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9.パンツの戦い

翌朝勇者一行は集まり、ディーネがノルマ達成のためにプレゼンをしていた。

ディーネは青い髪に程よい胸の膨らみがあり、美少女の姿をしていた。

ディーネの話をきくと、何故かサテラへの殺意がどんどん増していくのだった。

召喚者と転生者にあり得ないほどの格差があった。

転生特典なるものが彼らにはあって、召喚者には何もない。

召喚された勇者の多くは魔王討伐を真面目にやればほとんど死ぬけども、転生者は転生特典のおかげで死ぬことは滅多にない。

それどころか、転生した勇者に任せとけば普通は魔王は倒される。


「お前女神なんだよな」

「ええ、そうよ」

「俺に特典よこせ」

「それはプレゼンした通り天界のルールに反するから無理よ」

「お前は何ができるんだよ」

「そうね。女神補助も転生者特典だから、人間でも使える魔法でヒールを始めとする僧侶系魔法でのサポートだけかな。女神の祝福での身体超絶強化は転生者の正幸限定よ」

「このゴミが」

「そうよこのゴミ女神、私を引きずるだなんて何様なわけ」

サテラも勇者と一緒に暴言を吐いて、勇者に熱い視線を送る。

その顔を見た途端に怒りが爆発して、サテラを殴った。

サテラは宿屋の窓を突き破り隣の建物の壁にめり込む。

「お前の仕事だ。あいつにヒールをかけてこい」

サテラはディーネのヒールで回復したようで、大人しく席に座りなおした。


ロザリーはとばっちりがこないようにただのぬいぐるみの振りをして発言する気もない。マリーは昨日の卓也の活躍を恋する乙女の視点で、報告書に書いていた。

「これで完璧ね」

いつもの通り黒い火で燃やして魔王城に送った。


ディーネはマリーに指さした。

「卓也、そこのサキュバスを殺すのよ。手紙を魔法でどこかに送ったのを見たわ」

「おいサテラ、その燃えカスを復元できるか?」

「できるわよ」

サテラは燃えカスを復元させて、その手紙を卓也に渡した。

卓也はそれを読み上げる。

「勇者様は私を庇うために首輪を下さり、私のご主人様になっていただけました。

散歩中に聖剣をもつ別な勇者と遭遇して、私のことを守るために必死に戦いました。

勇者様は見事に聖剣をもつ勇者様を倒して、私の元に戻ってきてくれました。

その時は私は彼がとてもとても恋しくなりました。きっと運命の人なんです。

クレア様もこの戦いで勇者様と和解されたようなので、クレア様の救援要請はキャンセルです。

以上、今回の中間報告は終わりです」

マリーは恥ずかしさのあまり隅の方で頭を抱えている。

「おい糞女神、これのどこに問題があるんだ」

「そんなはずないわ。きっと捏造したのよ。サテラもきっとぐるなんだわ。

女神の私を信じて卓也」

サテラはとても不満そうな表情でマリーをみている。

とても小さい声で

「殺してやる」

勇者は確かにその言葉を聞いた。サテラの胴体を勇者はつかんで持ち上げた。

「こんなところで、プレイをするの」

サテラは何故か笑顔になった。そのサテラを女神にぶつけてみた。

サテラは結界にあたって腕が折れて痛がっている。

「マリーを殺したら、お前も殺すからな、この糞アマが!

あと糞女神、サテラはマリーを助けるなんてありえない。

それは俺が保証する」

「諦めればいいんでしょ。なら、次はあんたの股間についている吸血鬼を浄化するのよ」

「私はその糞女神よりも役に立つわよ」

卓也はクレアの発言を完全スルーする。

「いいけどよ。お前がこいつの代わりになる覚悟はあるのか?」

「代わりって何よ」

「小便の排泄器だよ。お前の頭を切断して俺の股間に移植するんだよ。

みたままの通りだよ」

「あ…あんた、女神をなんだと思ってるの、

ならその隣のぬいぐるみの浄化を」

いきなりゴーレムの腕が女神を殴り飛ばした。女神はサテラと同じく隣の建物の壁にめり込んだ。

勇者はサテラとディーネという気に入らない女性二人を黙らせることに成功した。

隅にいるマリーの肩を軽く叩く。

「その手紙のことは忘れてください」

「忘れるなんてことはしない。でも私の気持ちは今のところは君には惚れてないんだ。すまないな」

「誰か好きな人がいるんですか。やっぱりサテラさんか女神のディーネさんですか?」

「………どうしてそう思うのかな?」

「チャームが効かないとなると、男の人は胸の大きい方がいいと思うんです」

「胸の大きさよりも大切なことはたくさんあるんだよ」

そういって、勇者は席に戻った。

マリーは何かを決心したらしく、勇者の隣の席に座ってきた。

サテラとディーネとさらに話すことはあったが、こいつらと話すとストレスがかなりたまる。

気晴らしにマリーとロザリーを連れて散歩することにした。


散歩しているいると馬と馬車の販売をしている店があった。

人数も増えたことだし、馬車もありだな。

「おい、俺と、女性3人、人サイズの大きなぬいぐるみを1つ乗せるとしてどんな馬車がいいんだ?」

「これは勇者様じゃありませんか。貴方様の噂で持ち切りですよ。誠に申し上げにくいのですが、

北へ向かっているのであれば私のところの馬車はおすすめできません。1人に付き馬1頭がお勧めです」

「ほう。訳を話せ」

「仮に人数的に中くらいの馬車にしても、重量的に馬が4体ほど必要となります。

馬4頭と馬車では小回りが効かず、今後の冒険で馬車をどこかしらで捨てることになるでしょう。

それならば初めから馬を人数分買った方が小回りが効いてよいです。もしもの時には非常食にもなります」

「荷物は収納魔法使えるのがいるから、馬車は小さいので問題ない。それならどうだ?」

「さすが勇者殿、同行されている方に素晴らしい人材がいるのですね。あの馬車は見ての通り馬1頭用です。とてもじゃないですが、全員載せると馬が疲労で使いものにならなくなります」

「値段的には馬を人数分用意した方が高いんだよな?」

「ええ。その通りです」

「もう少し考えたいから、また後でくる」

「こちらがお見積りの金額をかいたものです」

帰り道に見積を見てみたが、人数分の馬を用意すると手元の資金が足りなかった。


宿場に戻ると

サテラとディーネがいた。

「お前ら財布の金を見せろ」

サテラは素直に財布を見せた。中身は金貨2枚だけだった。

ディーネは財布を出すそぶりがない。

「ディーネ、財布をだせ」

「女神の私は財布なんてありません」

「は?」

「全て正幸がお金の管理してたからね」

勇者の顔が険しくなり始めた。

「女神の祝福」

ディーネは自分自身にバフをかけた。

ディーネは素早く勇者から離れた。

「私は馬鹿じゃないから、もう二度と殴られないわよ」

ディーネは大きなテーブルを持ち上げて、近づいたら投げつけてやると威嚇までしてきた。

「ディーネ、女神の祝福は正幸限定じゃないのかよ。卑怯者め」

「女神が女神本人を強化してはいけないなんて規則なんてありません。

ただ強化した女神が敵を倒してはならないだけなのよ」

ディーネは勝ち誇ったような表情をみてイライラがたまる。

「今の私がどんだけすごいか知りたい? 教えてあげるわ。バカで無能な人でもわかるように教えてあげる」

ディーネは宿屋の外を見ると馬車をひく馬が見えた。

「例えば馬基準でいうと、馬10頭分の力で馬車を引けるのよ」


馬だと、勇者は目の前のイラつく女神を馬として馬車をひかせたら、どんなに気分がいいかを想像した。

ありだな。

「女神様すごいよ。見直した。俺もあんたを崇める宗教に入信したいな」

「そうでしょ。そうでしょ。やっと私の偉大さが理解できたのね」

「女神様の天界の品も見てみたいな。きっと、どれも素晴らしいものなんだろうな」

「勇者様、その女神を崇拝しちゃダメ」

サテラが勇者に懇願しながら、勇者に抱き着くためにダイブしてきた。

勇者はサテラを殴り飛ばす、邪魔なサテラは窓を突き破り、隣の建物の壁にめり込んだ。

「さっそく異端者から私を守ってくれたのね」

ディーネはご機嫌になっていた。

「女神様、どうかあなたの天界から持ってきた品を見せて欲しいです。

天界の素晴らしい品をみて、私も女神様の今後の献上の品を決めたいと思います」

「それはいい心構えね。特別に見せてあげる」

ディーネは収納魔法に入れていた天界から持ってきた品を全てだした。

テーブルの上には、紐、転生特典の薬の入っていた空の瓶、ムチ、鏡、化粧品、謎の風呂敷などだった。

「天界の特別な技術が導入されたものはないんですか?」

「これにもルールがあって、下界で落としても困らないものになっているの。

この世界にないものは持ち込み禁止よ。でもどれも綺麗で質がいいんだから」

テーブルに置かれたものを可能な限り抱えて、勇者は走り出した。

ディーネは完全に油断していた。


裏路地にまで、勇者は逃げていた。

あほな女神で助かった。おだてたら、ホイホイ何でもだすとは思わなかったな。

使えそうなのは紐とムチくらいか。あとこの瓶も投げれば、天界のものだから結界を無効にできるな。

そして、風呂敷につつまったものがあった。

「たいしたものはないと思うが取り合えず開けてみるか」

風呂敷の中には汚れたブラジャーとパンツが入っていた。

汚いので、近くにあった木の棒で汚物をかき分ける。

他には何もないようだ。

「天界から持ってきたもんがこれしかないのかよ。使えない女神じゃねーか」

「あんた、それ…それみたの」

ディーネは顔を真っ赤にしている。

「長旅で洗濯できなかったのよ。本当だよ。

というか女神は排泄物しないんだよ。だからその汚れは私のじゃないもん」

「そんじゃ、このパンツとブラジャーは正幸に貸して、やつが汚したといいたいのか?」

「そうなのよ。彼は女装趣味があって、困ってたのよ。そのパンツも汚されたから捨てようかと思てたのよ」

「なるほどな。お前も知ってることだが俺も女装癖があってな」

勇者は突如使用済みの下着は履きだした。パンツは勇者の体格に負けて敗れ去った。

「キャーーー、やめて。それ高かったんだから。」

勇者はブラジャーとパンツを無理やりはいて次々に破り去っていく。

「それ以上は止めて。嘘ついてごめんなさい。女神も排泄物しますから。

だから、それ以上は私の下着を破かないで」

「他にいうことはないのか?」

「卓也さまカッコイイです。キスしたいです」

「いらんわ。俺が欲しいのはもっと別なことだ」

ディーネは涙目になりながら、下着姿になって

「ここまで辱めて、もう好きにしなさい」

勇者はディーネから奪ったムチで彼女を軽く叩く。

「痛い。私の肌に傷がつくじゃないの!!!」

「痛いのか? 天界のモノでならダメージ与えられるのはマジなんだな」

「そうよ。もう満足したでしょ。下着返して」

「ダメだ」

「どうして?」

「お前は今日から馬だ」

「………何言ってるの?」


翌日、馬車と女性用の服を受け取った勇者は出発しようとしていた。

「おい、馬。早く馬車をひけ」

「嫌よ」

紐でディーネの首を絞める。

「く…苦しい…」


紐を緩める。首には赤く縄の痕が残る。

「女神の祝福」

ディーネは自身を強化した。そして馬車をひく。

「あんた、死んで私の権限でどうにかなるところにきたら、地獄よりも恐ろしい目に合わすからね。

覚えておきなさい」





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