか老いて死ぬだろう。しかし、私の心は、皆に宿っている。
皆が勇者だ。
皆のチカラがあれば地下を魔王を倒すことは出来る。
冒険者に神の導きあれ。」
冒険者よ。
魔王に打ち勝つその時まで。
初代冒険者ギルドマスター勇者の言葉を胸に、
ダンジョンの攻略にギルドと共に立ち向かおう。
いざ、ダンジョンへ！
（「冒険者ギルド資料集 １（ダンジョンの歴史と勇者の言葉）」より 参照）
勇者により作られた冒険者ギルド。それに対をなすダンジョンギルドの存在が明るみになったのは、冒険者ギルドが出来てからしばらくのことだった。
冒険者ギルドは初代冒険者ギルドマスターとなった勇者と冒険者により、魔王が逃げた地下ダンジョンの攻略は順調に進んでいた。
しかし、ある日、思いがけない報告を勇者は聞くことになったのです。
「他の土地で魔物が暴れている？」
なんと魔物が溢れ出て街を襲っているという報告でした。
初代ギルドマスターである勇者はさっそく噂の真相を確かめるためにその街へと赴きました。
そこでは魔物が森の奥から街へとやってきていたのです。
街を救った勇者は森の奥へと足を進めました。
そしてダンジョンを発見したのです。
勇者はこのままにしては危険だと思い、ダンジョンに入っていきました。
そしてダンジョンの最深部へとたどり着いた時に知ったのです。
ダンジョンの奥には大きな魔石が置いてありました。
そしてすぐそばには手紙が。
「これはダンジョンコアという魔石。ダンジョンギルドに加入した証だ。
各地のダンジョンギルドのメンバーと切磋琢磨して勇者を倒そう。
魔王より。」
なんと、魔王もギルドを作って勇者を倒そうと考えていたのです。
これを知った勇者はすぐに街へと戻りました。
そして魔物の氾濫や襲来に備えるため、勇者は国境を越えて各地に冒険者ギルドを立ち上げる活動を精力的に行ったのでした。
（「冒険者ギルド資料集 ３（冒険者ギルドの広がりと勇者の功績）」より 参照）
そして、現在。
ダンジョンは今も新しいダンジョンが発見されている。
ダンジョンを専門に研究している人曰く、ダンジョンは元々一つしかない。
しかし、上層・中層・下層と3段階に分かれている。
上層は地上から地下へと降りていく入り口だ。
上層はアリの巣のように幾重にも張り巡らされている。上層と中層をつなぐ門番としてダンジョンギルドが存在している。
中層からは無数の罠や仕掛けが攻略の妨げになるように配置され、上層より強い魔物と魔王の側近たちが勇者を待ち構えていている。
下層には魔王が魔物を集めて地上を狙っている。そのような構造をしていると。
冒険者ギルドは今もダンジョンの攻略を続けている。
勇者の末裔や英雄と呼ばれる人々の活躍により、いくつものダンジョンを攻略してきた。
しかし、中層から下層といった辺りで攻略は進んでいない。
いまだに下層へと至っていないが、下層へと至るのは時間の問題ではないかと噂になっている。
ダンジョンギルドについては攻略に伴い、資料がいくつか発見されている。
資料によるとダンジョンギルドでは複数のダンジョン同士で、物の売買が行われているようだ。
海から離れた山のダンジョンで海産物が見つかることがある。きっと売買された物だろう。
しかし、他のダンジョンと繋がっている道や魔法陣は見つかっておらず、どのような交流があるのかは不明だ。
まだまだ解明できていないことが多いダンジョンギルドだが、今後の攻略次第ではさらに判明することもあるのではないかと期待している。
（「冒険者ギルド資料集 ７９（最新のダンジョンギルド資料から）」より 参照）
ステイホーム。
読んでいただいてありがとうございます。
お家時間が増えると、新しい作品に触れあえる時間も増える。
きっといいこともあるでしょう。
みんなでステイホーム。
心身ともに健康でお過ごしくださいませ。
良い年末を。
