詩集「雨と恋の唄」
ただいま
いつになったら
この雨はやむのだろう
指先から 寒さが
視界から 孤独が
唇から 青色が
侵食してくる
やまない雨
耳の奥で、ドアをノックする音
階段を駆け上がる足音
まぼろし
全部この雨のせい
いつになっても止まない、
この雨のせい
冷たい雨。
やまない雨。
想いは
高らかに足を滑らせて
アイは
静かに静かに
黒ずんで沈んでいく
やまない雨
一人ぼっちの部屋に、
「ただいま」
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ちいさな愉しみ
雨が降っているので
傘を持って恋人を迎えに
早く
玄関を飛び出す
早く はやく
雨滴をちらして
はやく
わたしは目と傘になる
ルンルン気分で
目と傘になる