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魔法少女はじめました   作者: ながしー
第一章 朱莉編

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如何かと思います父母

※考えついたものの、使えなかったネタを消費するための話のため、読まなくてもまったく問題ない話です。

 結局食事会なんだか、面倒くさい飲み会なんだか、真白の両親ののろけ話を聞かされる会なんだかよくわからないところから俺が帰ってきたのは、夜の10時を回ろうかというところだった。

真白が『ここは私がなんとかするから、和希はもう帰って』と、なんだか死亡フラグみたいなことを言って帰してくれなかったら、あのまま真白の実家に…いや、真白の部屋に押し込まれていたかもしれない。


 そんな事情もあり、真白がいないのでみつきのアイスの件は延期してもらおうかと思っていたのだが、そこはそれ、真白は仕事ができる女なので、しっかりとタマに引き継ぎをしていて、真白の代わりにタマが同席するということになっていた。


「もう遅いのにごめんな、タマ」

「アイスが美味しいから別に構わない。それに同室の亜紀はもう寝ちゃって退屈だったし」

「え?もう寝てんの?まだ10時半だぞ」

「10時に寝て朝の5時に起きるのが亜紀のペースだから」

「なんかエリス先輩みたいだな、井上妹」

「厳密には妹じゃない」

「いいんだよ、区別が付けば。なあみつき?」

「え?う、うん。そうだねっ」

「どうしたんだお前、なんか変だけど」

「え?…いや、ほら、和希真白のお父さんとお母さんに会ったんでしょう?だったらやっぱりあれかなって」

「あれ?」

「ほら、『娘さんを僕にください』『ええいお前などに娘がやれるか出て行け!』みたいなさ、それで婚約とかしちゃってたら、もうチャンスがないなって」


 悲しくなるほど発想が同レベルだな、俺とみつきって。


「ええとな、みつき」

「うん」

「婚約はしてないけど、悪いがチャンスもない。俺は真白と別れるつもりもないし、みつきと付き合うつもりもない」

「あはは、だよねえ…はあ…よしっ」


 みつきは一つためいきをついてから気合を入れるようにそう言ってから俺を見て口を開いた。


「和希、私あなたのことが好き、付き合って」

「いや、だからさ……」

「はっきり答えて」

「……俺は真白が好きだから、みつきとは付き合えないし、他の誰とも付き合えない」

「わかった、ありがとう!じゃあ、これでこの話は終わり!」


 いきなりこんなことを言い出すなんてどうしたんだろうと思ったが、どうやら自分の気持ちに見切りをつけたいとかそういうことだったようだ。

「これからは私、他の男の子を探すから、和希も協力してね」


 それはそれで友人としては非常に微妙なんだけどな。

 妙な男に引っかかるよりは、正宗あたりで手を打ってもらえると安心なんだけど。


「まあ、それはさておき和希先輩」

「ん?」

「『娘さんを僕にください』じゃないなら、真白先輩の両親とどんな話を?」

「え?聞きたいのか?すごく微妙な話だぞ」

「例えばどっち方面の?」

「主に下の話」

「シモ?」

「例えば、そうだなあ…若い頃、親父さんのあだ名がサンダース軍曹だったとか」

「サンダース軍曹?」

「欲求が強すぎて週にそれだけ消費したのが由来らしい」

「え?なにそれどういう意味?って、なんで、タマ爆笑してるの!?」

「あはははは、さ、さんだーす………」


 3ダースね。すごいよな。1日平均5回戦だぜ。


「そういう話をしながら、おふくろさんが昔を思い出してちょっと顔を赤くしたりしてさ、で、真白が真っ赤になって怒るんだぜ。超カオスだったよ」

「それはちょっと見てみたかった他にはどんな話を?」

「待って、待って、結局サンダースってなんなの?」

「みつき先輩はそのまま汚れを知らずに育ってほしいから教えない」

「教えてよー」

「他には?」


 スルーするのかよ、酷い後輩だな。


「そうだなあ、インパクトが強かったのはそのくらいだけど、まあ他にも色々シモの話とか、孫はまだかとかそういう話をされた」

「孫って私達まだそんな…」

「いや、真白の両親超若かったから、もしかしたら本気かもしれん」

「ええー…でもまあ、そうだよね。柚那のところも両親若いって言っていたし、十代でお父さんお母さんってこともあるよね」

「まあ、一応大学出るまでは待ってほしいと思うけどな」

「あ、そうだね。そのくらいは待っててほしいかもね」

「というか、和希先輩の言い方だと、大学出たら真白先輩と結婚するって宣言してるように聞こえるのだけど」

「え?そう言ってるんだぞ」

「すげえ…」

「むしろタマはどうなんだ?」

「どうって?」

「高橋とのこと」

「え!?タマって高橋くん狙い!?」

「そ、そういえないこともなくもない」


 そう言って顔を赤くしたタマの視線が泳ぎまくる。

 自分のことになるとすぐにテレテレしやがって。可愛い奴め。


「でも、それならこの合宿中にバシッと告白しちゃえばいいじゃん、私も協力するよ」

「いや、みつき先輩に手伝ってもらうとか、失敗するイメージしかないんで」

「ひどい!」


 ……俺もそう思うけど口に出さないでおこうっと。





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