ぴんちです
“毒持ち蝶々さん”
なぜ僕が彼女等(彼等?)をそう呼ぶかというと、簡単に説明しますが毒持ちだからです。毒といっても一般的に麻痺毒と呼ばれるモノで、すぐに効くタイプなので持続性は低いと思います(寧ろ低いと信じたいです)。彼女等はその毒を鱗粉に含ませており、獲物の上で舞って鱗粉を吸わせ、動けなくしたあと補食or卵を産み付けます。大変エゲツナイです…。今が繁殖期なのか、よくこの光景を目撃します(目撃しすぎてグロ耐性が出来ましたよ…)。
そんなエロイ(エゲツナイ、ろくでもない、イヤらしいの略)毒持ち蝶々さんに僕は今
襲われています…
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な、なんでここに居るんですかーーー!?
ここ3日くらい色々みてきましたが、貴方達は子育てしない種じゃなかったのですか!?………………はっ!も、もしかして、無事に孵化したかの確認?だったら納得出来るような……ってちがーーーーう!!
もしかしなくても僕、メチャクチャピンチじゃないですかーーー!!
こうして僕がアワアワしている間にも、パタパタ、パタパタと羽音をたて蝶々さん。僕は必死で脚を動かし、蝶々さんから逃げます。しかし、毒の鱗粉を吸ったせいで少しずつ体が動かなくなっていき、遂に動けなくなってしまいます。後ろには当然のようにいる蝶々さん…。絶対絶命です…。
(い、いやだ…。こないで、まだすこししかいきてないの。また、しにたくない…。もっと、もっといきたいのに…、こないで、こないでこないでこないでーーー!!)
「きゅびーーーーーーーーーーーーー!!!」
ぶっっしゃーーーーーーーーー!!!
「! っ!?!?!?!?」
…………あ、れ?いたくない…?
僕はいつまでたっても来ない衝撃を疑問に思い、いつの間にか眼を塞いでいた脚をそっと下ろします。かなり痺れが取れたみたいで、今は正座したあとくらいの痺れです。
そしてそっと、逃げてきた方に振り返ります。
するとそこには、
「?!!??!」バタバタバタッ
ネチョネチョする白い塊に羽を奪られ、ジタバタと地面で暴れる蝶々さんがいました…。そして、白い塊には細い糸があり、その先は僕のお尻と繋がっていました。
(そうだ、僕、蜘蛛じゃん……。お尻からも糸出せるんでした……。取り合えず、お尻からも糸出せるように特訓しましょう……。)
なんとか危機を脱した僕はそう決意しました…。
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(あれ?これなんでしょう?)
その後、力つきた蝶々さんを食べていると体内から黄色いビーズ?が出てきました。
蝶々さんはリンゴのようなフルーティーな匂いと蜂蜜のような甘い味がしてとても美味しかったです。羽は食べてません。毒を食べる度胸なんて持ってませんもん…。
(なんでしょうコレ?……食べられますかねぇ?)
取り合えずビーズに付着している体液をペロリ。すると、
「!?」
ナ、ナント。炭酸のように口の中でハジケました!!
先程蝶々さんを喰べた時はなんともなかったのに…。もしかして、このビーズは触れた液体を炭酸に替えるWerkzeugナノデスカ!?
なんと言うことでしょう!この世界初の嗜好品です!早速水場にいって実験です!!
不思議道具ゲットだぜ?