表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

くだらない私の日常 新人なろう作家の日常妄想系エッセイ

これなんて読むのかご存じですか?


 こんにちは~ひだまりのねこです。


 皆さまは、読めない単語に出会ったとき、どうしますか?


 辞書で調べる? 誰かに聞く? ネットやスマホで調べる人が多いでしょうか。


 私は想像して楽しむタイプです。


 今日は子どもの頃にあったたわいもないお話。




 子どもの頃、私は父が運転する車の車窓から景色を眺めるのが大好きだった。


 車に乗るのも大好き。


 だって、車に乗るときはどこかへお出かけする時だから


 高速道路はワクワクする。


 いつもとは違う景色とスピード。どこか未来感のある防音壁、お洒落なサービスエリア。 


 

 お墓参りに行く時と、親戚の叔父さんの家に行くときは必ず高速道路を使う。


 美味しいものを食べられるとわかっているからテンションはマックスだ。


 

 そんなドライブの途中に、必ず目に入る古い看板があった。


 

 『富久娘』と書かれた看板だ。



 幼い私は、なぜかその看板がとても好きだった。なんというのか、とても味があったのだ。


 そして小学生の時、急にその看板の読み方が気になり始めた。


 それまではただの景色、記号としか見えていなかったのだが、気になり始めると止まらない。


 

 ……よし、考えよう!!


 まずは『富』の字、これは富山県の『と』で間違いないはずだ。だって、看板がなんか富山っぽい。


 富山には行ったことはないが、なんとなくそんな感じがする。



 次に『久』だが、ひさ……はなんか語呂が悪い。とひさ、とか言い辛い。


 となると、『く』、もしくは『きゅう』だが、『きゅう』もひさほどではないけれど、やはりなんか違う。2文字なら『ときゅう』でもアリな気もするけれど、3文字だから、たぶん『く』だと思う。


 最後に『娘』の字。


 実はこの字だけはすぐにわかった。これは『じょう』で決まりだろう。


扈三娘 (こさんじょう)、孫二娘 (そんじじょう)、大好きな水滸伝の登場人物で知っていたからだ。


 つまり、『富久娘』は『とくじょう』と読むのだろう。



 我ながら完璧だと自画自賛する。語呂も良いし、何より上等な感じの響きが素晴らしい。


 脳内で着物美人が振り返るイメージが完成し、満足げにひとりほくそ笑む。



 時は経ち、大学生になった私は、久し振りに街中で『富久娘』の看板を見つけた。


 懐かしさで胸がいっぱいになる。



 私「ねえ、あそこに、()()()()()の看板があるよ、懐かしいね」

 母「……???」


 私「……? 見えないの? ほら、あの看板だって!!」


 母「……もしかして、()()()()()のこと?」

 私「え……とくじょう……じゃないの……?」


 この後、母にめちゃくちゃ笑われた。


 おかしいな? 完璧だと思っていたんだが……顔から火が出るかと思った。



 皆さまも、お遊びはほどほどにね。


 

 ちなみに『富久娘』は日本酒の銘柄です。


 私はお酒が飲めないので、残念ながら飲んだことはありませんが、飲んだことある方がいらっしゃったら、ぜひどんなお酒か教えて欲しいです。

  


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
[一言]  ひだまりのねこさまが有閑倶楽部未読ということがよくわかりました(*´ω`*)  お酒の名前難しいのが多いですよね。
[一言]  読ませていただきました。 昔は辞書は必須だったんですけど、今はスマホで検索、検索ですね~。 本当に便利な世の中になったもんだ(笑)。 富久娘でふくむすめですかあ、私はもし初見だったら、…
[良い点] 面白いですね!!!思わずクスッとなってしまいました笑 [一言] にしても、想像力が豊かですね✨ 私も、漢字の読み方を想像したりしてみようかな笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ