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4.吸血鬼との闘い

魔王の城では、勇者が召喚された情報が入っていた。

今回の勇者で10人目だった。

情報が入ると各地に散らばっている最寄りの幹部が処理することになっていた。

魔王はいつものことかと思い、報告書の内容を確認した。

「なんだこの姿は…」

魔王は勇者の絵をみて驚いた。

どこからどう見ても人ではなく、合成魔獣のような姿をしていた。

魔王軍にとっても合成魔獣は対人類せん滅のために研究していた分野だった。

それを人間に先にこされてしまった。

「ぐぬぬぬ…おい、こいつを生け捕りにしてこい。無理なら死体でもいいからここに運ばせろ」

「承知しました。そのように手配いたします」

「そうだ。最寄りの幹部は誰だ?」

「吸血鬼のクレア様です」

「そうか。なら安心だな」

「そうですとも、夜なら絶対に負けません。勇者といえでも光の大精霊と契約や、聖剣と契約してなければ光属性で倒すことはできません」


山道を勇者とサテラは歩いていた。

「ここいらで野宿でもするか?」

「そうね。あと少しで夜になるし、いいと思うわ」

2人は野宿と夕飯の支度をした。

夕飯を食い終わると、彼らの周りに瘴気がたちこみ始めた。

「強い魔のものがくるわ」

「よし」

勇者は構えた。すると、赤髪の美少女が突如現れた。

「私の名前はクレア。貴方には死んでいただきます」

クレアは特殊能力で相手の次の動きが分かる未来視を持っていた。

勇者が毛だらけの腕で剣を構えている。その剣でいきなり切りかかってくることが見えた。

クレアは回避行動をとった。すると、ゴーレムの腕がクレアを捕まえて、ハサミのついた腕がクレアの頭を胴体から切り離した。勇者の剣が彼女の心臓を突き破る。

勇者は敵をしとめたと思った。しかし、彼女の傷はまるで何とも無かったかのように回復した。

勇者とクレアは口をそろえて

「嘘」

とお互いに信じられないものを見る目で見つめあっていた。

「なんで、お前は死なないんだ」

「私は吸血鬼よ。貴方はなんで、ゴーレムとそのハサミのついた腕の動きが読めないのよ」

「いっている意味が分からん」

「そう。答える気はないようね」

クレアは幻術を使い、正面にクレアがいる幻術を勇者に見せた。

後方に回り、勇者に爪で切りかかった。

またしても、ゴーレムの腕が予想外の動きをして、勇者の背中についている針山に彼女の体は刺さった。

ゴーレムの腕はクレアを針にどんどん押し込んでいく。

幻術が解かれ、何故か背中にクレアが張り付けにされていた。

「あんた、幻術まできかないの?」

「何のことだ」

「そう…さすがに血を流し過ぎたわ」

クレアは流血しすぎて、弱り始めていた。

手っ取り早く回復するために勇者の首に牙を立てた。

牙が折れた。首はとても堅い鱗があった。

「嫌よ。なんなのよ。あんたは!」

クレアは人間離れしすぎている勇者の理不尽さにやり場のない感情がわいてきた。


サテラは何かの詠唱を終えたようで、クレアに向けてはなった。

クレアは気を失って、捕らわれの身になった。

サテラは楽しそうな顔をして、吸血鬼を観察し始めた。

「初めてみるけど、面白いわ」

とすっかり吸血鬼に夢中だった。

勇者がサテラに近づくと

「ごめんなさい。うっかり忘れてた」

といってドリンクを勇者に渡してきた。労いで飲めといっているようなので

勇者はそのドリンクを飲む。

すると急な眠気で勇者は倒れてしまった。


翌朝、勇者は目覚めると股間に人の顔の大きさ程のふくらみがあった。

「サテラ、俺のために立派な息子と棒をつけてくれたんだな」

と期待して布を取ってみると、息子のあるはずの位置に

昨晩戦ったはずのクレアの頭がついていた。

「みなかったことにして、もうひと眠りするか」

勇者は二度寝から覚めた。もう一度布をどかしてみるとやはりついていた。

そこにサテラが入ってきた。

「何かあった方がいいと思って、吸血鬼をつけてみたよ」

満面の笑みで彼女はそう答えていた。

「彼女のおかげで、自然治癒力がけた違いに上がってるわ」

と興奮気味に話していた。

クレアが目を覚ました。

「私はどうなったの」

クレアは自身で自由に動けない。目の前にピンクの髪の少女がいることを目で見えた。

「私を解放しなさい。勇者はどこよ」

「俺はここだ」

頭上から勇者の声が聞こえてくる。手も足もやはり動かない。

クレアは完全に捕まったことを理解し、外は明るい。

昼間では吸血鬼の不死性はなくなる。

「く、殺せ」

勇者は黙って近くの水辺まで歩いた。

クレアは勇者の股間に自分の顔をついているおぞましい姿をみることになった。

「だすぞ。予想どおりなら、ここしかないけどな」

「いや、まって」

勇者は小便を出し始めた。

尿道は予想どおりにクレアの口に繋がっていて、クレアの口から小便があふれてくる。

「臭い、汚い、だれか助けて」

クレアは泣き出した。


サテラは人型の肉を焼いてた

そこに小便を済ませた勇者が戻ってきた。フルチンならぬフルクレアしてだ。

チンコじゃないから恥ずかしくないという理屈で隠す気などない。

「勇者様、昨晩調達した食料がいい感じに焼けましたよ」

「私を食べないで」

クレアは泣きながら勇者たちにお願いをした。

しかし、勇者とサテラはどんどん吸血鬼の肉を食っていく。


その光景を遠くから魔王軍所属の監視担当のものたちが記録していた。

その報告書が数日で魔王のもとへと届いた。

「な…な…なんていうことだ」

報告書にはクレアが負けただけでなく、勇者の体の一部になったという信じられない一文があった。

「この勇者は異常だ。とても狂っている。総力をあげて殺さねばならん。しかし、無駄に幹部を失うのも愚策だ。しばらくは、いろんなタイプの魔獣をあてて弱点をさぐるのと、幹部含めてその記録から対策を練ることにする」

魔王の決定により、最重要監視対象者になった。


勇者は股間についたクレア、デコレーションされた頭、女装用の服の着用の強制に悩んでいた。

「もう嫌だ。こんな格好」

「お似合いですよ」

とサテラは興奮気味に褒めてくる

「お前の趣味は最低だよ。顔とスタイルはいいが、お前のせいで俺は…」

「そう落ち込まないでください。魔王討伐したら、生殖器なんていくつでもつけますよ」

「そういう問題じゃない」

「では、結婚できるかどうかですかなぁ」

「それもある。こんな体じゃ…」

「安心してください。私が結婚しますから」

勇者はサテラとの結婚生活を想像してみた。知らないうちにどんどん改造されて今よりもひどくなる惨状しか思い浮かばない。

「断る!!!」





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