Prologue
えー、まだまだ至らない点が多いかと思いますので、感想・意見・指摘等あればお願いしたいのですが、それを頼める立ち位置に達していないため、この前書きは呟きとして受け取って下さいませ。では本編へ。
しくじった。
まさかこの古い書店に、新たに監視カメラが設置されていたとは知らなかった。
先月盗んだことがばれて、セキュリティを強化したのか? 早過ぎるだろ。
「この部屋で少し待ってて」
眼鏡をかけた老人は、俺を個室へと案内した。といっても半分は倉庫のような感じで、周りはダンボール箱だらけだ。
盗みをはたらいた俺を、この部屋に連れて来るなんて、甘いんだか厳しいんだかさっぱり分からん。だが流石の俺も、この状況で盗むほどの馬鹿じゃない。
老人が部屋から出て鍵を閉めたのを確認し、中央にある椅子に座った。
ポケットから携帯電話を取り出し、隙を潰していると、数分したところで、個室の扉が開いた。慌てて携帯をしまい、椅子に深く座り直す。
中に入ってきたのは、全身黒ずくめのヤクザみたいな男だった。目の上にある切り傷が、俺の肝を潰す。こ、殺される。
「そんな脅えなくていいから」
男の声は予想外に優しく、まるで父親でもあるかのような親しさだった。
「実は訳あって、あんたにやってもらいたいことがあんねん」
いや、盗みのことじゃないんすか?
「んなちっちゃいことはどうでもええ」
よく分からない俺は、ヤクザ男の説明をただ聞くしかなかった。
「ワイの名は菊治。ナビゲーターという仕事をやってんねや」
はぁ、ナビゲーターね。全然そうは見えませんけど。
「ナビゲーターゆうのは、まぁその人の人生を先導することが仕事や。ただその選ばれる相手が厄介でな」
厄介っていうのは、俺がコソ泥だからかな?
というかこの菊治と名乗る男。もしやあれか。施設の人か。犯罪に手を染めた少年のカウンセラーってやつかな。
菊治さんの全身をもう一度見る。切り傷、オールバックの髪型、黒スーツ、刀。違うよなぁ……刀?
「今から言うことをよく聞けや。一度しか言わんし、万一馬鹿にしたら……」
菊治さんは刀を抜き、俺の首筋につける。
「体と生き別れや」
「は、はいぃ」
「よし。いいか、お前はな、主人公に選ばれたんや」
……。
やっぱりドッキリかい。
俺が頬を緩めようとしたその時、菊治さんは眼を光らせ、顔を近づける。
「冗談ちゃう言うたやろ」
刀から冷たさが伝わる。少し喉に近づいた気がして、冷や汗が止まらない。
「いえ、信じます。はい、今信じました」
「ならええわ」
菊治さんは刀をしまった。
ああこの人、頭イカレてるよ。そして俺、逮捕どころか死ぬ気がしてきた。
まだTSU〇〇YAのDVD返してないのに。