追放
なあ、俺言ったよな? ボムに火属性の攻撃はダメだって。
昔は違ったって、いったいいつの話だよ。見た目で「これはダメだな」ってわかるでしょ。
あとさあ。バフかけてくれるのはうれしいんだけど、ちょっと間が悪いんだよね。
攻撃した後に攻撃強化、攻撃された後に防御強化って、いつもワンテンポおそいんだよ。
いや、悪気はないんだろうけど毎回だとさすがに、ね?
というかさあ。この間、俺は止めたのに「まかせろ」って宝箱開けてさ、中身ミミックで、パーティ全滅しかけたよね?
街まで棺桶ひいてさ、噂になったよね。「とんでもなく強力な魔物が出た」って。「ミミックでした」なんて俺もう恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だったんだけど。いや棺桶入ってたんだけど。蘇生費用で大赤字だし、俺は顔真っ赤だよ。
この際だから言わせてもらうけど、パーティの女の子が君のこと怖がっているんだよね。後衛職だから後ろにいるのはわかるんだけど、張り切って鼻息荒くするのはどうかなって。
――変わりたいって思った。
まあ、つまり、その……。悪いんだけどさ、パーティ抜けてくんない?
たぶん、その方が君のためにもなると思うんだ。
相性ってあるじゃん? 俺たちはあんまり合わなかったんだなって。
――このままじゃダメだって。だから、
ごめん。じゃ、そういうことだから。
――そのための一歩を踏み出した。
「あのぉ、相談したいんですけど……」
「はい。どうぞこちらへ」
――必要だったのはほんの少しの勇気。
いつもありがとう! 攻撃受けたあと、すぐに回復入れてくれるから安心して戦えるよ!
この間はごめん。教会まで棺桶四つもまとめて運んでもらって。君、力持ちなんだね。
あの、私たち女の子三人パーティなんですけど。よかったら一緒にダンジョンいきませんか? 私たち後衛職ばかりで困ってて。
――なりたい自分へ。
転職はクラスナビ。




