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魔法少女はじめました   作者: ながしー
第一章 朱莉編

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一日目 夜


 夕食後、柚那にちゃんとことわってから部屋を出た俺は、真白ちゃんとの待ち合わせの場所である宿のロビーへと下りてきた。

 すると、ロビーには真白ちゃんと福島の桃花ちゃん。それになぜかユウがいた。

 ………なんだこれ。どういう組み合わせだこれ。

「お疲れ様でーす!」

 いつになく元気な真白ちゃんが俺に気がついてブンブンと手を振る。

「……えーっと、ごめん。これなんの集まり?」

 正直俺にはこの三人のつながりがよくわからないし、俺がこの三人に加えて呼ばれたわけもよくわからない。

「それはこれからご説明しますので、こちらへどうぞ」

 真白ちゃんはそう言うと俺達の前にた立って歩き出し、外へと出て行く。

「・・・行くか」

「まあ、わざわざ呼び出す位だからなんか重要な用事なんだろうし、行った方がいいんだろうけど・・・正直一秒でも長く温泉に浸かってたいのよね」

「大分疲れてるみたいだもんな」

 温泉に浸かる度、『もう出たくない』とか『帰りたくない』とかいろいろ言ってたし、ユウが脱衣所のマッサージ椅子で気持ちよさそうに寝てたのを目撃した時には思わず泣けてきたくらいだ。

「そりゃあ疲れるわよ。ほぼ一人で全国回ってるし、それに雑務もいろいろあるし。最近はあんたも管理側の人間なんだし、少しは私の苦労がわかるでしょ?」

 一人で全国津々浦々回っている今のユウは大変だろうなとは思う。ただ、俺が苦労しているかというとそうでもない。

「まあ、俺の場合管理してるというか、みんなが比較的しっかりしている分、管理させてもらってるって感じだからな。言うほど大変じゃないんだよ」

 うちの子たちは、みんなクセはあるけど自分のことを自分でできないとか、仕事しないという子たちではないし。

「それはうらやましい限りだわ」

「・・・あの、邑田さん。こちらの方は・・・?」

 ああ、桃花ちゃんのことすっかり忘れてた。

「彼女は今の俺たちにとってのメインの敵である七罪の魔法少女の一人、色欲のユウさん。ユウ、彼女は福島のご当地魔法少女、桃花ちゃん」

「よろしく。私のことはユウでいいわよ」

「えっ!?えーっと、それっていったいどういうことですか?」

 まあ、普通の感覚だったらそうだよな。深谷さん以外あっさり納得した関東の子達の感覚がおかしいんだと思う。

「今日と明日は休戦なんだ。俺たちがいないときに攻められるのも面倒だからそれだったら招待して見張っておこうってわけ」

 特にはっきりした取り決めはないし、実際は別に誰もユウを見張っていないのだが、こう言っておくのが一番角が立たないだろう。ユウもそのへんはわかってくれているらしく目で頷いてくれた。

「ま、そんなところね」

「じゃあ、仲良くしていいんですか?戦わなくても?」

「もちろん。なんだったら桃花ちゃんの魅力でユウを仲間に引き入れてくれてもいっこうにかまわないよ。うちの朝陽や東北の橙子ちゃんみたいにね」

 鈴奈ちゃんの時みたいなやり方は勘弁してほしいけど。というか、あんなやり方楓さんから鈴奈ちゃんにしか通じないので、やりようもないが。

「……っ!?橙子さんみたいに…ですか?」

 あれ?なんで桃花ちゃん引いてるんだろう。

「わ、私にはそんな、無理です」

「いやいや桃花ちゃんならできると思うよ。優しいし思いやりあるし」

 桃花ちゃんの性格や人柄を簡単に言うと、裏のないこまちちゃんなので割りと人に好かれる素養はあると思う。ちょっと人の意見に流されちゃう傾向はあるけど、それもまた迎合するのが得意っていう意味で捉えれば長所だ。

「できませんっ!そんな…相手をボロボロになるまでいたぶった挙句、回復魔法を使って更にいたぶるなんて……私には無理ですっ!」

 普段あまり声を荒げる事のない桃花ちゃんが大きな声でとんでもないことを言いながら首を振る。

「それ、誰から聞いたの?俺は戦闘を仕掛けてきた橙子ちゃんに勝って回復魔法で回復した後、すぐに医療班に引き渡したんだけど」

「こ、寿さんとこまちさん。それに橙子さんですけど…」

 あいつら……

「あの三人がどう話したかわからないけど、事実は大分違うからね。俺は橙子ちゃんの事をいたぶるってほどいたぶってない。というかあの時は俺の両腕も酷いことになったから痛み分け。一方的にどっちがどうっていう話じゃないよ。なあ、ユウ?」

「いや、それはいいんだけど、あの子放っといていいの?」

 ユウがあごをしゃくってさした先にはサンダルを履いて、旅館の入口で所在なさ気にこっちを見ている真白ちゃんがいた。




 真白ちゃんが俺達を連れてきたのは湯畑のすぐとなりにあるちょっとした屋根のある足湯だった。

 湯畑がライトアップされているとはいえ、日が沈んだ後で寒いということもあって、人気はあまりない。

 ちなみに俺もユウも桃花ちゃんも感覚遮断ができるので浴衣一枚でもあまり関係ない。雪が降るところの子はだいたいできるらしいのでおそらく真白ちゃんもできるだろう。

「それで、こんなところに連れてきて何の用?」

 迷うことなく足を温泉に突っ込んだユウが真白ちゃんにそう尋ねる。

「まあまあ、そう焦らないでお饅頭でも食べてゆっくり話しましょうよ」

 そう言って真白ちゃんは足湯のすぐそばにある饅頭屋で買った包みを開けて差し出す。

「私ね…よく知らない相手のよくわからない用事にダラダラつきあってるほど暇じゃないの」

 少しすごみをきかせた顔でそう言いながらユウが饅頭を一つとった。

 ……って、結局食べるんかい。

「あ、あの、せっかくの旅行なんですし最後まで楽しみましょうよ!戦いなんてよくないですよ!」

 ユウの暇じゃない発言を悪い方向にとったらしい桃花ちゃんが、恐る恐る絞り出すような声で言う。

「は?戦い?何言ってんの?私はね、ふやけるまで温泉に入りたいの。ううん、むしろ温泉に溶けてしまいたい位なの。足湯もいいけどちゃんと湯船に浸かりたいの。戦いなんて今はどうでもいいの」

 そんなことだろうと思ったけどさ。

「は…はぁ…」

「だから一刻も早く宿に戻りたいのよ!」

 そう言ってびしっと真白ちゃんを指さすと、ユウは饅頭をもういっこ口に放り込んだ。

「なんだか、ユウさんってすごく人間っぽいですね。敵の幹部だなんて思えないくらいです」

 桃花ちゃんが俺の方によってきて、ユウに聞こえないようにこそっと耳打ちする。

「ユウは宇宙人の侵攻に巻き込まれただけだし、元々日本人だからね。だから桃花ちゃんの感想は正しいよ」

「え?……本当ですかそれ」

「東北の橙子ちゃんとはあんまり話さない?今仲間になっている他の七罪もみんなそんな感じだよ」

 和希は死にかけているところをユウに拾われ、妹子の件で不安定になっていた姉子は電車に飛び込む寸前でユウに手を引かれ、塔子ちゃんはなんだったか……ああ、そうだ。恋人に嫉妬した父親に監禁されて食事もろくに与えられていなかったんだった。鈴奈ちゃんの話と愛純の話は聞いてないが、おそらく何かしらひどい目にあっている時に……あれ?もしかしてユウは正義の味方なんじゃないか?

「どうしたんですか、朱莉さん」

「いや……まあ、悪いやつじゃないよ。ほんと」

 むしろすごいいい奴じゃないのか、こいつ。

「何見てるのよ」

 四個目 (俺も桃花ちゃんも真白ちゃんも食べてないので間違いない)の饅頭を口に放り込みながらユウが俺を睨む。

「お前、いいやつだよなぁ……」

「は?なによいきなり」

「いや。饅頭食うか?奢るぞ」

「気持ち悪っ!なにその妙に優しげな顔」

「なんかこう、俺はユウに感謝しなきゃいけない気がしてさ」

「そんなこと言っても仲間になんかならないわよ?」

「いやいや、そう言わずにさ」

「ないない!そういうのないから。私が自分からあんた達の仲間になるなんてことないからね。『順番に来てるしどうせ今月はユウの番だろう』とかタカくくってるのかもしれないけど、私にはあんたたちの仲間になるメリットがないもの。私は朱莉には負けないし、説得にも応じる気はないしね。まあどうしてもって言うならメリットを提示してみなさいよ」

「宇宙人が来ない時は別に寝てても大丈夫とか」

「あんたは昼寝してないで仕事しなさいよ……」

 痛いところを突かれてしまった。

「えーっと…結構な金額の給料が出る」

「まあ1000万は魅力だけどね、でも私にはやらなきゃいけないこともあるから」

「時間と金以外の他のメリットかあ……」

 あとはなんだろう。一応人気者になれるってことかな。どこに行くにも変装が必須なのは面倒くさいけど、気がついて声をかけてもらえるのはちょっと嬉しかったりする。ただ、ユウはあんまりそういうの興味なさそうだしなあ。

「ユウさんは仲間になんかなる必要ありません!」

 そう言って俺とユウの会話に割り込んできたのは真白ちゃんだった。

「むしろそのままのユウさんにお願いしたいことがあるんです」

「お願い?」

「はい、私と一緒に都さんを説得して欲しいんです」

「説得って、私があなたと一緒に都を説得するの?」

 おお、ユウが困惑してる。これは珍しい。

「そうです!一緒に酷い作戦を辞めるようにお願いするんです」

 ああ、さっき風呂で聞いてきた話は同じように作戦に反対する人を集めるための布石か。

「ちなみに桃花ちゃんはさっきお風呂で真白ちゃんになんて返答した?」

 もしあれが布石だったとしたらおそらく真白ちゃんは桃花ちゃんにも同じ質問をしているはずだ。

「…朱莉さんもやっぱりその件だと思います?」

 やはり、桃花ちゃんもおなじことをかんがえていたようだ。

「うん。十中八九桃花ちゃんが考えている通り、あの質問だと思う」

「私は酷いよねって話を合わせちゃったんですけど…多分やっちゃダメな回答でしたね…すみません」

「いや、俺も酷い作戦だよねって肯定するみたいな感じになっちゃったから桃花ちゃんを責める権利はないんだけどさ」

 にしても、面倒なことに巻き込まれたなこれは。

 俺としては確かに酷い作戦だなと思っている部分はあるが、それはあくまで他国に関してであって、ひどい作戦だからとだだをこねてやらないですむことだとは思っていない。

 だが、ちらほら聞こえてくる真白ちゃんとユウの会話で、真白ちゃんがユウと異星人側は悪くないという論調で話をしていることから多分真白ちゃんは4月の作戦というか、むしろ平時の迎撃すらも快く思っていないようだ。

「なるほど、かみ合わなくなるどどんどんズレていくっていうのはこういうことか」

 先月はるなちゃんが真白ちゃんを評していた言葉の意味がなんとなくわかった。

 この子はわかりやすく言えば頑固な子なんだろう。自分でこうと決めたことに関しては人の意見を聞いたりしない。だからこそ一度歯車が狂うと周りとどんどんズレていく。

 別に『戦いは嫌だなあ』位ならいいんだけど、正直、真白ちゃんくらい敵に肩入れしてしまうのはまずい。

「確かに真白ちゃんは前からそういう所ありますね」

「ああ、桃花ちゃんは真白ちゃんと同期だったっけ」

「そうです。真白ちゃんは訓練生の頃から佐須さんとよくもめてましたから」

 ああ、確かに揉めそう。佐須ちゃんは悪く言えばヤンキー、良く言えばクラスの派手なグループなので、学級委員タイプの真白ちゃんとはそりが合わなかったんだろうなと思う。

 というか、同じ宿なのに二人が話をしているところを全然見かけていないので今でもそりが合わないままなのかもしれない。

「もういい加減にしてよ!」

 俺と桃花ちゃんが話をしている間にも続いていた真白ちゃんのしつこい説得に、ついにユウがキレた。

「私は別にそういうことをするために来たんじゃないの!都を説得したきゃ勝手にしなさい!」

 そう言ってユウは最後の饅頭を口に放り込むと、足湯を出て宿の方に歩き出した。

「あ、待ってくださいユウさん。ちゃんと最後まで話を聞いてもらえれば絶対納得してもらえますから!」

 真白ちゃんはそんなことを言いながらユウの後を追って行ってしまった。

「……俺達も帰ろうか」

「そうですね」

 ユウも真白ちゃんも関東の宿だし、説得を続けるにしてもここに戻ってくることはないだろう。

 たまたま風呂上がりから首にかけっぱなしにしていた手ぬぐいで桃花ちゃんの足を拭いてから自分の足を拭く。

「宿まで送るよ」

「え、そんな悪いですよ」

「いや、なんだかんだで今日は東北のみんなに挨拶してないしついでにさ。もちろん桃花ちゃんが嫌じゃなければだけど」

「嫌じゃないですけど、私柚那さんにも愛純さんにも恨まれたくないんですよね…」

「柚那はともかく愛純はちゃんと恋人いるから大丈夫だぞ」

 まあ、おおっぴらにしているわけじゃないから桃花ちゃんが知らないのも無理はないんだけど。

「ラブラブ過ぎて見てるこっちが恥ずかしくなるくらいだ」

「ええっ!?………それ本当に愛純さんですか?」

「まあ、俺もたまに自分の目を疑いたくなるけどさ。あれ?っていうか桃花ちゃんって愛純と仲良いの?」

「え?あ……あはは…実は私これでも元TKOなんですよ。研修生のうちにやめちゃいましたけど」

 おおう、ここにもTKO。一体うちには何人の元TKOがいるんだろうか。

「ゆあさんとか愛純さんと違って、全然人気も知名度もなかったんで知らなくても当然ですよね」

 まあ、俺は元トップ二人のことも知らなかったんだけどね。

「ごめんね、俺あんまりアイドル詳しくなくてさ。ちなみにご当地含めて、今って魔法少女の中に元とか現役のTKOって何人いるの?」

「私達三人だけです」

「……よかった」

 俺は思わず胸をなでおろした。アイドルだって気づいてあげられなくて気まずい思いするのはこれで最後らしい。

「よかった?」

「あ、いや……そう!わかった!わかっただよ。元アイドルはもういないっていうことについて理解したっていうこと」

 これ以上話し込んでいると変なところから変な誤解がうまれそうなので俺は桃花ちゃんを促して歩き始める。

「あ、でもTKOが私達だけだっていうだけで、元アイドルはまだいますよ」

「いるんかい」

「例えば、総務の時計坂さんいるじゃないですか。あの人は……えーっと…なんだったかな…地下アイドルなんですけど」

「地下アイドルって何……」

「簡単に言ってしまえばテレビとかには出ないで、ライブとかイベントを主にやっている人たちです。TKOみたいなアイドルとの違いはテレビドラマの俳優さんと舞台俳優さんみたいな感じです」

 なるほど、わかりやすい。

「ちなみに、公安警察と刑事警察も違うんですよ。知ってましたか?」

「……なんすか、ひなたさん。いきなり」

 桃花ちゃんの声でいきなり言われて驚きかけたが、声は隣じゃなくて後ろから聞こえたし、後ろを振り返るまでもなくこんな手口でこんな話題を振ってくるのはひなたさんしかいない。

「ちょっと二人に話があってな。ちょっと顔貸してもらうぜ」

 ひなたさんはそう言って俺と桃花ちゃんの肩を掴むと薄暗い路地へと引っ張っていく。

「桜。結界」

「了解」

 路地の中で待機していた桜ちゃんは短く返事をすると素早く結界を展開した。

「さて、朱莉。桃花」

「なんですか?ユウのことなら都さんも承知の上のことですよ」

「いや、ユウのことはいいんだ。その件については関西は把握してるから。問題は真白のほうだ」

「真白ちゃんですか?」

「ああ。あいつはどうも異星人の本国と連絡取ってるんじゃないかっていう疑惑があってな」

 でた。公安組の~の疑い。

「あの、こんなこと言いたかないんですけど、ひなたさん達公安組のいう疑いってなんだかんだ言って全部外れてますよね?いや、完全に外れているとは言いませんけど、微妙にピントがずれていたりミスしてることが多い気がするんですけど」

 精華さんが主犯なのに容疑者がこまちちゃんと寿ちゃんだったり、和希の尾行に見事に失敗したり。

「容疑者とは言ってないだろ。今の段階では被疑者だよ。被疑者ってのは容疑者を絞り込む前の段階だからそこまで深刻な話じゃないんだけどな。さっきあいつら何の話をしてたんだ?」

「……言いたくないなあ」

「言え。じゃないと明日一日つけ回す」

 そんなことをされては柚那様が大変お怒りになってしまわれる。

「ちょっと離れたところにいたんでハッキリきいたわけじゃないですからね。あくまで伝聞、小耳に挟んだくらいで聞いてくださいよ」

「おう」

「4月の作戦中止を都さんに直談判したいっていう話をしてました。ユウはそれには難色を示したんですけど、真白ちゃんはずっと説得を試みてましたね」

「お前らは説得されてないのか?」

「するつもりだったんでしょうけど、最初のユウの説得の段階で失敗して帰っちゃいましたから、詳しい話は聞いてないですよ」

「そうか……ちなみに朱莉、お前個人の意見としては4月の作戦はどうだ?」

「作戦の妥当性はともかく、やらないわけにいかないと思いますよ。上や他の国が延期するとか、取りやめるっていうなら従いますけど、いまさら個人の意見でどうこうできる話しじゃないし、どうこうなっちゃったら結局困るのは俺たちというか日本国民ですから」「わかってるならいいや。桃花は?」

「わ、私は頭が悪いんであまり難しい話はわかりませんけど、戦わないと自分が大切にしてきたものを守れないっていうのはわかっているつもりです」

「そっか……悪いんだけどお前ら二人、真白が実際に本国に連絡取ってるかどうか内偵をしてもらっていいか?突然接点のない俺や桜が真白に近づくのも変だし……深谷はポンコツだし」

「ああ。ポンコツですよね。確かに」

 さっきも宿でネギ勝負を仕掛けて、ナノマシンで物をコーティングできるようになったはるなちゃんに返り討ちにあってたし。

「俺はいいですけど、桃花ちゃんは―」

「お任せください!」

 俺が問いかける前に桃花ちゃんが鼻息荒く答える。

「潜入捜査とか超燃えます!」

「やる気満々なのはいいけど、あくまで潜入捜査だからな?真白に気づかれるようなことがないようにしてくれよ」

「はい!頑張ります!」

 桃花ちゃんはそう言ってグッと拳を握ると気合の入ったガッツポーズをしてみせた。


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