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白き影  作者: えふぴー
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白き影(中編)

軽く登場人物紹介


シュヴェル

自身の身長と同じ大きさの銃を扱う狙撃手

顔には幾つか傷跡が残っている

実は戦闘自体は嫌いで、避けられるなら避けたい

実は物の管理が丁寧だが、長く使っているためボロボロ


ライト

そこそこ強い剣術とそこそこ早い判断力を持っている

実は結構ビビりで、小さなことでもだいぶ驚く

実は旅から帰る一番の理由は寂しかったから


シュヴェル達は話しながら歩き続ける。

シュヴェル「えっと...家はどこにあるんですか...?」

そこは限りなく遠くまで続く平原、家などは存在せず、ただ数本の木々が風に靡いているだけだった。


ライト「どこにあるかって言われたら...ちょっと表現がむずいな。この方向をずーーーっとまっすぐいったら着くはずだ。ただ...だいぶ遠くてな。走ったとて1日は掛かると思うぞ。」

ぴっと家がある方向を指差す。


シュヴェル「随分と遠くまで旅をしていたのですね...」


ライト「あぁ、親からは反対されたんだけど、どうしても冒険してみたかったんだ。仕方なく許可してくれてよ、今こうやって旅をできてるんだぜ。ただ、俺が思ってた以上に過酷で、寂しかった。それに、色々見れて満足したから帰るところだったんだ。そういえばシュヴェルはなんで旅に出たんだ?」


シュヴェル「なぜ...でしょうか...わからないです。ただここまで歩いてきただけなので...」


ライト「分からないって...じゃあ旅の目的はなんだ?何かを探すためか?」


シュヴェル「目的も...分からないです...すみません。」


ライト「目的もわからないって...家族は?お前を引き止めたりしなかったのか?」


シュヴェル「両親は...既に亡くなってます...」


ライト「うぉっと悪ぃ...じゃあ家は?家はどこなんだ?」


シュヴェル「家も...もう無いです...」


ライト「...すまん。」


シュヴェル「すみません...さっきから暗い話ばかりで...」


ライト「ん〜そうだなぁ〜、そういえばお前歳がいくつなんだ?俺は16だ。」


シュヴェル「確か...14歳だったはずです...おそらくですが...」


ライト「確かって...14!?俺より年下じゃねぇか!?話し方的に年上だと思ってたぞ...」


シュヴェル「そうでしたか... ...?」


ライト「ん?どうした?」


シュヴェル「...!下がってください!」


少しの間、風に靡く草の音だけが草原に響き渡る


シュヴェルは前にある茂みに凝視する


ライトが下がろうとした瞬間、近くの茂みから1匹のオオカミがライトに向かって飛びかかった。


ライト「うわっ!?ーーー」


下がることができなかったライトの前にシュヴェルが割り込む。


キィン!


オオカミの牙が、シュヴェルの持っていたナイフで弾かれた。


オオカミはそのまま少し下がり、姿勢を低くして唸り始める。


ライト「助かった!」


シュヴェル「さっきの...群れの逸れでしょうか...?」


ライト「もう大丈夫だ!さっきはよくもやりやがったな...!」


ライトが剣を構え、オオカミに突撃する。


ライト「はぁぁぁぁっ!!」


腕を大きく回し、剣を勢いよく振る


しかし、オオカミは風の如く機敏に攻撃を避ける。


ライト「やあっ!はあっ!ーーっ!?」


キィン!


数回繰り出した斬撃も避けられ、ついには剣を咥えて止められてしまった。


ライト「なんだコイツ!?明らかに強ぇ!」


シュヴェル「気をつけてください!他の個体よりも明らかに動きが違います!おそらくエリート個体です!」


ライト「エリート!?そんなのアリかよ!?」


シュヴェル「攻撃をするよりも、攻撃を喰らわないことに専念してください!」


ライト「わ、分かった!」


力ずくで剣を取り戻すと、今度はオオカミが爪や牙を多様に使い攻撃を仕掛けてきた。


爪の攻撃を剣で弾き、牙の攻撃を剣で牽制し、距離を取る。その動作を繰り返していた時だった。

突然、オオカミが顔目掛けて飛びかかってきた。


光る牙が目の前まで迫ってくる。


ライト「あっぶねぇ!?ーー」


反射的に身を翻して躱す


バァン!


さっきまでライトの頭があった場所に、一つの弾丸が放たれ、オオカミに向かっていった。


避けれるわけなくオオカミの頭に命中し、一発で頭を吹き飛ばし、体だけがそこに落ちた。


ライト「た...助かった...」


シュヴェル「お怪我はありませんか?」

煙が出ている銃口を下げ、背中に掛けてライトに駆け寄る


ライト「おかげでな...ほんと頼りになるぜ。」

ライトは体勢を直し、体だけのオオカミを見た。


ライト「しっかしエリートだって...?俺が想像してた以上に恐ろしいもんだったな...」


シュヴェル「ギルドからの討伐依頼が出るほどですから...」


ライト「俺1人だったらどうなってたか...考えたく無いな。」


シュヴェル「安心してください。僕が必ずお守りしますので。」


ライト「今のを見た後だと頼もしい限りだな。ん、そろそろ行こう。このペースじゃもっと時間がかかっちまう。」


シュヴェル「そうですね。」


そういうと、少し急ぐように再び平原を歩み始めた。


少しした後...


ライト「はぁ〜〜早くあいつらに会いたいと思うなんてな...」

ため息をつきながらそう呟いた。


シュヴェル「どなたか待っている方が居るのですか?」


ライト「んぁ?いいや、待ってるってか、俺の友達だな。村にいた時は毎日というほど遊んでたんだ。それが日常だったからな。今となっちゃ前の話だが。」

明るく話しながらも、少し寂しそうな顔をしていた。


シュヴェル「ご友人でしたか...元気だといいですね。」


ライト「無くなってから分かる物って本当にあるんだな...シュヴェルにも友達とかいっぱい居ただろ?そいつらと別れる時は悲しいと思わなかったか?」


少し申し訳なさそうに話し始める

シュヴェル「えっと...友達と言えるような方は...1人しか居なくて...ですが、大切なものを失う感覚は...痛いほどにわかります。」


ライト「へぇ...友達少なかったんだな?意外だ。シュヴェルみたいに優しい奴だったら多そうだと思ったんだが...何か理由でもあんのか?」


シュヴェルは耳を少し触りながら語る

シュヴェル「この見た目のせいで...周りからは異端者扱いされ、話しかけられるような環境ではなかったんです...」


ライト「...そんなひどいことを...って思ったんだが、俺も最初驚いちゃったしな...」


シュヴェル「大丈夫です。至極真っ当な感想ですし、僕も慣れているので卑下なさらないでください...」


話しながら歩いていると、いつのまにか陽が落ち、あたりが暗くなり始めていた。


ライト「っと、そろそろ潮時だな。ここらで一夜過ごすとするか。」


シュヴェル「そうですね。」


ライトは持っていた荷物を下ろし、いくつかの木片を出して、火をつける。

陽が落ち、月が昇る夜に、一つの焚き火が暗闇を照らしていた。


ライト「腹減ったな、飯にしようぜ。」


シュヴェル「分かりました。」


ライトは荷物を漁り、いくつかの食材を取り出して棒に刺し、焚き火で焼き始める。


ライト「食卓に並ぶ飯も好きだが、こうやって自分で焼いた質素な飯も乙なもんだと思うんだよな。よし。焼けた。シュヴェルも食うか?」


シュヴェル「いえ、僕にはこれがあるので大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」


そういうとシュヴェルは小さなクラッカーの袋を取り出した。


ライト「これって...もしかしてそのクラッカーだけか?」


シュヴェル「はい。僕にはこれくらいが十分です。」


ライト「...親父が俺に腹一杯食わせようとしてた理由がわかった気がするわ...」


ライトはそういうと、一つの串焼きをシュヴェルの前に差し出す。


ライト「ほら。やるよ。俺らみてぇな子供はいっぱい飯食ったほうがいいらしいしな。」


シュヴェル「...ですが...ライトさんの分が少なくなってしまうので...お気持ちだけ受け取らせていただきます。」


ライト「...そうだな...じゃあ、そのクラッカー一つくれないか?」


シュヴェル「え...?はい。どうぞ...?美味しく無いと思いますよ?」


ライト「ありがと、じゃあお返しだ」

再び串焼きを差し出す


シュヴェル「えっと...それは...」


ライト「俺はお前から貰ったんだから、シュヴェルも一つ貰ってくれよ。」


シュヴェル「ですが...」


ライト「ほら、これでおあいこだろ?」


シュヴェル「...僕がもらう筋合いはないと思います。」


ライト「どうしてそう思うんだ?俺はお前からものを貰ったんだから。俺はお前にものを渡すのが義理だろ?」


シュヴェル「僕がみなさんが望むことをするのは当然のことなので...お返しをする必要は無いですよ。」


ライト「ふーん...じゃあこう言えばいいのか?受け取れ。」


シュヴェル「そう言うわけでは...」


ライト「ならもう素直に受け取ってくれよ、助け合いだろ?」


シュヴェル「...分かりました。」


ライト「そうそう、貰ってくれ、俺はそのほうが嬉しいからな。」


そう言いながらシュヴェルからもらったクラッカーを口にする。


顔を顰める


ライト「...?なんだこれ??味がしねぇ、味覚壊れたか?」


シュヴェル「味はついてないので、味がしないのが正常ですよ。」


ライト「マジかよ...」


シュヴェルももらった串焼きを食べる。


シュヴェル「あつっ...」

あまりの熱さに思わず口から話す


ライト「焼きたてだからな、熱いほうが美味いぞ?」


シュヴェル「...そうですね。」

少し冷ましてからもう一度口に運び、ゆっくりと食べる


すっかり月が上り、夜も深くなってきた。


ライト「俺はそろそろ寝させてもらうかな。シュヴェルは?」

あくびをしながら寝る支度を進める


シュヴェル「僕も...少ししたら寝ると思います。」


ライト「そうか、それじゃあおやすみ。また明日。」


シュヴェル「はい...おやすみなさい。」


ライトはすぐに寝てしまった。


シュヴェル(...あんなことがありましたもんね...お疲れだったのでしょう。)


焚き火の火の粉が舞う音が、夜の静寂の中で奏で続けている。


その中でシュヴェルは、静かに銃の手入れをしていた。


つづく。

今回も読んでくれてありがとう。

何かキャラクターについて知りたいこととかがあったら聞いてくれれば、

それを前書きに書いたりするよ。

聞き方は感想のところでも、メッセージでもなんでも待ってます。

楽しんでくれたら嬉しいな。


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