第七章 姫様とクロムギ(仔猫)の件
リンスの屋敷
屋敷の中庭でリンスと黒い仔猫姿のクロムギ(クアール)が遊んでいる。
「クロムギくん何故、林で大怪我をして倒れていたのですか?」
クロムギの耳の先端の巻き毛の様な触感が小刻みに振るえている。
リンスの頭にクロムギの声が届く
「町にいた、女オーガの大将にやられた」「あやっは強い」
「マルクディス、彼女ですか▪▪▪」
メイド服姿のマヤがティーセットを運んで来る。
テーブルの上に置き、
ティーカップにティーポットでお茶を注ぐ
テーブルの席に付き、お茶を飲むリンス
クロムギ(仔猫)を横目に見るマヤ顔にだらだと
冷や汗を掻いている。
仔猫の正体に気づいている様だ
マヤの様子に気づき、訊ねるリンス
「マヤ顔色が悪いですね、大丈夫ですか?」
慌てて微笑みおじぎをするマヤ
「姫様、大丈夫です、ご心配ありがとう存じます」
クロムギがミャーと鳴くと
真っ青に成って凄い勢いで後退りするマヤ
クロムギがじわりじわりとマヤに近づいて行く。
「何で近づいて来るのよ。」
「マヤ仲良くなりたいのよクロムギくん」
もれつな速さでクロムギから逃げるマヤ
面白がって中庭中マヤを追いかけ回すクロムギ
「ひえーつ」
悲鳴をあげながら走り廻る、止まったり走ったりを繰り返してる、涙目のマヤ
クスクスと笑みを浮べその様子を見ているリンス。
クァール(英語: Coeurl)とは、A・E・ヴァン・ヴォークトの古典SF小説『宇宙船ビーグル号の冒険』の1章から6章、および短編として発表された『黒い破壊者(Black Destroyer)』に登場する架空の生物。
特徴
人間並みかそれ以上の高い知能を有する。巨大な猫型で体色は黒。耳の代わりに巻きひげの様な触角が生えており、あらゆる電磁波の送受信が可能である。肩から生えた2本の長い触手の先端は吸盤状になっており、人間の手と同様、細かい作業をする事ができる。他の生物を襲って殺し、細胞原形質イドからカリウムを吸収する。細胞中のカリウムは死後時間が経つと血液中に流出してしまう為、クァールは殺した直後の獲物しか食べないとされる。全身から様々な放射線を発する事もでき、レントゲン写真による透視を阻害する事も可能。また振動波銃の直撃を受けても全く影響を受けない。
性格は残忍で狡猾。巨体にふさわしい膂力も有しており、「黒い破壊者ブラック・デストロイヤー」の名で呼ばれる事もある
小説、ダーティペア シリーズに登場している