第13章:土屋 信康の至福-1
土屋先輩の嗜好(笑)の巻。
俺の彼女、松尾恵ちゃんは(本人は彼女だと認めてないけど)、見た目は、おとなしげだけど実は、しっかり者の女の子だ。古川さんによれば、来年の図書委員長に決まったらしい。
俺の告白(恵ちゃんに言わせると策略)がきっかけになって、付き合うという形になったんだけど、恵ちゃんは俺のことを“土屋先輩”としか呼んでくれない。
あんまり贅沢言わないから、せめて“信康くん”と呼んでくれたらなあ・・・・。
「ねえ恵ちゃん」
「なんですか?」
「まだ、俺のこと“土屋先輩”?」
「そうです。当分“土屋先輩”です。」
「ええ~なんでよ~。彼氏なのに~」
「私が“彼氏”だと思えるようになったら、先輩をとって“土屋くん”にします。」
「それでも“土屋くん”??」
「何か、文句が?」恵ちゃんの冷めた視線が俺を見る。
「うう・・・せめて“信康くん”とかにしない?」
「しません。でも私、先輩嫌いじゃないですから。ちゃんと、その・・・彼氏として見られるように考えますから・・・それまで、待っていただけないですか?」
う。恵ちゃん、かわいーなー。俺が178cmで恵ちゃんが160cmくらいなので、チラッと俺を見るしぐさがかわい~。
「・・・恵ちゃん、かわいい・・・」
「だから、そういうことをサラっというのはやめてくださいよ」とたんに恵ちゃんの冷めた視線が俺につきささる。
「やめないよ。慣れてっていったでしょ?」
「~~!!」恵ちゃんの顔が赤くなって絶句。
「ね、恵ちゃん。今度の休みに出かけようよ。デートしよ、デート♪」
「・・・・土屋先輩、受験勉強してくださいよ。今度の休みは外出の予定があるので、都合が悪いです。」
「え~~~。恵ちゃん、つめたい~。俺、悲しい」
「・・・先輩、そういう態度はうっとうしいだけで、心に響きませんよ」
彼女のツッコミは親しい人にしか見せないって知ってるから、俺も口では「悲しい」といいつつも、ちょっとうれしいんだよなあ。
でも、これも言うと「変態ですか」とか言われること間違いなし。
とりあえず、休みには会えないことが分かったので、俺は彼女に言われたとおり受験勉強に励むことにした。
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第11章の続きになります。土屋先輩の恵ちゃんラブ(爆)ぶりをお楽しみください。