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魔法少女はじめました   作者: ながしー
第一章 朱莉編

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生倉 憂 4


「朔夜、愛純、少しだけ頼めるか?本部に連絡したい」


 動機はともかく、俺の予想通りドクター=恵…あいつがすべての首謀者で生倉の仲間たちを殺し、その罪を生倉憂と俺達に押し付けつつ戦技研に潜入して、すべてを自分の手のひらで転がしていたのだとしたら本部がヤバイ。何がやばいって、あそこには衣子ちゃんがいるのだ。

 恵が最初に衣子ちゃんを俺たちに捉えさせたのは、多分今日、この日このタイミングでマッスル・イコを本部で暴れさせるため。

最終的な目的はわからないが、あそこでマッスル・イコが暴れたら大変だ、柚那と恋も、恋と俺もいないということはつまり、マッスル・イコを無力化することができない。

この間のようにオリバーポーズでマッチョ化させられるだけならいいが、マッチョ化させられて思考力も魔力も低下している時に本気で殺しにかかられたら…そう考えると最悪犠牲者がでないうちに本部を放棄してでも一旦退くべきだろう。

 もしかしたらもうすでに間に合わない可能性もあるが、それでも連絡しないというのは最悪手だ。マッスル・イコは捨て置いても恵を捕まえることはできるだろうし、恵さえ捕まえてしまえばすべての真実を白日の下にさらすこともできる。


「わかりました。がんばります」

「まっかせといてください!」

「できるだけ速く戻ってきてよね」


 そう言って構えを取る朔夜と、その横に並び立つ愛純とあかり。

 そして―――


「え…えー……」


 なんかハナが物陰からこっそりこっちを見ているんだけど。いや、今は別にジュリの格好をしているわけじゃないから、見られて都合の悪いことはなんにも無いけど。

 とはいえこんなところにいられると朔夜たちと生倉のバトルに巻き込まれそうで怖い。


「生倉!お前を倒して僕は未来を、蜂子を守ってみせる!」

「上等だ裏切り者がぁ!!」


 とかなんとか考えているうちにバトルが始まっちゃっているし!

 ………ええい!とにかくハナをなんとかしよう!

 俺はスマホを取り出してかけるふりをしつつ朔夜達の戦闘を横目でみながら、ハナの隠れているほうへ移動する。


「ハナ…えちゃん、どうしたのこんなところで」

「どうしたって……朱莉さんこそなんで?それに愛純さんもいるし、エリスと那奈はいないし」

「あれ?さっき愛純が柚那のところにナッチとエリスちゃんを運んで行った時に会わなかった?」

「じゃあ、エリスと那奈は無事なんですね!?」

「愛純がなんにもいってなかったから、多分大丈夫だと思うけど」


 とはいえ、そのへんの話は全くしてないので、無事だといいなという希望的観測が多分に入っているのだが。


「ハッチは?」

「蜂子は気絶しているだけらしいので大丈夫です。ただ、間違いなく銃弾があたったはずなのに出血がなくて、柚那さんも首を傾げてました」


 やっぱりか。

 これはもう、生倉には仲間の仇以外に対しては殺意がないのは間違いないと見ていいだろう。


「あの、私はどうすればいいですか」

「そうだなあ……」


 生倉に殺意がないとはいえ、うっかりがないとは言い切れないし危ないから、できればもう柚那のところで隠れていてほしいところなんだけれど、そんなこと言うと絶対嫌がるんだよなあ、この子……あ、そうだ。


「ちょっと危ないけど、みつきちゃんと高山少年の回収をお願いしていい?多分気絶しているだけだと思うけどあそこにいるのは危ないからさ」

「……」

「華絵ちゃんの防御魔法なら敵から二人を守りつつ逃げ切れるだろ?頼むよ」

「そういうことなら、まあ…」


 ふっ…ちょろいぜ女子高生。

 とりあえずこれで、みつきちゃんと高山、それにハナを安全地帯に退避させられる。


「それで朱莉さんはどうするんですか?」

「え?ちょっと電話してくる」

「…………」

「ち、違うから、本部にどうしても伝えなきゃいけないことがあるんだよ」

「どうしても伝えたいこと?」

「ああ。ほら、今戦ってる生倉憂ってやつ。あいつは多分生倉優じゃない。他の誰かがさも生倉であるかのように仕立て上げられただけの別人だ」

「仕立て上げられたって…誰に?」

「多分、大江恵だ。あの生倉の話によれば大江恵とその協力者が生倉の仲間を殺したらしい」

「いや、だって大江恵の供述書だと、それはまったく逆の話で――あ、だから犯人は大江恵なのか」

「華絵ちゃんは話が早くて助かるよ。そういうわけで、そのことを伝えて大江恵の捕縛と、多分あいつが企んでいるであろう品根衣子の開放を防がなきゃならない」

「品根って確かあの」

「うん、前にこまちちゃんをあんな風にした子。で、あの子はエナジードレインじゃないと倒せないから、一旦逃げられたら本部の人間が全部マッチョになる」

「うわぁ…」


 まあ、都さんなら一人でなんとかする可能性はなくはないが、マッスル・イコに都さんが近づくことを狂華さんがよしとするはずがないので、望み薄だ。というか、意識が外に向いている時に不意打ちされれば、二人共マッチョにされるなんていうこともあり得る。


「まあ、とにかくそういうわけで俺はちょっと電話してくるから」

「でも、電話なんてしなくても通信機を使えば…」

「実は使えないんだよね。ちょっと前から」


 厳密には愛純と一緒にこっちに向かっている途中から本部との連絡が途絶している。

 襲撃で本部の通信施設に何か問題がでたか、もしくは恵の仕業だろう。


「ええっ!?……本当だ」

「ね?だから電話なんだ」

「でもこの時間電話なんて…しかも今避難させられているからこのあたりは絶対通信規制がかかってますよ」


 ハナに言われて電話機の時刻を見ると、いつのまにやら0時過ぎ。

 しかも悪いことに通信規制のせいなのか、アンテナが一本も立っていない。

 さらに聖や虎徹のところとのバトルがなくなったため、緊急出動は無いだろうということで以前持っていた衛星回線の電話は持ち歩かなくなって久しい。

 いや、久しくちゃまずいんだけど。


「ええい!とりあえずメッセージだけ送って俺は戦闘に戻る!ハナはさっき言った通り高山少年とみつきちゃんの救出、いいね?」

「は、はい」

「どうしたの?」

「いえ……なんでもないです」

「そう……?ならいんだけど。あ、そうだ華絵ちゃん、みつきちゃんたち運び込んだときにでも柚那に伝言頼める?」

「はい」

「何があっても柚那は絶対に出てくるな。愛純も朔夜もあかりも、悪くてもハッチくらいの被害を受けるだけで死なないから、心配いらないからって伝えてくれ」

「朱莉さんもいれて大丈夫なんですよね?」


 人の話をよく聞いてるなあ、この子。


「…もしもこの戦いで死ぬとしたら俺だけだけど、俺も大丈夫なほうに入れて伝言してくれ。俺も絶対に生きて帰る」

「わかりました、二人を運んだら私もすぐに戻ります」

「いや、華絵ちゃんには柚那とけが人、それに万が一、生倉が俺の読みどおりの人間じゃなかった時に一般人の保護をお願いしたいんだ。単純な防御魔法なら君の右に出る人間はこの場にいないからね」

「わかりました。それと……私のことはハナでいいですよ、朱莉さん」


 何をいきなり……あ!!やべ!


「お、おう。頼んだぜ、ハナ」




 うう………ハナにバレたかなー、大丈夫かなー、心配だなー……。


「おい」


 ハッチは黙っててくれてたし、朔夜もしゃべる気はなさそうだったのに、なんでうっかりミスしちゃうかなあ、俺。

 どう考えても、あそこでハナって呼んだのが悪手だったよなあ…あと、本部の方も気になる。あの狂華さんに限って何かあるとは考えられないけど、あの狂華さんだからこそっていうのもあるんだよなあ、あの人あれで抜けているところがあるし。


「てめえ!なめてんのか!」

「あ、いやいや、なめてないなめてない。ちょっと気がかりなことがあってさ」

「一人で俺の相手をするっていうから、ちったあやる気になったのかと思ったのに、結局シールドで受けてばっかりじゃねえか」


 俺がこっちに戻ってきた時、俺と愛純より変身・交戦時間が長く、初手で大量の魔力を使った朔夜とあかりは限界が近かった。一応、愛純はまだ余力がありそうだったが、あかりと朔夜の回復と愛純の体力・魔力温存のために二人を連れて下がらせた。

これは生倉が仲間の得意魔法を使えるとか、もしくは都さんやマリカちゃんのように、見たことのある魔法をコピーすることができるとかいうチート使いだった場合、こいつはマッスル・イコの超回復能力を自分のものにしている可能性が高いと思ったからだ。

この場合おそらく生倉とサシで戦ってもマッスル化させられる可能性は低いが、向こうの魔力がつきて超回復がつかえなくなるまで誰かが生倉の相手をし続けなければならない。

とはいえ、当然俺にも魔力切れ体力切れがあるので、生倉より先にそうなったときには愛純に代わってもらったり、あかりと朔夜に変わってもらったりする必要がでてくる。その時に備えて三人には今休んでもらっているというわけだ。

もちろんこの推測は根拠のない当てずっぽうではない。マッスル・イコ…というか、品根衣子に対して好意を持っているだろう生倉が、彼女自身が嫌がっているマッスルフォームや、相手をマッスル化するオリバーポーズの他、マッチョ化した状態で使う魔法を身に着けるとは思えないというのがこの推測の根拠だ。


「なあ、ちゃんと殺す気で来いよ、俺の仲間を殺した時みたいに!」

「いやいや、だから俺は殺してないって」

「今更信じられるか!!」

「ですよねー」

 

 まあ、さっきのあれは俺が悪い。正直調子に乗っていて適当に話を合わせた結果だし、自業自得、身から出た錆ってやつだ。


「とはいえ、信じてもらわなきゃ困るんだよ。俺の予想だと、このあと、更に強い相手と戦わなきゃいけないからな」


 様式美なんて言うつもりはないが、聖の後の巨大怪人、琢磨の後の狂華さん、そして、生倉の次…おそらくは恵本人がでてくるだろう。

 パターンもパターン、ボスキャラの後に真のボスがいるというのはもうわかりきっているんだ。

 だったらここはできるだけ被害や消耗を最小限にして切り抜ける必要がある。


「俺の後のことを心配するなんて、余裕あるじゃねえか」

「ああ、意外と余裕があるぞ」


 嘘だ。さっきも言ったように接近戦だけなら俺たちの中でもかなり上位のメンバーと互角だし、魔力でもかなり上位。今はまだ戦闘スキルと魔力がまだちぐはぐなところがあるおかげでなんとか対応できているが、こいつがもし戦技研に入って一年も訓練すれば俺はもとより、ひなたさんより上になるかもしれない。

 だからというわけじゃないが、組織の将来のことを考えると誤解を解いてこっちに引き入れたい。

 ………いや、ほんとほんと。しんどいから戦いたくないわけじゃなくて。


「ところで、生倉」

「あん?」

「ちょっと落ち着いて考えてみろ。こうしてお前に対して攻撃しない俺がお前の仲間を殺したと思うか?」

「さっき自分で認めたじゃねえか」

「あれは、お前があんな話を振ってくると思わなかったからうっかり勢いでそうだって言ちゃっただけなんだって」

「………」


 お、手応えあり。


「だったら、お前らの中の誰があいつらを殺したっていうんだよ。そいつ出せよ」

「俺たちは殺してないって。そもそも、つい最近までお前らの存在すら知らなかったんだからな」

「つまり、一軍のエリートさん達にとっては俺たちは居ないも同然だったってことか」

「ちがうっつーの。そもそも、お前たちは大江恵に集められた私兵であって、戦技研とは関係なかったんだよ。あいつからどういう話を聞いていたかわからないけど、こっちはそもそもお前や衣子ちゃんみたいな人間がいるっていうことも知らされてなかったし、資料にもなかった」

「俺たちが大江の私兵…だと?」

「記録にない以上はそういう扱いだ。で、俺たちが大江に聞いていた話だと、お前の仲間を殺したのはお前自身ということになっている」

「はぁぁっ!?」

「とりあえず落ち着け!」


 瞬間湯沸器かこいつは!!


「というか、お前が犯人じゃなかったとしても、このままだとお前はお前の仲間を殺したやつと同じになるぞ」

「……」

「俺は神に誓ってお前の仲間を殺していない。そんな俺を殺してみろ、俺の仲間からみたらお前はお前の仲間を殺した犯人と変わらんってことになる」

「それは…まあ…そうだな」


 よしよし、生倉は切れやすいところを除けば、一応は良識ある人間みたいだな。

 …一般的な良識ある人間が仲間の仇を討つために殺しまで決意するかどうかは知らんけど。


「それに衣子ちゃんも生きてるだろ?」

「そうだ衣子!お前らあいつに変なことしてないだろうな!?」

「変なこと?変なことって?」


 うちの組織の魔法少女はほとんど元女性だし、やらかしそうなこまちちゃんも衣子ちゃんを怖がって近づかないから間違えても「クッ殺せ」みたいなことにはなってないと思うけど。


「拷問とか、そういうことだよ」


 あ、そっち系ね。


「してない。人道的にももちろんだし、そもそも拷問で得た情報は信憑性に欠けるっていうのがうちの指揮官の考えだから」

「……どっちだ?人道的に考えてのことなのか?それともやる価値がないからなのか?」

「包み隠さず正直に言うと、両方だ。あの人はどうしてもこの国や仲間を守るために必要なら些細な情報を取るためになら拷問もやむなしって人だと思う。でも今回はやってない。どうせ衣子ちゃんはお前の居所を知らないみたいだったし、そもそもうちの息子が必要な情報を持ってきてくれていたからな」


 朔夜とつながってから、戦技研が朔夜筋以外の情報で動いた形跡がまったくないので、少なくとも衣子ちゃんから何か引き出したということはないだろう。


「その、あいつがお前の息子って話も眉唾なんだけど?」

「うーん…確かにそれについては俺と柚那がそう思ってるっていうのと朔夜の自己申告以外、今の所証拠らしい証拠はなにもないからな。この戦いが終わったらDNA鑑定でもなんでもして確認するさ」

「俺と戦って無事に帰れるとでも思ってんのかよ」

「毎度毎度ピンチや瀕死にはなるけど、何があっても必ず家に帰るってのが俺の信条でね。今回も帰るさ。無事かどうかはわからんけどな」


 俺が大げさな身振りをつけつつそう言いながら数歩移動すると、それにつられて生倉の身体の向きが変わる。

 そう、丁度今生倉はみつきちゃんと高山少年に背を向ける格好になっている。

 これでハナは二人を運び出すことができるはずだ。


「テレビを見てくれたかどうかわからないが、去年の4月、俺は仲間たちと一緒に異星人が作り出したでっかい怪人に決死の攻撃を仕掛け、あやうく死にかけたけど家に帰ったし――」


 まあ、あれについは他にもっといい手があったんじゃないかなとは思っているし、反省している。


「――その後別の異星人と戦った時にも死と隣り合わせの激闘をくぐり抜け、愛する柚那のもとに帰った!」


 正直死にかけたのは最後に登場した狂華さんのせいだけどな!!


「そして今回も俺はお前を説得し、無事に柚那の元に帰る!」

「は?……説得?俺を倒すとかじゃなく?」

「ああ、説得だ。俺は話の通じる相手は説得することにしているからな」


 俺は今までだって切った張ったの命のやり取りは極力避けてきた。

 こいつが話の通じない無差別殺人犯でないというのなら、今回だって命のやり取りをさけて円満解決することができるはずだ。


「俺がこのステークシールドを使って、お前の仲間を墜落させたり、輪切りにしたり、切腹させたり、銃弾で殺したり、溺れさせたり、焼死させたりする。ああ、確かにできるだろうさ。だが、できたとしても俺はそんなことはしない」

「信じられるかそんな言葉!」

「信じてもらうさ」


生倉がこれだけ大切に思っていたなら、死んだ仲間達だって、衣子ちゃんだって、生倉が怪我したり人を殺したり、ましてや死んだりするのを望むわけがないんだから。


「そんで、一緒に犯人をぶん殴る」

「ぶん…殴る…って…俺は犯人をぶっ殺すって言ってんだろうが!」

「まあ落ち着けってそんな事しても誰も喜ばない。というか、仲間達は喜ばないだろ。お前の仲間はそんなことを望むような奴らだったのか?俺たちのために人を殺してくださいってそういうことを言う奴らだったのか?逆だったらどうだ?お前はお前の仇を衣子ちゃんにとってほしいと思うか?衣子ちゃんに人殺しになってほしいと、そう思うか?」

「……アイツラも衣子も関係ない、俺が勝手にやってるだけだ」

「だよな、わかるよそういう気持ち。俺だって柚那や朝陽や愛純や、あかりやみつきちゃんや…仲間たちを傷つけられたり、もし殺されたりしたら同じことを考えるかもしれない」


 これは間違いなく俺の本音だ。

 今こうして、言葉は悪いが他人事の話をしているときは落ち着いて諭すようなことを行っているが、俺だって割と頭に血が上りやすいほうだし本当に、仲間の誰かが犠牲になったりしたらこんなヘラヘラと言葉を弄したりできなくなるだろう。

 それが伝わったのか、生倉は神妙な顔で俺を見ながら何か考えている。


「なあ、もうほぼほぼ間違いないとおもってるんだけど、一応確認な。俺たちは大江恵から『生倉憂は生倉優と同一人物だ』と聞かされていたんだが、違うよな?」

「はぁっ!?あんなやつと一緒にするな!アイツのせいでどれだけ俺が迷惑したと思ってるんだ!?名前が似ているとか、俺があいつの弟だからって、なんでいつもいつも俺があいつと同じだって言われなきゃならないんだ!!」


 なるほど、生倉憂は生倉優の身内って線が濃いかなと思っていたけど、こいつは生倉優の弟か。前に生倉優の記録を調べた時に弟の存在はでてこなかったけど、そのへんは内部に入り込んだ恵がデータをいじればなんとでもなってしまう話だし、隠すのは容易だったろう。

 恵がなぜ生倉優=生倉憂なんていう嘘をついたのかはわからないが、とりあえず生倉優はちゃんと処刑されていると見て間違いないだろう。


「別に俺はお前とお前の兄貴が一緒だとは」

「一緒じゃないです!!」

「わかってるって、だから、一緒じゃないって言って……」


 あれ?生倉の声じゃないぞ今の。

 確かに生倉のほうから聞こえたんだけどなあ……というか、すごい聞き覚えのある声なんだけど……


「わかります!その気持ち!」


 そう言って、ハナはみつきちゃんと高山少年を連れて逃げるどころか、二人をその場に放置してずんずんとこちらに近づいてくる。

 って、えー……!?ハナさんなんでこのタイミングで出てきちゃうの!?




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