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うしろ姿しか見られない
私は、あなたのうしろ姿しか見られない。
それはいつの時代も変わらない。
小学生の頃は
遊びに行くにも、後ろからあなたを追いかけて。ついて行くのが精一杯で
中学生の頃は
部活をするあなたを、うしろから支えて。でも途中からそれも叶わなくなってしまって
あなたが高校生の頃は
初めて恋人ができて、後ろから二人を眺める事しかできなくて
あなたが大学生になった頃は
もちろん私は隣にいなくて、あなたの顔ももう思い出せなくなりそうで
ほんとは、隣で歩いて、隣で喋って、隣で笑い合って、いたかった。
今はもう叶うことはないけど
もっともっとあなたのことを知りたかった。
今も、
その小さくしたうしろ姿で、何を考えているのかな。
ごめんね。
あれから、毎日来てくれるのに。
あなたの顔、もう一度見たかった。
顔はもう思い出せないけど、うしろから見るあなたのことは、今も思い出せるよ。