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拝啓、終末の僕らへ  作者: 仁乃 戀
第一章
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至福のひととき

 「はぁ~…………なんて憂鬱な日だろう……」


 朝起きると思わずため息をついて、独り言を言ってしまった。

 いくら僕が悪いとはいえ、1週間経ってからまたちゃんと話すのは正直嫌だ。

 しかも1対1ならまだしも、玲もいるから2対1だ。

 しかも女子。

 おまけに2人とも学校で男子から圧倒的な人気を誇るほどかわいいときた。


 ……考えただけで胃に穴が空きそうだ。


 憂鬱な気持ちになりながら階段を降り、リビングに向かう。

 玄関のところに母の靴が置いてあったから、今日は珍しく家にいるようだ。

 そして当の本人はどこにいるのかというと……まだ寝室だ。

 こういう日は大体12時まで起きてこないため、僕が朝ごはんを用意する必要はない。


 1度、母のためにと朝ごはんを作って起こしに行ったが、全く起きなかったということがある。

 その後母が起きてから声をかけたが、『え、私のために作ってくれたの!? わざわざごめんね。 気持ちは嬉しいんだけど、いつもこうしてもらっちゃうと悪いし、朝食の分は間食で補うから大丈夫よ』と言われてしまった。

 彼女も異常なほど働いているから、睡眠不足になってしまっているのだろうが、仕事が好きになってしまったものだから仕方がないと割り切っている。


 手慣れたように朝食を作り、テレビをつける。


『ここが現場です! 目撃者の証言では…………』


 ぼーっとニュースを見ていると、奇妙なトピックを見つけた。

 何か殺人事件か何かと思ったが、どうやら違うらしい。

 テロップには『住宅地で起きた神隠し 周辺住民は』と書かれている。

 全く馬鹿げた話だ。

 なにも朝のニュースでやるような内容ではないだろう。

 僕は都市伝説だとか、オカルトだとかいう部類には全く興味はない。

 UFOも地球外生命体も全部ネタにするための嘘だと思っている。

 科学的に立証したり、証拠を押さえたりしてから言ってもらいたいものだ。

 異変があった場所はここの近くだが、特に気にすることはないだろう。


 普段通り朝食を食べ、片付けをし、出る支度をする。

 メッセージが来ていないから、特に予定が変わったわけでもないだろう。

 ドアを開け、外に出る。

 今日は一日中雨らしく、重く冷たい空気がのしかかってきた。

 ネガティヴな気持ちになるのはよくないと思い、気持ちを切り替えて歩き始めた。




 予定の時間よりかなり早く着いて、駅前の大きい本屋に入る。

 特に何かを買う予定が無くても、本屋で新しく出た本などを探していると暇つぶしになるし、面白い本に出会うことも沢山ある。

 こうしている時間は一種の幸せでもあり、至福のひとときだと感じる。

 誰にも邪魔されない、最高の時間。

 ……だと思っていたのだが。


 「「…………えっ」」


 気付けば、目の前に長い髪を下ろしている、よく見知った美少女が立っていた。

いつも読んでくださりありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、是非ブックマークや評価をしたり、感想を送ってくださるとすごく嬉しいです!


また、アルファポリスにて恋愛小説大賞に参加中です!

良かったらそちらもよろしくお願いします!

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