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閑話:ルーク少年のご主人様観察日記8

「何故・・リディアーナなのです?」

「ふむ・・・我が息子ながら素直ではないな?では、俺が問おう、なぜリディアーナ姫では問題があると?お前にとってこれ以上良い話は無いではないか・・それともリディアーナ姫に何か不満でもあるのか?」

「いえ、不満はありません。ですがっ!」


「お前と姫が婚姻関係を結べば、アステールとの関係もより強固なものとなり、我が親友でもあるギルロイとは親戚関係になる。のう、ナディア?」

「そうですわ。私も楽しみにしていますのよ?ジェラルド・・あなたがリディアちゃんと結婚してくれたら、また可愛い娘が一人増えますわ。」


「リディアの方は、この話、納得してるのですか?」

「了解は得たとギルロイから聞いておる。」

「リディアが?」・・・あれ以来リディアにはずっと嫌われいると思っていたが・・・。

「まあ、よしんば、ギルが嘘をついていたとしても、幼馴染み一人振り向かせる事ができなくてどうする・・・のうナディア?」

「そうですわね、貴方・・・」

このくそ親父ども・・・・当てつけか?!自分の両親らは隣国アステールのギルロイ王と共に3人幼馴染みとして育ち、結婚まで至ったケースだ。

「・・・わかりましたよ。やればよいのでしょう?それでいつなんです?見合いは?」

「ああ、、明日後だ。」

「は?」

「だから・・・お前は今からすぐにアステールへ赴き、リディアーナ姫と見合いをしてくるのだ。」

「冗談・・でしょう?」

「俺が今まで、お前に向かって冗談など言った事は無かったと思うが?心配するな。用意はもう整っているし、後は出発するだけだ、なあ、ペイリュード?」


「御意に・・。王に命じられた全ての準備は整っております、ジェラルド様」

何を言っても無駄だと悟った俺は苦々しげに頭を下げると部屋を出て行くこととなった。しかもそのまま、連行されるようにアステールへ連れて行かれる。これが一国の王子に対する態度なのか?!俺の叫びも空しく響くだけだ。

部屋をでると、ルークが連れて来られていた。手際の良い事だ。ルークも何がなんだか分からない様子で唖然としている。ペイリュード候がやってきてルークに声をかけた。

「やあ、ルーク君、昨日はお世話になったねえ。急に呼び出して悪いが、君もこれからジェラルド様と一緒にアステールへ向かって欲しい。なに、もうほとんど準備は整っているからな、さあ、行った行った!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

腹をくくって、ルークと共に早馬に乗って1日半、国境の村へと辿り着いた。この国境付近の村には美しい女神が住むと言われる2国にまたがる大きな湖がある。そこにリディアーナが国王夫妻と休暇に訪れているという。御丁寧に場所までセッティングされていると言う事か・・・。

小さく息をはくと、ジェラルドは、王家が所有する別荘に足を運んだ。


執事に伴われて一歩屋敷の中に足を踏み入れると、奇妙な感覚がジェラルドを襲った。あれ・・俺は、此処に以前来た事がある?記憶力は悪い方ではないはずだが・・・。自分の覚えている限り、こんな場所に来た事は無いと思うのだが、部屋に置いてある家具の配置や、庭園の見事な薔薇には見覚えがある。何処で見たのだろう?と考え込んでいると後ろから声が響いた。

「懐かしいだろう、ジェラルド君」

ばっと振り向くと其処には、彼のアステール国王、ギルロイが、王とは思えぬ気安い姿で立ってジェラルドを眺めていた。

咄嗟の事で驚いたが、すぐに姿勢を正し、挨拶をする。

「いや、よい、ここにいある間はそういった格式張った事は忘れてゆっくりとしてくれ。」

「陛下・・・恐れながら、私めはこの場所に来た事がありましたでしょうか・・・?」恥を忍んで聞いてみる。

「おや、ジェラルド君は覚えていないのかね・・・?ふむ、仕方がなかったかもしれぬなあ、君はあの時大熱を出していたし・・・。」

その言葉にジェラルドははっと気付いた。

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