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1-4 大魔法祭に向けて


「おはよう、みなさん。もうすぐ大魔法祭があることを知っているかしら?うちのクラスからはアイザ君、ヒロト君、オウガ君の三人がエントリーしているわ!応援してあげてね!ところで前回の授業の時に言うのを忘れていたけれど、属性魔法は自分のイメージしたとおりに出すことができるのよ。だからそのイメージの魔法を出すには、そのイメージにぴったりの名前を付けるといいわよ!例えば以前見せた私の『腐蝕(コロージョン)』なんかもそうね。腐らせる感じの魔法だから『腐蝕(コロージョン)』にしたのよ。だからみんなもそんな感じのビビットきた名前を付けてね。さて、今日の授業は、体術の勉強ね!早速実技場に移動しましょうか。では並んでください。」


相変わらずこの先生の話は長い。いつか誰か寝てしまうんじゃないだろうか?とりあえず並ぶ。


「なぁアイザ。どういう組み合わせでエントリーしたんだ?」


「俺とヒロトのペアと、お前とライラとペアでエントリーしておいたぞ!」


「嘘だろ!あいつと戦うのだけはごめんだ。それならまだ魔法の使い方を知らないヒロトの方が断然いい。」


二番目に嫌という事だろうか。


「そこの三人、早く並んで。」


「「はーい。」」


二人に続いて並ぶ。


「それではいきますよ、『瞬間移動(テレポート)』」


一瞬で実技場についた。


「実は『瞬間移動(テレポート)』も基本魔法の一つなんですよ!知ってましたか?どうでもいいですね!まず一つわかっていてほしいのが、体術は大事ですよ。例えばダンジョンの中で魔力切れになり、しかもポーションもなかったらどうしますか?一番は逃げるべきですが、あるていど倒せそうな魔物なら倒したいわよね?そういう時に体術は役に立つの。魔力回復の時間稼ぎにも使えるし、頑張って訓練しておけばある程度なら倒せるから結構大事なのよ。ということで、かかしに向かって殴ったりなんだりしてください!」


ダンジョンにポーションもあるのか。感心しつつ、とりあえず手近なかかしの近くに立った。


「それでは始めてください!」


掛け声と同時にみんな一斉に殴ったりし始めた。俺も殴ってみた。思ったより硬くて痛かった。続けていたら手がヒリヒリしてきた。

一時間ほど休憩しながら殴ったり蹴ったりしたとき、


「それでは、今日はもうみんな帰っていいわよ!放課後はここを開放してあるから、良かったら練習に使ってね!では、解散です。ここを使う人はもう使い始めていいですよ。」


みんな帰り始めた。アイザが近づいてきて、


「今、ライラも呼んどいたから四人で練習しようぜ!」


「ありがとう。じゃあ魔法の練習しようよ。」


「俺は体術の練習しとく。」


「オウガは?」


「試したいことがあるからあとでな。」


どうしようか。一人でどうにかするか。確か構えて詠唱すればいいんだっけ?やってみるか。


「『水球(アクアボール)』」


唱えた瞬間にかかしに水の玉がぶつかる。かかしが濡れた。もしかしてすっごく弱いんじゃないんだろうか。ほかにも試してみよう。


「『熱湯(ボイリングウォーター)』」


手が少し熱かった。多分食らうととても熱い。


「『水の剣(アクアソード)』」


水の剣が出てきた。切れるのだらうか?かかしに切りかかると、難なく切れた。便利だが危ない。というか魔法で武器も出せるらしい。

何となく安心してきた。武器を出していいなら何とか戦えそうだ。その後も、壊れたかかしにいろいろ試していると、

キーンコーンカーンコーン


「最終下校時刻になりました。校舎内にいる生徒は、速やかに校舎を出ましょう。繰り返します。…」


どうやら帰らなければいけないようだ。気づいたらアイザ以外の二人が歩いてきていた。


「なんだ、魔法使えてるじゃない。ネーミングセンス最悪だけど。」


だって思いつかないんだもん。でも確かにダサい名前つけたかもしれない。


「ライチライチよってこうぜ。」


「今何時?」


「十六時だから、店は開いてると思うぞ。」


「そういえば、アイザはどこ行ったの?」


「おーい!」


アイザが大声を出しながら走ってきた。


「噂をしてたら来たわね。」


「来たわねとかじゃねぇぞ!大変だぞこれは!」


「いいから落ち着けよ。」


「何があったの?」


「大魔法祭がもうすぐって先生が言ってたからいつだか気になって聞いてきたんだ。そしたら、次の休日だって言ってたんだ。」


「次の休日って二十日後位じゃねぇかよ。」


「それの何が大変なのよ。」


「いや、次の休日は確か」


「そうだ。三日後だ。」


「「三日後⁉」」


「やべぇじゃねぇかよ、どーすんだよ?」


「だから言ってんだろ?学園の近くの無料で使える実技場で特訓だ!行くぞ!」


「でも今から行くと間に合わないかも。」


「心配ねぇ、この先生にもらった玉を使う。『瞬間移動(テレポート)』」


一瞬で受け付け室のような場所に着いた。受け付け人は対して驚いていないようだ。この時期はよくあるのかな?


「今から四人で使えますか?」


「えっと、ちょっと待っててくださいね。」


カタカタカタカタカタカタ…


「OKです!十七時に呼びに行きますのでそれまでは自由にお使いください。」


「ありがとうございます!じゃあみんな、練習するわよ!」


「「「おー!」」」


「なぁ、どうせなら合体技とかやってみねぇ?」


合体技か、なんか楽しそうだ。


「でも魔法が何属性か教えてくれないとできなくない?」


「何も魔法を合体するんじゃない、言うならばコンビネーション技だ!お前が水で敵を惑わしたりしてるすきに俺が殴る!ケガしたらお前が回復する!そういうことだ!」


「はぁ。」


やっぱりこいつは無茶苦茶だ。というか動くかかしでもないと練習できないし。


「こっちに動くかかしのエリアがあるから早く来いよ!」


あるのね。


「しかもここのかかしは、ボタンを押すと攻撃してくるんだぞぉ。」


高性能!


「行くぞー、ぽちっとな。」


ドーン!

アイザがかかしに吹っ飛ばされた!


「大丈夫⁉」


「大丈夫だ!ただ、今の衝撃でほかのかかし全部起動しちゃった。てへ!」


「かわいくない!このエリアのかかし全部って事は三十体のかかしが襲ってくるってことじゃん!逃げないと!」


「何言ってんだ。勝てないヤツに戦いを挑んでこその訓練だろ。」


「いいこと言ってるかもしんないけど本当に勝ち目なさそうだから!」


そんなことを言ってる間にどんどんかかしが迫ってくる。とっさにアイザの手をつかんでエリアから出ると、かかしは元の位置に整列し、何事もなかったかのように動かなくなった。


「あの、十七時なので出ていただけませんか?」


「もう⁉何もしてないぞ。」


誰のせいだよ。


「ほかのお二方は出てらっしゃるので。」


「わかりました。」


そう言って受け付け室に戻ると二人が心配そうに見てきた。


「大丈夫?ヒロト、すっごく疲れた顔してるよ。」


「それにスゲー音してたけど、大丈夫だったのか?」


「おう!俺もヒロトもケガ一つないぜ!とりあえずライチライチ行こうぜ!」


「そうね、とりあえずコーヒー飲みたいもの。」


そういってライチライチに歩き出す。


「そういえばあの玉何だったんだ?」


「あれか?普通に文具店で売ってるらしいぞ。玉がたくさん置いてあるコーナーあっただろ?あそこに基本魔法を使える玉が置いてあるんだってよ。」


「便利そうね。今度私も買おう。」


この後、ライチライチでは、パンケーキとコーヒー一杯で、実技場でかかしに襲われた話などで盛り上がり、一時間ほど居座り続けた。三日前にこんなんで大丈夫なんだろうか。


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