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1-28 茨とティアナ、初めての共同作業をする

僕はキッチンへ向かうと、冷蔵庫を開ける。

するとそこには、冷凍され、真空パックに詰められたハンバーグがあった。


というのも、数日前の暇な時間に焼き、いつでも食べられる状態にして冷凍していたのである。


つまり、これを電子レンジ等使い解凍すれば、すぐにでも食卓に出せるのだが……それでは少々味気ない為、今回はハンバーグはハンバーグでも、煮込みハンバーグにする事にした。


ティアナに調理器具の使い方を教えつつ、早速作っていく。


今回はハンバーグの他に、味噌汁、ご飯、サラダを用意する予定である。


異世界でも包丁に近いものが存在するという事で、ティアナには具材を切る作業を一任し、早速僕は調理を開始する。


まずはハンバーグをレンジで軽く解凍。

その間に鍋に水を汲み、火にかける。


ここでチラと横を見れば、ティアナは玉ねぎを切っているようである。

少々心配していたが、どうやら刃物の扱いは問題ないようで、順調に切り進めている。


……うん、これなら大丈夫かな。


僕は1人頷くと、再び調理に戻ろうとし──


「い、茨っ! 目が! 目が痛いわ!」


ここで突如、ティアナが声を上げた。


そちらへと目を向けると、そこには玉ねぎにやられたのか、目をギュッと瞑り、涙を流すティアナの姿があった。


……あー、防ぎきれなかったか。


包丁の切れ味も悪くないし、換気もしている。しかしそれでも、玉ねぎの脅威を防ぐ事はできなかったようである。


……んー、先に軽く火を通すべきだったな。


「大丈夫だよ。ほら、これで洗って」


僕は反省しつつ、水を出し、ティアナに目を洗うよう伝える。

ティアナはそれに従って目を洗い、少しして痛みが治ったのだろう、ふぅと小さく息を吐いた。


「……死ぬかと思ったわ」


「ごめん。先に言っておくべきだったね」


「これは……?」


「玉ねぎって言う野菜でね、詳しい事は省略するけど、切ると目が染みるんだよね」


「恐ろしい食べ物ね……」


「ははは。けど味は凄く美味しくてね、火を通すと凄く甘くなるんだ。今日も火を通したのが食卓に並ぶよ」


「へぇ。それは楽しみね」


言ってティアナは小さく微笑んだ。


その後、僕達はすぐさま調理を再開した。


とは言ってもそう大した事はない。


ティアナが切ってくれた玉ねぎを鍋に入れ、火が通った所で、だし、味噌、ワカメ、豆腐を加え、ごく一般的な味噌汁が完成。


その隣のコンロでは、ある程度解凍したハンバーグを、市販の煮込みハンバーグ用デミグラスソースと共にグツグツと煮込み、完成間近。


ティアナの方もサラダ用の野菜の下処理が終わったようで、既に盛り付けに入っている。


……さて、テーブルの支度でもするか。


テーブルを水拭きした後、お茶やご飯、箸などを並べていく。


「茨、サラダができたわ」


「はいよ。ありがとう」


「えぇ。他には何かあるかしら」


「んーあとは盛り付けるだけだし、僕に任せて、ティアナは少しだけモフ子と遊んであげて」


「わかったわ」


言いながらティアナは頷き、


「モフ子様〜」


と楽しげにモフ子の元へと向かった。


……んじゃ、こちらも終わらせますか。


僕は1人頷くと、料理を盛り付け、テーブルへと並べていった。



「よし」


テーブル上には僕達の、テーブル近くの床にはモフ子の夕食が置かれている。

これにて準備完了である。


「ティアナ、モフ子、ご飯だよー」


「ワフッ!」


ご飯という言葉にいち早く反応したモフ子がこちらへとやってくる。……勿論、空を駆けながらである。


……いや、どんだけ気に入ってるんだ。


苦笑する僕の元に、ティアナもやってくる。そして、僕が手で示した席──僕の向かいの席へと腰掛ける。


それを目にしたモフ子は、僕達に倣うように、床に置かれたモフ子用ごはんの前でお座りをする。


その姿に相変わらず賢いなぁと思いつつ、僕は口を開く。


「……さて、それじゃ冷める前に食べちゃうか」


一拍空け、


「いただきます」


「ワフッ!」


「……いただきます」


僕とモフ子に続くようにティアナが声を上げ、夕食の時間が始まった。

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