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苑子とお化け屋敷。の巻(その2)
私は兄に言われてしぶしぶ、自分のクラスのお化け屋敷に入ることにした。ルートも分かってるし、仕掛けもどこに何があるか分かってるんだけど・・・・真っ暗闇だと、全然違うよ~。
ああ、全てがわたしのビビリポイント。案の定、聡太お兄ちゃんは「うほー」とか喜んじゃって頼りにならない。私はどきどきしながら進んでいく。そろそろ、紙ふぶきポイントだよなあ~。
すると、内藤さんが「武内さん、大丈夫?」と声をかけてきた。
「えと・・・今のところは。内藤さんは平気なんですね」
「んー、まあ・・・・昨年、俺のクラスもお化け屋敷でね。どこも結構似てるからね」
なるほど、免疫ができてるわけなんですね。
内藤さんと話してると、あんまりびくびくしないで進んでいける。とはいえ、暗いので歩きづらい・・・と、油断しているところに、空気砲がなって紙吹雪が降ってきた。
「うひゃあ!」とびっくりして、私は思わず内藤さんの腕にしがみついてしまった。
はっ!暗いからって、何やってんだ。私!!
「す、すみませんっ」
「いいよ。でも、これはびっくりだね」暗くて、私が真っ赤になってるのが内藤さんにばれなくてよかった・・・。
無事にお化け屋敷から出ると、先に出ていた聡太お兄ちゃんがニヤニヤして待っていた。
「内藤、苑子、おせーよ」
「そうくんが一人で先行っちゃうから、内藤さんが私のペースに合わせてくれたのっ。もー、おりくんに言いつけてやるっ」
「・・・・それだけは止めろ。何かおごってやるから」聡太お兄ちゃんが焦った。
「武内先輩。そんなに伊織さんが怖いんですか」内藤さんは不思議そうだ。
「・・・・内藤。お前だって、いずれそれが身にしみることになるぞ」
聡太お兄ちゃんは、時々変なことを言う。
その後は、普通に模擬店でおごってもらい(おりくん効果)、私は図書委員会のほうに向かうため二人と別れた。
それにしても、暗闇でよかった・・・いくら、おりくんの役目を内藤さんが代わりにしてくれたからって、しがみついちゃうなんて~~~。恥ずかしすぎる。
だけど、内藤さんってうちのお兄ちゃんより、がっしりしてたなあ・・・。
それに、今日の内藤さんは途中から私に敬語じゃなくなっていた。その変化が私には嬉しかった。
読了ありがとうございました。
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びっくりして、思わず腕にしがみつくというベッタベタなシチュエーションを書いてみたくて、苑子で書いてみました。
うわ~ベタだなあ~