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自覚する涼乃の巻

 第三者に言われて自分の気持ちが明確になることがある。

 唯ちゃんに「涼乃はね、早川くんのことを好きになりかけてるのよ。」と言われたときの私は、まさにその状態で。

 「同じクラスでも知らない人」のときだった早川くんは、女の子同士の揉め事を誘発させるチャラい奴ってイメージだった。だから、最初に告白されたときは、ひたすら驚きと困惑しかなかった。そのあと、断りきれずにメル友となって言葉も交わすようになってから早川くんの印象はだいぶ私の中で変わってきた。

 早川くんって、いい人なのに整いすぎた外見で知らないうちに偏見もたれるタイプなんだなあ、というのが今の私の認識だ。

 話してみると、早川くんは外見こそ「王子」だけど中身は「普通の男の子」で、しかも真面目で他人に対して気遣いのできる人だった。

 どうやら、いつの間にか瑞穂先輩いうところの「クモの餌」になってしまったみたいだ。

 私、今、早川くんにちゃんと返事をしないといけないって思った。


 ふとカレンダーを見ると、明日は来年の対策授業がある日だ。テニス部は部活があるのかな。

 最近のメール履歴で一番多い早川くんのアドレスに私は「明日、私は学校で対策授業を受ける予定だけど、早川くんは部活?」と送ってみた。

 すると、すぐメールではなくて電話がかかってきた。

 出ると第一声が「なんで“早川くん”に戻っちゃったの」という早川くんの不満そうな声だった。

「・・・・うっかり入力しただけだよ。」早川くん、見逃さない人だ・・・。

「涼乃、明日学校来るんだ。俺は明日部活あるし・・・・授業は午前中?」

「そう。確かテニス部は8月入ると午前中だけだって言ってたよね」

「・・・朝7時から昼までだね。」

「・・・・は~~大変だね」

「で、どうしたの」

「うん、あのね・・・」ここで、用件を言おうとしたところ、早川くんは私の口調で察したらしく

「もしかして、返事?」

「う、うん。私、考えたの。で、あのね・・・」と言いかけたところ

「待った」と早川くんからストップがかかった。

「え、なんで。」別に今返事をするわけじゃないんだけどな。

「明日、授業が終わったら正門で待っててくれる?一緒に帰ろう・・・あ、でも暑いから日陰がいいか・・・どこがいいかな」

「じゃあ・・・明日は確か図書室の開放日だから、先に着いたら中で待っててくれる?私も中で待ってるから」


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。


第9章はあと1回で終了予定です。

閑話をはさみ、新たな視点となる人物が登場する予定です。

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