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拝啓、終末の僕らへ  作者: 仁乃 戀
第一章
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文字だけの会話

 明梨や玲と連絡を取らなくなってから1週間が経った。

 その間、学校では最低限の会話しかしていない。

 特に、明梨とは同じクラスではあるが全く会話をしていない。

 ときどき目が合うが、すぐに逸らしてしまう。

 昼休みも、前のように彼女たちと集まることもなく、1人で過ごしていた。


 一度文芸部にも顔を出したが、それ以来参加していない。

 行く気が起きなかったからだ。

 1学期中間試験も再来週に迫ってきているので、来週は部活が休みになる。

 仮入部期間中に1回は参加したから問題はないが、試験後に部活動が再開したら、すこし行きづらい感じはする。

 まあ、それ自体は今特に気にしているわけではないが。


 何を気にしているのかというと、2人に謝ることだった。

 いつ謝ろうか、ずっと迷っている。

 最初に食堂で食べるとき、2人とは連絡先を交換したからメッセージ1つで済む話ではある。

 しかし、あのようなことを突然言い放って出て行った僕がメッセージ1つ送っただけでは、彼女たちは納得しないだろう。

 彼女たちの立場になって考えると、僕だって納得しない。

 やはり、謝るならもう一度ちゃんと会って謝るべきだろうか。


 そう思っていると、スマホが鳴る。

 何かと思えば、明梨からメッセージが送られてきていた。


 〈突然ごめんね。 明日、空いてる?〉


 本当に突然だ。

 多分、先週のカフェでの出来事について話したいのだろう。

 同じことを考えていた僕にとっては都合が良い。

 にしても、明梨と玲と僕のグループもあるが、敢えて僕に個別で送ったのは何故だろう。

 明日は日曜日だし、玲は別の用事があるのだろうか。


 〈うん。 空いてる。 先週は、本当にごめん〉


 ひとまず謝っておく。

 出来ることならメッセージでは深いところまで話したくはないが……。

 そう思っていると、彼女から返信がきた。


 〈そう。 大丈夫。 もう一度、玲と3人で集まって話そうよ。 学校では全然話してないから〉

 〈わかった。 時間と場所はどうする?〉

 〈場所は、この前と同じカフェにしよ。 時間だけど、私は1日空いてるから、いつでもいいよ。 優は?〉

 〈僕も空いてるから、いつでもいいよ〉

 〈わかった。 玲に時間を聞いてみるから、決まったら、また連絡するね〉


 1週間前と大違いだ。

 彼女はメッセージでやりとりをするときによくかわいい猫のスタンプを使っていた。

 それに比べて今の会話では猫のスタンプはおろか、顔文字さえ入れていない。

 やはり、大丈夫と言ったとはいえ、先週の僕の行動に対して怒っているのだろう。

 彼女たちが僕のことをどう考えているかなんてわからないまま、勝手な行動をとってしまったんだ。

 明日は、逃げることなどせずに謝ろう。


 〈明日、12時にカフェに集合で〉


 明梨のメッセージを見て、僕は意志を固めるのだった。

いつも読んでくださりありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、是非ブックマークや評価をしたり、感想を送ってくださるとすごく嬉しいです!


また、アルファポリスにて恋愛小説大賞に参加中です!

良かったらそちらもよろしくお願いします!


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