岡崎 涼乃Ver.(完結)
涼乃と王子。の巻
最後はこの二人です。
長文になります。ご了承ください。
泰斗祭の前日、私たちは帰る途中、コーヒーショップに立ち寄っていた。
私たちのクラスは茶店をすることになったんだけど、私は裏方で圭吾くんは販売。本人は裏方希望だったんだけど、実行委員に「早川は全員一致で販売と決まっているから」と説得された。
「俺も裏方がよかった。涼乃と一緒に仕事したかったよ」
「しょうがないよ。女子が裏方と販売。男子が宣伝と販売ってなったんだから」
「きっと圭吾くんのソムリエエプロン姿、似合うよ。」
「じゃあ、一緒に写真撮ろうね」
「え、どうしてそうなる。」
「“あとのまつり”の花火も二人で見ようね。俺たち一緒に回るのは無理そうだから、ね?涼乃」
圭吾くんが、私をじーっと見つめてくる。
うう・・・背後にバラが似合うテニ○リな彼氏に見つめられて、うろたえない人ってすげーよな・・・・。
泰斗祭の一般公開日、 茶店は大変なことになっていた。
私が読書カフェの当番を終えて、茶店の当番のために戻ってくると和菓子がほとんどなくなっている。
「え?お菓子がない??」私が驚いていると、クラスの子が「さっきまで早川くんが販売してた時間だったでしょう。女の子が大量来客してさ~~。これよ」指し示すケースには和菓子がちょっぴり。
「すごいね・・・」なんということでしょう。まさに王子効果。
一緒に当番をする唯ちゃんも「うちの店にバイトで入ってくれないかなあ」と感心していた。
おかげで、“あとのまつり”までに余裕で和菓子を売り切り、うちのクラスは早めに片付けに着手することが出来た。やったー、これで振り替え休日後に片づけをしないで済む~。
テニス部での当番を終えて圭吾くんがクラスに戻ってきたとき、クラス中が圭吾くんに惜しみない拍手を与えたのだった。本人は、何がなんだかわからないって顔しているけど。
そのあとは“あとのまつり”まで各々自由行動になり、クラスの皆は次々と校庭へ出て行く。私は圭吾くんと約束させられたとおりソムリエエプロンをした早川くんと一緒に写真を撮影することになった。その撮影を圭吾くんが頼んだのが、唯ちゃん。
「ほらー、涼乃。もっとくっついて。フレームに入らないって」
「えー」
唯ちゃんが撮影してくれた写真は・・・なんだか二人が密着している写真だった・・・・。
なんだろう、恥ずかしい反面、ちょっと嬉しいこの気持ち。
「涼乃。私、長谷川部長と後夜祭見る約束してるから、そろそろ行くわ。じゃねっ!!」
唯ちゃんは、さっさと教室を出て行ってしまい、気がつくと教室には私と圭吾くんにだけになっていた。
教室で二人きりになるなんて、強引にメル友になった日以来だ・・・。
「圭吾くん、私たちも校庭に行かない?圭吾くん、表彰されるかもよ」
「表彰?」
「一番売り上げた人とかで。茶店が成功したのは圭吾くんのおかげだもの」
「俺の?」
「そうだよ。唯ちゃんなんて、店にアルバイトに来てほしいって言ってたよ」
「涼乃」
「ん?な・・」
なあに?という前に、圭吾くんに抱きしめられた。
びっくりしたけど、私も圭吾くんの背中に腕を回してみる。
「涼乃って、どこもかしこもやわらかい・・・俺が、壊してしまいそうだ」
「壊れないよ。だけど、やわらかいって・・・・最近太ったのかなあ・・・・」
圭吾くんは、腕を緩めると「違うよ。褒めてるの。涼乃、ダイエットなんて考えるなよ。」というと、また抱きしめてくる。
「圭吾くん、花火。見ないの?」
「涼乃は見たい?」
うーん、正直、花火はどうでもいい気がしてる。このまま圭吾くんと一緒にいたい。今日は、素直に圭吾くんに伝えようかな。
「あのね・・・私、花火よりも圭吾くんと一緒にいたい」
「よかった。俺と同じだね。俺も涼乃といたい」
生徒会長が、各々の賞を発表されたあと、そのあと花火が始まったみたいで歓声が聞こえてくる。私たちは、誰もいない教室で花火の音を聞きながらキスをした。
巡回している先生に見つからないように、机に隠れて床の上で座りながらキスをしたことは、この先、圭吾くんとどれくらいキスをするかは分からないけど忘れられないだろうな、と思った。
読了ありがとうございました。
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図書委員会の恋愛事情。一旦完結いたします。
最後は第1章のこの二人です。
この作品もなんとか毎日更新することができました。
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この作品を楽しんでいただいた方全てにお礼を言いたいです。
長い間お付き合いいただいて、どうもありがとうございました。
アイデアが浮かんだら番外編をUPしたいなあ~と思っております。
予想外に長くなってしまい、作者もびっくりしました。
苑子の話はこれからストックを作成予定ですが、
・・・・お待ちいただける方は、気長に待ってくれると嬉しいです。