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拝啓、終末の僕らへ  作者: 仁乃 戀
第二章
39/79

クラスの人気者

 「えー、というわけで、成績通知表を配っていくから、出席番号順に来いよ。 …………秀才カップルさん、ここではハグとかキスとかしてもらっちゃ困るので……」

 「「しませんよ!!」」

 「……それはフリ的な何かと捉えても?」

 「「違います!!」」


 休憩の時間も終わり、最後に通知表が配られる。

 普段なら、なんとも思わないんだが……。


 ……視線が、痛い。

 それは何故か。

 理由は単純明快、さっき掲示板で起こった出来事のせいだ。


 僕は明梨が好きだ。

 だから、明梨が何を思ったか抱きついてきたときは、いっそのことこのまま死んでも良いと思うくらいの幸せだったと断言できる。


 しかし、突然の出来事。

 前を向いていた生徒たちが気付かないはずもない。

 ただでさえ良い成績をとっているから注目されていたところに、イチャイチャしてるところを見せてしまった……。

 付き合ってもないのにだ。


 おかげで、瞬く間に噂が広まってしまったようだ。

 チャイムが鳴っても生徒が騒ぎっぱなしだから、先生も座らせるのに苦労していたみたいだった。

 一部始終を見ていた澤谷先生も、


 「あんな人がいた中でよくできたな。 秀才カップルさん?」


 とまで言われ、軽い騒動を起こしたことに形だけとはいえ注意を受けた。

 教室に帰ってきても明梨は女子に囲まれ、質問責めにあっていたみたいだ。

 それこそまるで有名人にたかるマスコミのように。


 そんな彼女とは対照的に、僕は殺意や憎悪に満ちた眼差しが四方八方から浴びせられ、メンタルに甚大な被害を負っていた。

 また、他の男子生徒から反感を買う羽目になってしまったようだ……。


 


 「それじゃ、次会うときは宿泊行事のときだな。 風邪とか引かないように!」


 そう言って、いつも通り号令をして解散。

 今日は明梨と玲でまた駅前のカフェに行くという話だったが……。


 「ねえねえ明梨ってさ、友潟君のこと、好きなの!?」

 「実際さ、いつも仲良くしてるんだし、そこんとこどーなの?」

 「友潟君、最近イメチェンしていいカンジになったよね! 明梨のこと、意識してるんじゃないの?」


 解散したはずなのに、女子に関しては一向に帰る気配が感じられない。

 号令がかかってすぐに明梨が囲まれた。

 流石クラスの人気者だ。


 どうしようか、先にカフェに行って待ってるのも選択肢としてはありだと思う。

 席もすぐに埋まるし……。

 そんなことを考えていると、なんの事情も知らなそうな玲が入ってきた。


 「優~! ……え? 何か起きたの?」

 「あー、今明梨は女子から大人気だから、先に行って席取っておこう。 な?」


 そう言って明梨の方を見るが、やはり女子もすぐに帰してくれそうにない。

 あそこまで質問責めに遭っているのを見てると、流石にかわいそうに思えてきた。

 先に行くとはいえ、明梨を置いていくという形になってしまうのは気が引ける。

 声をかけたら変わるだろうか。


 「明梨!」


 考えることもせず、彼女の名前を呼ぶ。

 すると、彼女を取り囲んでいた女子が、一斉に僕のことを見てくる。


 やばい。

 なんか言われるか……?


 勝手に身構えていると、女子たちは僕の予想とは違った行動をとった。


 「ほら、彼氏さんが呼んでるよ?」

 「行ってあげなよ、彼女さん!」

 「だから違うってー…………」


 何故か知らないが、女子はすんなり道を開けて彼女を通してくれた。

 明梨はやけに疲れた様子だったが、僕らの前では笑顔で


 「ごめん、行こっか」


 とだけ言って、足早に教室を出て行ってしまった。

いつも読んでくださりありがとうございます!

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