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魔法少女はじめました   作者: ながしー
第二章 朔夜編

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番外 夏の没ネタ供養祭り 1

本編の作業でシリアス展開を書いてたら気晴らししたくなったので没ネタをちょっと手直ししてアップ。


誰かに怒られたら消します。


 とある夏の日の仁との帰り道でたまたま他の配信者の話になり、ももねは仁が他にどんな配信者の配信を見ているのか聞いてみることにした。


「他のお気に入りの配信者っすか?そうっすね・・・」


 言いづらそうな表情で口籠る仁を見たももねは(これは他にもお気に入りの女子配信者がいてそれで言いづらいんだな)と気づいたが、そんなことはおくびにも出さずに


「もっともっと仁くんに好きになってもらえるように仁くんが好きな人を知りたいだけだよ?」


 と、あざとい声と笑顔を仁に向ける。


「そうっすね・・・」

「うんうん、どんな子が好き?」

「むかきんさんとか」

「え・・・?ヒ〇キンさんじゃなくて?」

「あれ?知らないっすか?準備に数か月、配信は10分っていう無課金ガチャ配信している無課金原理主義のガチ勢のおじさんなんすけど」

「知らないよ!!・・・っていうか、え!?それ面白い?」

「面白いっす」

「そ・・・そっかぁ、他には?」


 それと並べられるのは正直微妙だなあと思いながら、ももねはたまたま仁が変なチャンネルを見ていただけだろうと思い、続きを促す。


「あとは、魚とかをさばいていろんな料理を作る人なんすけど」

「あ、その人は知ってる!」

「マジすか?いやあ、周りに見てる人いなくて、すすめても面白くないって言われちゃってたんで、ももねるが見ててくれたのマジうれしいっす」

「面白くないかなあ?お料理の勉強になるし、調理風景とかおいしそうなお料理見るの楽しいと思うんだけど」

「まあ、おいしそうなのは10回に一回くらいっすけどね」

「は?いやいや、毎回おいしそうじゃん。確かに魚を捌いているのがやだっていう子はいるだろうけど出来上がるお料理は毎回―――」

「そんな成功率高くないっすよ、マグレクックさんは」

「また微妙に知らない人だったーーーーーーーーーーーー!!!!」

「いきなり叫んでどうしたんすかももねる!?」

「な・・・なんでもないよ・・・ほかになんかないの?まともな感じの」


 ももねは薄々仁が類稀なくそチャンネルウォッチャーであることに気づきながらも、先を促す。


「まとも・・・と言えるかどうかわかんないっていうか、ちょっとアレな・・・こういうの好きっていうとオタクっぽい感じに聞こえちゃうかもしれないんすけど、俺実はバーチャルな配信者も好きだったりして」

「いいと思うよ!全然いい。今時そのくらいでオタクだとか言われないって」

 ももねは『今まで出た変なチャンネルよりよっぽどいいよ!』という言葉は飲み込みそう言った。


「えっと見た目は女の子ばっかりで、結構イチャイチャしてる、グループみたいな感じの子達なんすけども」

「あー、ももねも好き。いいよね、あの女の子どうしのイチャイチャした感じ」

「ももねるも好きなんすね。東條とかも好きそうだし、やっぱり女子ってそういうの好きなんすね」

「ん・・・?蜂子ちゃん・・・?」


 蜂子の名前が出たところで少し不穏なものを感じたももねだったが、まあ詩子と付き合っていたこともあるらしいしということで、自分を納得させた。


「でもまさか中身が全員男だとは思いませんでしたよね、ホ〇ライブ」

「伏字の場所のせいで怒られそうでしょ!?え!?何?なんで全部微妙に違うの?なんで君はニアピンでクソチャンネルみたいなところばっかり行くの?」

「クソチャンネルだなんて、ももねるちゃんねる含めてみんな面白いっすよ!」

「私・・・含めて・・・!?」

「あれ?ももねる?どうしたんすか?なんか怒ってます!?」

「・・・ももねるはぁ、おこってなんてないよぉ」

「あの、いや、顔が・・・」

「顔がどうしたのかなぁ?」

「えーっと・・その」

「ももねるはかわ――?」

「いいですっ!」

「だよねっ!じゃあ仁くんはももねるのお部屋に来てみたいかなぁ?」

「え!?ええええっ!?い、行きたいっす!行きます、行かせてください!」



 この後仁はホテルの部屋でももねから自分がいかにクソチャンネルウォッチャーであるかということを嫌というほど叩き込まれたが、それはそれとして推しと二人で過ごす時間は仁にとって人生で一番充実した時間だった


 




クソチャンネルウォッチャーって言葉が好き。

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