これなんて読むのかご存じですか?
こんにちは~ひだまりのねこです。
皆さまは、読めない単語に出会ったとき、どうしますか?
辞書で調べる? 誰かに聞く? ネットやスマホで調べる人が多いでしょうか。
私は想像して楽しむタイプです。
今日は子どもの頃にあったたわいもないお話。
子どもの頃、私は父が運転する車の車窓から景色を眺めるのが大好きだった。
車に乗るのも大好き。
だって、車に乗るときはどこかへお出かけする時だから
高速道路はワクワクする。
いつもとは違う景色とスピード。どこか未来感のある防音壁、お洒落なサービスエリア。
お墓参りに行く時と、親戚の叔父さんの家に行くときは必ず高速道路を使う。
美味しいものを食べられるとわかっているからテンションはマックスだ。
そんなドライブの途中に、必ず目に入る古い看板があった。
『富久娘』と書かれた看板だ。
幼い私は、なぜかその看板がとても好きだった。なんというのか、とても味があったのだ。
そして小学生の時、急にその看板の読み方が気になり始めた。
それまではただの景色、記号としか見えていなかったのだが、気になり始めると止まらない。
……よし、考えよう!!
まずは『富』の字、これは富山県の『と』で間違いないはずだ。だって、看板がなんか富山っぽい。
富山には行ったことはないが、なんとなくそんな感じがする。
次に『久』だが、ひさ……はなんか語呂が悪い。とひさ、とか言い辛い。
となると、『く』、もしくは『きゅう』だが、『きゅう』もひさほどではないけれど、やはりなんか違う。2文字なら『ときゅう』でもアリな気もするけれど、3文字だから、たぶん『く』だと思う。
最後に『娘』の字。
実はこの字だけはすぐにわかった。これは『じょう』で決まりだろう。
扈三娘 (こさんじょう)、孫二娘 (そんじじょう)、大好きな水滸伝の登場人物で知っていたからだ。
つまり、『富久娘』は『とくじょう』と読むのだろう。
我ながら完璧だと自画自賛する。語呂も良いし、何より上等な感じの響きが素晴らしい。
脳内で着物美人が振り返るイメージが完成し、満足げにひとりほくそ笑む。
時は経ち、大学生になった私は、久し振りに街中で『富久娘』の看板を見つけた。
懐かしさで胸がいっぱいになる。
私「ねえ、あそこに、とくじょうの看板があるよ、懐かしいね」
母「……???」
私「……? 見えないの? ほら、あの看板だって!!」
母「……もしかして、ふくむすめのこと?」
私「え……とくじょう……じゃないの……?」
この後、母にめちゃくちゃ笑われた。
おかしいな? 完璧だと思っていたんだが……顔から火が出るかと思った。
皆さまも、お遊びはほどほどにね。
ちなみに『富久娘』は日本酒の銘柄です。
私はお酒が飲めないので、残念ながら飲んだことはありませんが、飲んだことある方がいらっしゃったら、ぜひどんなお酒か教えて欲しいです。