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17話:晩餐

キルケと別れた後、カイルの様子を探らせる為に連絡用の鳥を使って部下に指示を出し、しばらく城下町をぶらぶらする。夕食までにはまだ時間がある。


ーーリディアからの突然の夕食の誘い、それは何を意図しての事かジェラルドは薄々感づいていた。ユフテスに関する謎はさすがにジェラルドの手にも余る程深く複雑な様相を見せている。ジェラルド自身、最初は好奇心も手伝って調べ始めた泥沼にとっぷりと浸かってしまって居る自身に薄ら笑いを禁じ得ない。


やはり、カイルと、例の塔の事だろうな・・。リディアは昔から善くも悪くもこうと決めた事に一途で一直線だ。汚れを知らない綺麗なままのお姫様・・その白く真珠の様に美しい肌も、心も自分自身の色に染めたくなる。今なら何色にでも染まるであろう僕のリディア・・


あのお姫様は影でこそこそかぎ回ったり策略を練ったりという事柄にはあまり向いていない。きっと直球で問いかけてくるであろう。そう言った面ではまだまだ彼女は子供だ。まだ自分の本当の気持ちさえ気付く事の出来ない、塔で出会ったというカイルの双子の兄妹に、淡い想いを描いている夢見がちな子供。


「一目惚れ・・・?そんなものは幻想なんだよ・・リディア。子供がお伽噺に出てくる王子様に憧れる気持ちとさして変わりない。君の執着も何もかも全て僕が取り払ってあげる・・」ジェラルドは自分に言い聞かせる様に呟いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食卓の上には様々な料理が所狭しと並べられている。


「リディアーナ様、夕食の用意が整った様です。ジェラルド様も既にお着きになっておられます。」マリアベルがリディアを呼びに庭へやってきた。


小さくうずくまって薔薇の花に手を差し伸べていたリディアは、はっとしてまだ咲ききっていない薔薇のつぼみをむしりとる。

「姫様・・・?」

リディアは立ち上がり何も無かったかの様に振り向く。「そう、すぐに行くわ。」

さあーっと突風がリディアの足下を吹き抜けていく。手に握りしめたままの薔薇のつぼみを落とすと顔を上げまっすぐと歩きだした。



食卓に着くとリディアはジェラルドの顔をまっすぐに見つめ言った。

「こちらから御招待したのに、待たせてしまって申し訳ありません・・。」

「いや、、こちらも先ほど着いたばかりだ。気にしなくて良い。まずはこの素晴らしい夕餉に乾杯といこうじゃないか。」そういってジェラルドはクリスタル製のグラスを少し持ち上げる。


「ええ、では、今日の良き日に・・」そういってリディアも杯を掲げた。

互いの入り乱れる想いを胸に夕餉の時は幕を開けた。

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