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いわゆるこちらの世界のその後の続きの回
セオドアとジェフは王の執務室に着くとジェフがノックをしセオドア王子がいらっしゃいましたと伝えた。中からお入りという声が聞こえたのでジェフがドアを明けてセオドアに入室を促す。セオドアが入るのを確認するとジェフは失礼しますとそのままドアを閉めた。
「テイト子息は呼びにいってもらっただけだから」
と王はセオドアに説明した。
そして、セオドアは王の向かいのソファーに座るとすぐにお茶の準備がされた。
王の席の隣には宰相も座っていた。
「王も、宰相もなんだか疲れていますね?」
セオドアは二人の第一印象を伝えると、二人で顔を見合わせて苦笑いをした。
「ああ、後で話すけどちょっと疲れちゃった。」
王は思わず本音を漏らした。
「そうですね...。これから大変になりそうですね」
宰相は何も言わずに相づちのみ打った。
「私からも報告があるのですが、何かあったのですか?」
セオドアの話しもかなり大変だが、先に王の話しから聞くことにした。
「実は、サミュエルの事なんだが...。」
先ほどまで王とサミュエルが話していた内容をセオドアにも伝えた。
ミシェルに対しての対応があまりにも不適切だった為改めて謝罪をしたいとの事だった。
「サミュエル兄上の謝罪を私は受けますが、ミシェルに関しては彼女と二人でよく話し合ってからで良いですか?」
セオドアとしては、必要以上に会わせることはないと考えていた。
兄上を見るだけでしんどい思いをするぐらいなら謝罪なんて必要ないからだ。
「そうだな。バイヤーズ嬢には必要以上の負担をさせてしまったからね。セオドア、父親として本当に申し訳なかった」
王はセオドアに頭を下げると
「もう少し、ミシェルを守ってもらっても良かったと思うのですが」
セオドアは王に苦情を入れると宰相が
「もちろん、王も手を指し伸ばすことができましたがそれをしてしまうとサミュエル王太子の考えがもっと凝り固まってしまう可能性もあったのです。そういう意味では私も彼女には手を差し伸べなかった。王と同じです」
というと、宰相は立ち上がり
「申し訳ございませんでした」
と頭を下げた。
「宰相の謝罪は受け入れました。私のような若造にありがとうございます。」
宰相はセオドアの言葉に満足したようで再び座った。
「ところで、セオドアの執務室でなにか事件があったと聞いたが一体どうしたのだ」
王がセオドアに先ほどの騒ぎの内容を聞いてきた。
「はい、実はケイト・カイザー嬢が私の実務室で待機していたところ私とミシェルと魔王様他多数がが入室しました。ミシェルを見た瞬間にカイザー嬢にミシェルとの婚約を破棄し自分と婚約してほしいと言われました。しかし、私はミシェルとの婚約を破棄する意志がない事、カイザー嬢には私に近づかない事等を話し終えた後」
「私に向かって魔力暴走を起こしました」
その内容に二人は息を詰める。
「セオドアは、魔法でカイザー嬢の魔力暴走を阻止したのか?」
「いいえ、魔法の使用は禁止されている為残念ながらこのままカイザー嬢と共に魔力暴走を受けようと思いました」
「魔王様は干渉できぬゆえセオドア王子を助けてはくださらなかったはずですよね?」
宰相は、セオドアが無事なので疑問に思った。
「はい。私の身は、ミシェルによって守ってもらいました。魔王様は手は出されませんでしたが、私たちに魔法解禁の話はしてくださったので」
ミシェルの魔法の実力は有名だったので王と宰相は納得してくれた。
「今まで蔑ろにしてしまったのに助けられるとは、バイヤーズ卿には頭が上がらないな...。」
王は思わず呟いてしまう。
「彼女にはこれらの事件が落ち着いた後、名誉の回復を込めて褒章を与えましょう。」
宰相の提案に王は頷いた。
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