1-1 異世界にて
「うぅ、あれっ、いきてる?」
「おいっ、大丈夫か?いきなり倒れたから俺が殴ったと思われたじゃねえかー」
いきなり目の前に現れたのは、銀髪のショートヘアの同い年ぐらいの男子だ。
「すいません。ところでここは?」
「倒れるとき頭打ったのか?ここは私立魔法学園プロメテウス学園、略してP学だぞ!お前もしかして転校生か?」
全く話についていけない、とりあえず日本語が通じることと知らない場所ということしかわからない。めんどくさそうだから話し合わせとこう。
「そ、そうだよ。俺は転校生だよ。キンチョーしすぎて忘れてたハハハハハ。」
「そうかそうか、やっぱりそうなんだな!俺の目に狂いはなかった!今からお前は親友DA!」
「親友はいいけど名前まだ聞いてないんだけど?」
「俺はアイザ・スノウだ!よろしくな!」
どうしようか、めっちゃ外国人ぽい名前。そのまま名乗るのもよろしくなさそうだ。まず名前を前に出して、名字は外国人ぽくしよう!
「俺はヒロト・マリン、よろしく。」
「いい名前じゃん!じゃあ早速学園長に会わなきゃな。ついてこい!」
俺はいわれるがままについていった。なんだこれ?死んだと思ったら訳の分からない男子に魔法学園だのなんだの言われ、今日は普通じゃないことが一気におきてる。とか考えてる間になんか着いたっぽい。
「ここは?」
「学園長室だ!」
コンコンコンコンコンコン!
めっちゃたたくやん。
「失礼します!」
「アイザ!ノックは二回くらいでよいといつも言っておるだろ!」
「めんごめんご、それより聞いてくれよ!転校生だぜ!」
「おお、そうかそうか。中に入れ。」
中に入ると、白髪の大きな(いろんな意味で)老人が立っていた。
「ようこそわがプロメテウス学園へ。ワシは学園長のロイド・プロメテウスだ。よろしくたのむぞ。」
「俺はヒロト・マリンです。」
「突然悪いが、おぬし異世界から来たので合ってるな?」
「え!?なぜ知ってるんですか?」
「なぜも何もこの学園の転校生は異世界からしか来んぞ。」
「そうだったんですか。ちなみに何人くらいいるんですか?」
「おぬしが初めてだが、古文書にそう書いてあるからだぞ。」
「は、はぁ。」
この世界はまともな人はいないのだろうか?無茶苦茶すぎる。初めてのことでもさも当たり前のように、しかも胡散臭い古文書を根拠に言ってくるなんて。
「今日が入学式だったから明日から授業に参加するといい。ちなみに寮の部屋はもう割り振っているから安心しなさい。同じクラスのものと同じ部屋だから。」
「分かりました。」
「んじゃ、俺が寮までついてってやるよ!」
「安心しろ、アイザとは違う部屋じゃ。」
ありがたい。こんなのと一緒に四六時中いると多分三日で死ぬ。
「でもクラスは同じじゃ。」
ガッデム!
「じゃ、行くぞ!」
同じ部屋のやつ、まともだといいな。じゃなきゃ死ぬ、今度こそ死ぬ。てか今思ったけど俺、魔法使えんのか?ましてやこの世界の文字読めんのか?考えれば考えるほど不安になってくる。
「おい、おーい、ついたぞ。」
「えっ、あぁ、ありがと。」
「お前大丈夫か?さっきからボーッとしすぎだぞ。じゃ、なんかあったら連絡しろよ。」
「どうやって?」
「あっ、そっか、連絡先交換してなかったか。プロホ持ってんだろ?」
「プロホ?」
なんだそれは。このスマホみたいなやつか?
「これ?」
「それそれ。ちょっと貸せ。ここをこーしてあーしてっと。おけい!」
ピロリン!
「なんだこれ?」
「こうやってメール送ったり、あとは電話もできるぜ!」
「じゃあ今日は部屋に戻れ!明日の朝迎えに来るからな!またな!」
こなくていいぞー。そういえば今日入学式なのになぜ学園長は「いつも」言っていると言ったんだろうか?まさか親戚?そんなわけないか。普通に間違っただけだろう。とりあえず部屋に入ろう。
「失礼します。」
「あぁ?なんだてめぇ、勝手に人の部屋入ってきやがって。」
やばいのキター!赤い髪の不良的なヤツがいるー!学園長なんでこんなのと同じ部屋にしたの⁉とりあえず話してみるしかない!
「えっと、転校生のヒロト・マリンです。学園長にこの部屋だといわれまして。」
「あぁ、連絡にあったやつか、連絡通り特徴のないフツーなヤツだな!俺はオウガ・ラーナーだ。」
以外に普通の人だった。
「俺は上で寝るから。朝起こしてくれ。おやすみ。」
寝た!そういえば、今俺はどんな見た目なんだろうか。鏡を見てみよう。…青い髪の普通の少年だ。こっちの世界でも普通なのか。まぁどうでもいいか!確か六時に起きればよかったはず。頑張って起きよう!今日はもう疲れたし、寝るとするか。