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涼乃、早川のことをこっそり「早川王子」と呼んでいたのがバレたうえに逃亡の巻。

 授業が終わると、唯ちゃんは部活に向かい、私は当番じゃないので家に帰る。

 かばんを持って唯ちゃんと途中まで一緒に行くことにした。


 ところが、帰ろうとする私を「岡崎さん」と呼び止める人がいた。

 振り向くと、そこには早川王子・・・・もとい早川くんがいた。彼も部活に行くのかテニス部のバッグを肩からかけて私をじっと見てる。

「岡崎さん、これから少し時間ある?」

 うーん、早川くんに費やす時間はないな・・・・なんてことは小心者の私は、もちろん言えず「少しなら。」と無難に答える。

 唯ちゃんが「涼乃、なんかしたの?」とこっそり聞いてきたが、そんなわけないだろう。近寄りもしてないのにさ。

「わかんないけど・・・唯ちゃん。時間迫ってるから部活いきなよ。」とささやきかえす。

「うん・・・今日の夜電話するね」と唯ちゃんは部活に向かった。


 いつの間にか、教室には私と早川くんの二人だけになっていた。

もしや賭けか何かで、他に誰か隠れてるのでは?と私は思わず周りをきょろきょろしてしまった。

「なにしてんの?岡崎さん」

「え?えっと見事に誰もいないなーと思って。早川くんは部活行かないの?」

「今日は遅れるって部長に言ってあるから」

 テニス部の部長・・・ああ、あの黒縁メガネが素敵に似合うあの人か。一本筋が通ってしゅっとした感じがいいよなあ。あの人も白衣が似合いそうだ・・・早川くんとは真逆だな。

 はっ、いかん。早川くんの存在を忘れそうになったよ。現実に戻らないと。

「そうなんだ。それで私に何か用でしょうか」なぜに敬語、私。

「あのさ、・・・・・岡崎さんはメガネ白衣が好きなの?」

 げ。なぜそれを知っている。

 びっくりした私の顔を見て、早川くんは「今日のお昼、俺、岡崎さんと川田さんがお昼食べてる裏に通りかかったときに聞こえちゃって。早川王子・・・って、俺って王子なの?」

 このときの私の心境は「サ○エさんにいたずらがばれたカ○オ」いや「ママに0点のテストを発見されたの○太」もしくは・・・・だめだ、おもいつかない。

「俺だって、別に好きこのんで、ああいう状況じゃないんだよ・・・」

「はあ・・・・そっか。ごめんなさい。」自分のしらないところで変なあだながついているのに遭遇したら、不愉快だよなあ。私が全面的に悪いから、ここは謝罪だ。こっそり呼ぶのはやめないけどさ。

「いや・・べつに謝らなくてもいいよ」

 おお、笑った。なんとも思っていない私でも、なんだかまぶしいぞ。

「早川くん・・・それで、私に用ってなに?」

「岡崎さん。俺、岡崎さんのこと、1年のときから好きなんだけど、俺とつきあってくれない?」 早川くんは意を決したように私に告げた。


 このとき、私がしたことは・・・・再び誰かが見てるのではないかと、きょろきょろあたりを見渡したことだった。賭けでもなきゃ、こんなキラキラ王子がオタク女子に告白するか?漫画じゃあるまいし。

 私は一瞬固まったあと、黙って早足で教室を出たのだった。

「え?岡崎さん??」と私の行動に呆然とする早川くんを残して・・・・。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。


涼乃、早川王子を置いて逃亡。それだけ驚いたということにしておいてください・・・

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