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殺し屋少女の青春  作者: ミント
4/10

重要任務Ⅱ

      4、眠眠打破

「でっっっっか……」

朝日に照らされた窓がキラキラと光っていて眩しい、そこは稲沢薬品の本社。

こんなに巨大なビルを持っているなんて、ここの社長はさすがだなと思う。まあ、今から殺すんだけど。

今回は、副社長協力のもと、社長を含めて、社員を別のところにあつめてもらった。予定ではあと数十分で帰って来そうだ。急がなければ。

まず、副社長から鍵などを預かっているので、それを使ってセキュリティを突破する。そして、社長室のドアに隠れ、銃で防犯カメラを撃つ。そして、部屋に入り、窓や少しの隙間も塞ぎ、私が開発した吸い込むと臓器を溶かす薬を煙にして撒く。薬殺だ。あとは、無事に外に出られれば任務完了。

シュミレーションはバッチリ。問題といえば……。

「目が開かなあい……眠い……ん~」

「ほら、重要な任務だし、時間無いの、

少しくらい我慢して」

殺し屋の兄さんは、極端に朝に弱いらしい。さっき目覚まし用のドリンクを飲んでもらったが、全く効果がない。いくつか協力してもらわないといけないのに……。

男(23)がほんと、情けない。

「もう、とりあえず行くよ!」

「んっ」

セキュリティ突破は副社長の持ってる鍵やカードを使って楽勝だった。社長室と、入り口の防犯カメラ以外は、副社長のタブレットで、止めることができた。

そして、重たい瑠衣の体を支えながら、社長室に走る。ドアを数センチ開いて、入ってすぐの防犯カメラを撃つ。1発でしとめた。それから、のろまな瑠衣をよそに、至るところの隙間を塞いだ。窓が思ったより重くて焦ったが、なんとか閉めることができた。あとは薬を撒くだけ。

「その白い塊、こっちに投げて!」

「んん?どぉれ?あ、あった~」

「はやく!」

「ええぇい」

思いの外、飛んだ。私はそれをキャッチして、お湯をかける。数秒後には気体が発生し始めるので、急いで部屋を出て、扉をしっかり閉めた。

私は瑠衣を連れて、会社を出た。無駄に広くて疲れた。


駅に着いて、私は疑問を投げ掛けた。

「兄さん、昨日あたりに酒飲んだでしょ」

「あぁ、バレたぁ?」

「いくら朝に弱くてもそんな呂律の回りきってないしゃべり方しないし、ちょっと千鳥足だったし」

「昨日深夜お友だちに誘われてぇ、ついちょーしのっちゃって……そのまま起きてれば大丈夫だったけど、一回寝ちゃうとヤバイの~……」

この犯行の計画については前日に教えたはずだが。しっかりしてほしい。

────────────────

家に着いて、スマホで幹部に活動報告をした。幹部にも、副社長からお礼の言葉が来たらしく、ひと安心した。

学校は休んでしまったが、まあ、大丈夫だろう。


「はぁ………」


今日は修騎に会えないと思うと、寂しくなってしまった。

明日は修騎に会えると思うと、嬉しくなってしまった。



私は恋を、してるのかも知れない。

その気持ちを紛らわしたかったのか、ただ、眠たかったのか、目を閉じるといつの間にか意識を手放していた。


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