だっそうです。
本日1つ目の本編の方。
「Zzzz」「zzz」
「Zzzzzzzzz」
夜、それはこの森が一番静になる時間である。
この森に住む生き物達は大抵が夜目が効かない。その大抵から外れた僅かな生き物達は力を持つ者である。夜に目を覚まし、寝屋を襲い、自らの糧を得る。夜目を持たぬ者達にとって、夜は恐ろしい時間であった。だから持たぬ者達は身を隠し、息を潜ませ、無事に朝が来るのを祈りながら夢の世界に身を任せる。
そろり…
それはパラライズリー、彼女等も同じであった。元々パラライズリーは弱い魔生物である。数をなし、スキルのレベルを上げ、それで初めて強大な敵を襲えるのだ。
ぴゅっ…ぴゅっ……
「むにゃむにゃ…。いくのじゃ~……わらわたちのちからをみせつけるのじゃ~………。」
それはクイーンバタフライとて変わらない。彼女はランクアップし、進化するまでの10年間、朝起きて、食べて、そして夜は息を潜ませ眠る。他の生き物達と同様大変規則正しい生活をしていた。他と違うのは無事を祈る代わりに、他を恨み(成り上がってやる!)という誓いをしていたくらいだろう。進化した今でも、夜目を持たぬ彼女はその規則正しい生活を続けていた。
そろりそろり…
ぴゅっ………ぴゅぴゅっ……………
だから気づけなかった。
ほぼ全ての生き物が眠るこの時間、弱いながらも平然と闇を歩き、逃亡しようとせんちっぽけな生き物がいることなど…。
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~視点・ニコ~
(右よ~し、左よ~し、上よ~し……。)
壁を伝い、息を潜ませ、念のために≪隠密≫のスキルを使いながら慎重に歩きます。
そろ~りそろ~り…そろそろり……
静に静に慎重に…。ゆっくりと1歩ずつ……。
時々ある分かれ道は風の流れを頼りにゆっくりと、けれどしっかり確実に歩いてお外に行きます…。
ぴゅっ…ぴゅっ………
足止め用の罠を仕掛けるのも忘れません。前世の時、後藤さんが言ってました。
「いいですか若。逃道とは必ず複数は用意しなければなりやせん。何故ならば必ずその道が使えるとは限らないからでございやんす。ん?「もし全て駄目だったらどうするんですか?」って?そうでございやすね。ワッシなら嫌がらせをいたしやす。生えている草を結んだり、少し穴を掘ったり、紐を張っておいたり…その時によって色々でございやすね。さすれば敵が草の輪で足を引っ掻けるやもいたしやせんし、穴で足を挫くやもしんやせん。紐もその存在に気づけば「罠か!?」と警戒し、時間が稼げますでごぜいやしょう。全て引っ掛かればマシ程度でございやすが、無いよりはマシなんでございやんす。」
そう言って、マリ○カートでカーブが終わったすぐあとの地点でバナナ置きまくる後藤さんは大変大人げありませんでした。僕も甲羅で打ちまくりましたけどね。醜い最下位競争でした(1位は常に元タクシードライバーの宮辺さんでした。後藤さんと僕はいつも最下位競争の仲です)。
そういえば、あの人結局なんのお仕事していたのでしょうか?僕のこと「若」って読びますし、あの人のお見舞い来る人達皆さんが顔にキズ持ってたり体のどこか動かなかったり無かったり迷彩服着てたり高そうなスーツ着てたり………あれ?後藤さん普通の人ですよね?えっ、ヤバイご職業じゃありませんよね?“ヤ”とか“マ”のつくご職業じゃありませんよね…?(ガタガタ)
……うん。忘れましょ。置いときましょ。
兎に角今は脱走です。
とりあえず後藤さんの事は置いとき、あのアドバイス?(実体験で無い事を祈ります)を元に細~くしたネバネバの糸で罠を仕掛けて置きます。
その際、少しだけ。本当に少しだけ。本当に砂1つ分くらいの気持ちで糸に魔力を送ります。
コレは服作りしていた時に気づいたのですが、糸に魔力を送ると少し丈夫になるんです。多分≪身体能力強化≫のスキルと同じ原理だと思います。その内スキルが出てくるかも知れませんね。
真っ暗闇の中を少しずつ少しずつ。罠を仕掛けながらゆっくりと進みます。
そして、無事に出入り口に着いた時。外は太陽が登り始め、露が降りた草木が輝き、森が沢山の虹の光を放っていました。
僕は、それがまるで森が僕の脱出を祝っているかのように感じました。
とても感動的な光景ですが、ボーッとなんて出来ません。僕は主の樹様を伝い、久々の大地に降ります。ああ、久しぶりの大地です。草の青臭さが肺にいっぱい入って来ます。……なんか豚肉バーガーの花の匂いもいっぱい入って来て少し噎せました。あれ?なんか主の樹様、いっぱいあの花生えてません?前見た時、無かったと思うのですが…?僕の気のせいですかね?
一寸主の樹様の変化が気になりますが、今は逃亡中です。後回しです。
待っててリンちゃん。今、僕は帰ります!
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次は12時に更新です。




