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いわゆる説明回
フロースという星の下の方にある国『メリディエス』
王様が国を治めており、貴族や爵位が存在する。
魔法にも力を入れており、魔力が強いものは王宮で務める事となる。
貴族の女性は普通はそのまま嫁ぎ先に入り家を盛り立てる事が主な仕事になるが魔法師という職業に就けば別の話になってくる。女性の地位も守られており家に入ることを良しとしない女性はこぞって魔法関連の職業につくように精進した。
彼女もそんな魔法師に憧れる女子の一人だった。
なおかつ、彼女には数百年に一人いるかいないかの魔力を持ち魔相環を出せばほぼ全ての属性が使用できると言われている色相が表示されている。
もしかすると、国で初めての女性魔法師長になるのではないかと噂されているほどだった。
彼女も魔法が大好きで学んでも学んでも尽きることのない好奇心、才能と魔力が溢れんばかりの優等生だった。
王室ももちろんそんな彼女を見逃す事はなく、第三王子の婚約者として囲い込んでいた。
彼女も魔法師としての活動ができる事が約束されていたので第三王子との婚約をすんなりと了承していた。恋だの愛だの分からない年齢だったしね。
そんな彼女に転機が訪れたのは3年前の15歳の時
いつものように魔法の授業を受けていると、生徒全員が集会場に集められる。
いわゆるダンスパーティーができる広いホールに13歳~18歳までの生徒全員が集合させられたのでかなりの人数が集まった。
巨大なスクリーンをいくつも魔法で展開されている。
いつもと違うのはスクリーンを展開している先生方が右手に魔法石を握っているということだった。
しばらくすると、巨大スクリーンからメリディエスの国王が現れる。
周囲には宰相を始め重鎮と呼ばれるお偉方が勢ぞろいしている。
そして、国王の傍には黒髪赤目の綺麗な男性が立っていた。
目ざとく見つけた生徒がかっこいいとキャーキャー騒いでいた。
先生たちに注意され全員でスクリーンに注視していると
国王が話始める
『これより、我が国にて魔法の一切に使用を禁止することを宣言する』
その言葉の意味を理解することができなかったのは
百年に一度現れる魔法師になるかもしれない予定の
ミシェル・バイヤーズ 15歳だった。
それからは本当に大変だった。無意識に使用してしまう判断力が備わっていない子どもたちへの魔力放出防止の配布、装着の義務付け、既に魔法師として働いている人々への保障等国全体が落ち着くまでしばらく時間がかかった。
魔法を使用し続けると体調不良になると言われるようになる。
でも、ミシェルは数百年に一人と呼ばれる魔力量を持つ人物、自分はそんな事になるはずがないと思っていた。しかし、周囲の生徒は次々を魔法放出防止のブレスレットやアンクレットを付けるようになる。魔力の少ない生徒から配布されていたのでミシェルの順番は最後の方だった。
先生、友達、両親、果てには婚約者の第三王子までミシェルを説得しようとがんばったがミシェルの心には響かなかった。ついに、王命まで出される始末に。
これにはミシェルの父親も逆らうことが出来ず強引にブレスレットを付けようと部屋に突入したのが先ほどの事だった。
最後までお読みいただきありがとうございました。