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魔法少女はじめました   作者: ながしー
第一章 朱莉編

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テロと選挙と文化祭 エピローグ邑田家


 ナッチハッチのJK編入の手続きも終わり、特にやることのなくなってしまった俺はボマー戦でのあかりの活躍を労いに実家に帰ってきていた。

 ちなみに、やることがたっぷりあってイライラしていた現・関東チーム副隊長の某愛純さんからは『また実家ですか?朱莉さんって友達いないんですか?』とか言われたが気にしない…本当に気にしてないって!泣いてなんかないって!




「というわけで、これはボマー逮捕のボーナスな。俺のポケットマネーからだから本当に少ないけど」

「えっ!?マジで?いいの?」


 いいの?と言い終わる前にすでに俺の手に封筒がないんですがそれは。


「ただ、今後はああいうことするまえに俺に報告してくれよ」

「うんうん、もちろんだよ。でもほんと助かるー。これでクリスマスはみんなにいいところ見せられるよ。ありがとうお兄ちゃん」

「いいとこ?」

「ほら、パーティやるときにバーレルを差し入れたりとかケーキを豪華にしたりとかさ。軍資金があると先輩らしいこと色々できるじゃん?」

「なるほどな。でもそれなら貯金下ろせばいいんじゃないか?結構貯まってるだろ」

「そういう見栄を張るようなことのためには、ママがお金をおろさせてくれないんだよね」


 まあ、学生のうち、それも中学生のころからそういうクセはつけないほうがいいっていう姉貴の考えはわからんでもない。


「ということでこれは私の机にプールして今回のクリパとか今後のために有効活用させてもらうねー」


 そう言ってあかりがリビングを出て行くと、入れ替わりで千鶴が入ってきた。


「よう、おかえり」

「ただいま」

「今回は悪かったな。あれは完全に俺達のミスだ。あかり達の不在を狙って千鶴や一年生組を狙うっていうことも考えるべきだった」


「あはは、まさか生徒会に当選した当日にあんなことになると思ってなかったから本当に大変だったよ」


 そう言って笑う千鶴の笑顔にはあまり恐怖などは感じられない。


「でもまあ、みんなにはいい刺激になったみたいよ。深雪が『千鶴は我らが守るのじゃー』とか言い出して、あれから猛特訓しているみたいだし」

「そっか。でもあれは本当に不注意だった。すまん」

「いいっていいって。この間アビー達とも話してたんだけど、もうすぐお姉たちはいなくなる。そうなると、タマ先輩と高山先輩と深雪達であの学校を守ることになるんだし、その予行練習というか動機づけとしてはいいタイミングだったと思うんだ。だから気にしないで」


 本気で言っているっぽいあたり、我が姪っ子ながら大人だなあ、千鶴は。


「あ、でも悪いと思っているならクリスマスパーティに差し入れしてくれない?私を狙ってきた敵の攻撃にみんなを巻き込んじゃったし、そのお詫びって感じで私名義でさ」

「よし、何がいい?今回は叔父さんのミスだからなんでもいいぞ。料亭のケータリングでも、寿司職人が出張してその場で握るサービスでもどんとこい!」

「いや、中学生のクリスマスパーティにそんなの差し入れられてもドン引きだよ?まあ、カチューシャは喜びそうだけど」

「じゃあどんなのが良いんだ?」

「いや普通にバーレルとか、ケーキとかさ」

「姉妹だなあ…」

「え?何が?」

「あかりが自腹でそれ差し入れるって言ってたぞ。あかりたちと一緒なんだろ?」

「うん。じゃあ何か別のが良いかな。でもなあそうなると…」


 まあ、ポテチとか普通のチョコとかあってもいいかなと思うけど、千鶴たちのパーティだし、俺が提案することでもないかな。


「じゃあこれ」

「え?何このお金」

「あかりと千鶴の二人でボマー捕まえたようなもんだから、あかりと同額な」

「え?いやいや、私何にもしてないっていうかむしろ人質になってお姉達の足引っ張ってたし、こんなのもらえないよ」

「そんなこと言わずに、俺としては一緒に捕まえてくれた賃として受け取ってもらったほうが体裁いいんだが」

「体裁?」

「怖い思いした代より一緒にガンバったで賞のほうが聞こえがいいだろ。同額だから差し入れを考えるときにもあかりと割り勘にもしやすいだろうし、余った分はクリスマスプレゼントってことで」

「プレゼントまで含めてお金で解決とか、やりかたがやらしいねえ」


 千鶴はそんなことを言いながらもホクホク顔なので、やらしいとかなんとかは本気で思ってはいなさそうだ。


「大人だからな」


 正直あかりとか千鶴が何を喜ぶかよくわからないからっていうのはあるので、まあやらしいっちゃやらしいんだが、俺はそううそぶいてみる。


「うんうん、私達のプレゼントにこんなにお金かけてくれるなんて、大人になったねぇ、叔父さん」

「いや、俺は前から大人だったろ」

「…叔父さんが冬コミに行くお金を捻出するために、小3の時のクリスマスプレゼントが『叔父さんがなんでも言うこと聞く券』だったこと、私忘れてないよ」

「ぐぬぬ…」


 子供ってなんでそんなことばっかり覚えてるの!?


「まあ、それはともかく。そういうことであればこのお金の残りは来年度のうちの生徒会の裏金としてプールさせていただきます」


 そう言って現金を押しいただく千鶴を見て、俺は思わず吹き出してしまった。


「ほんとに姉妹だな、お前ら」




「そう言えばお兄ちゃん、今年のクリスマスはどうすんの?柚那さんと別れたんだったら予定ないでしょ。うちに帰ってくんの?」


 晩飯のいい匂いが漂ってきた頃、部屋に裏金をプールして帰ってきたあかりがそんなことを聞いてきた。


「うちに帰ってくると同じく行き場のない深谷さんに絡まれそうな気がするからどこか別のところにいこうかなって思ってる」

「え?別の所?」

「叔父さん別のところなんてあるの?」

「失礼だな君たちは。俺にだって、関東チームと一緒に過ごし……」


……愛純はいないな、間違いなく。で、狂華さんも都さんと一緒だろうし、そうなると朝陽も多分実家に帰るだろう。


「……は、しないけど。例えば一緒に仕事してるこまちちゃん……」


 をクリスマスに独占なんてしたらセナに何されるかわからんし、東北で普通に友達として一緒に過ごしてくれそうな彩夏ちゃんは今や彼氏持ちだ。

 ということで東北も無い。


「…は、セナにお返しするとして」


 関西なんて基本楓のハーレムで、もう俺が付け入るところ皆無だしな。

 事務方で考えてもニアさんは旦那さんいるし、しょ島部奪還作戦で顔見知りになった虫野さんは婚約したばっかり。

 あとは…


「……時計坂さんとか」

「あの人がお姉ちゃんになるかもってのはちょっと」

「悪い人じゃなさそうだけどね」


 さもありなん。


「あ、むしろJCのパーティ来る?」


 そう言って心配そうな顔でこっちを見るあかり。

 そうだなあ、JCのみんなとは顔見知りだし、気の置けない仲だと思うし、それならそれで


「いやでもお姉、前に叔父さんがパーティに来たら高山先輩とのこと妨害されるかもって言ってなかった?」

「やっぱり来ないで」


 あかりの熱い手のひら返しが炸裂だ!!

 …いやでも、JCは無しでも、JKはありなんじゃないかこれ。

 ジュリちゃんが華絵ちゃんとかエリスちゃんとナッチとハッチと……って、ああっ!ハッチが俺の正体もう知っているんだった!なんかすげー行きづらい!

 いや、でもハッチは俺のファンだし、まだ行ける!まだ行けるぞ朱莉!というかジュリ!


「ん?お兄ちゃんがなにか良からぬことを考えている予感。やっぱり私と龍くんの仲を邪魔するつもりなんだ」

「そんなことないって。あいつは悪いやつじゃないから俺はもうそんなに心配してないよ。ただし節度は守れよ」


 むしろ高山少年のほうから『あかり先輩はいろいろ順序がおかしいんで節度と順序を守らせてください』と言われてしまったしな。

 

「はーい」

「でもじゃあどうするの?叔父さん一人になっちゃわない?」

「だから俺にだってクリスマスを過ごす友人の一人くらいいるって」

「例えば?」

「………石見とか」


 あいつに恋人がいないかは聞いてないし、クリスマス一緒にすごそうとか言ったらまた色々誤解を受けそうだけど、そういうんじゃなくて普通にこの20年くらいの話とか中学時代の話とかしたいなってだけだけど。


「あー…まあ、柚那さんとは別れたんだしそれもありかもね」

「うんうん」

「あたしは柚那ちゃんに会いに行くのを勧めるけどね」


 そう言いながらキッチンから出てきたのは姉貴だ。

 ちなみにまたしても包丁を持っている。


「姉貴、包丁包丁、包丁置いてきて」

「そんなことは後で良いんだよ。クリスマスは柚那ちゃんとこに行っといで」


 最近では『柚那とよりを戻したほうがいいんじゃない?』って言ってくる人もかなり減ってきたのに、姉貴だけは本当に柚那派だよなあ。

 柚那派で、多分柚那の考えとか事情も知っているはずなのに絶対にそれは言わない。

 まあ事情を話してくれないのは姉貴だけじゃなくて、その他の連中も事情は語らず自分の考えだけを言うので別に姉貴だけ特別ってわけじゃないけど。

 例えば都さんは「もう柚那は勝手にしなさい」って感じだし、恋は「朱莉の好きなようにしたらいいと思います」って言ってたし、愛純も「柚那さんの判断を尊重します」って言ってた。朝陽も「柚那さんの覚悟は本物ですから、それはそれで良いのかも」とか、濁してはいるものの、柚那とよりを戻せという感じではない。

 というか、俺と別れるってことについて、柚那にどんな覚悟が必要だったんだろう。


「というか、邪魔しないならうちのパーティ来てもいいんだよ?」

「いや、やっぱり俺がいると変な緊張感でるだろうし、JCのパーティはあかり達だけでやったほうがいいと思うよ」


 まあ、とにかく、今俺の手元にある選択肢は


・柚那に会いに行ってよりを戻す努力をする。

・石見を誘って健全な大人のデートを試みる。

・JKにまじってクリパで青春する。

・覚悟を決めて、実家で深谷さんと腹を割って話す。


 と、この四択になるわけなんだが。


 ………正直どの選択肢を選んでも後々面倒なことの種になる気がしないでもない。

 この選択肢の中から選ぶんだったらもういっそ一人で漫画喫茶泊とか、どこか人気のないところで一人で過ごすほうがいい気もするので


・クリぼっち。


 を選択肢に入れよう。

 さてさて、俺は一体クリスマスをどう過ごすべきか……




というわけでストーリーの分岐アンケートにご協力お願いします。


https://goo.gl/forms/uqyJjXuaZXRqEVj82


(17/6/30締め切り)

※JKになりました。


※お一人様何票でも可、その他の項目に記述いただく際は都さんゲームルール(朱莉とあまりに関係ない人をおもむろに突っ込むのはナシ。例えばいきなり生倉がでてくる等はナシ。ハプニングで楓と何処かに閉じ込められるなどはあり)でお願いします。


 今回のアンケート結果はクリスマス話だけに反映され、今後のストーリーの本筋には特に関係ありませんので、好き勝手やっちゃってください


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