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拝啓、終末の僕らへ  作者: 仁乃 戀
第一章
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高鳴る気持ち

 朝が来た。

 清々しい朝だ。

 夜型の生活をしているため、朝起きるのは苦手だが、今日はすぐに目が覚めた。

 なんせ、今日は高校の入学式だ。


 中学ではクラスの人から「暗い」だの「陰キャラ」だの言われ、友達が少なかった。

 というか、実質いないようなものだった。

 週末、基本的に暇だった僕は誰も遊びに誘わず、誰からも誘われず、1人で本を読んでいた。

 1人でいたとはいえ、家にずっと引きこもっていたわけではない。

 むしろ外に出るのは好きな方だ。

 ただ単に、人の輪に入ることに苦手意識があっただけだ。


 でも、これから通う高校は東京都内の高校だ。

 電車で1本とはいえ、それなりに距離はあるし、何せ偏差値がそこそこ高い進学校だから、同じ中学で僕と同じ高校に行く人はいないだろう。

 だから、高校生活ではもっとアクティブに生活していくようにするんだ。


 いわゆる、高校デビュー。


 そのためには入学からの約1ヶ月が大事だ。

 ここで良い印象を与えておけば、そこから先も充実した生活が送れるだろう。

 逆にまた暗いイメージを持たれてしまったら……。

 まあ、今は考えないでおこう。

 色々な事を考えながら、荷物の準備をし、下に降りる。


 机の上には、ラップされた味噌汁に目玉焼き、ご飯が並んでいた。

 母は、朝早くから仕事に出ているから、朝食は基本的に1人だ。

 仕事の都合で、帰ってくるのもかなり遅い方だと思う。

 そういう事情があって、僕が晩ご飯を作ることが多い。

 父は、僕が物心つく前に離婚していたから、もちろんこの家にはいないし、誰かもわからない。

 生活に特別困っているというわけではないから、そこまで働かなくてもいいのだが、母が言うには、「なんか、仕事が好きになっちゃったんだろうね。 もちろん嫌なことは多少あるけど、結構楽しいんだよ」とのことらしい。

 僕がそれで損することは何もないから、僕自身気にしていない。


 いつも通り食事を済ませて、制服を着る。

 制服を着ると、新しい自分に生まれ変わったような気がした。

 落ち着かなくて鏡を見る。

 3年間着ることを見越して買ったため、今の僕には少し大きい。

 これから3年間でこの制服も小さく感じるようになるのかと思うと、ワクワクが止まらない。


 まだ予定の時間より少し早いが、早く着いて困ることはないので、スクールバックを持って自分以外に誰もいない家に元気よく『行ってきます!!』と言ってドアに手をかける。

 入学式のことを考えると緊張するが、高鳴る気持ちに任せてドアを開ける。


 ここから、新しい世界だ。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

もしよろしければ感想や評価をしていただけると嬉しいです(*'▽'*)

いただいた感想はしっかり受け止めて作品をより良くしていきます。


また、現在アルファポリスにて恋愛小説大賞に応募中です!

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