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拝啓、終末の僕らへ  作者: 仁乃 戀
第一章
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晴天を覆う雲

 カフェを急いで出て行ってから、僕は途方に暮れていた。

 ()()、やってしまった…………。


 過去にも同じような経験がある。

 正確な時期は覚えていない。

 確か小学生のときだったろうか。

 その頃は僕にも友達が沢山いたし、もっと明るい性格をしていたと思う。


 何故だか名前は思い出せないが、その子と僕は家が近くてよく遊ぶ関係にあった。

 その日もいつも通り公園で一緒に遊んでいた。

 でも……僕とその子はその日を境に遊ぶことがなくなった。


 よくサッカーをしていたのだが、その子は運動神経がずば抜けているような子だったから、スポーツをやらせるとなんでもできた。

 その子は僕も知っているクラスの人を遊びに誘って、一緒にサッカーをすることにした。

 そのときはまだ良かったんだが、その後だ。

 他の子も加わってサッカーをやるのと、1対1でサッカーをやるのとではかなり違う。

 6人くらいを2チームに分けて試合をすることになった。


 その子と後から参加してきた子はすごく仲が良かったから、連携が取れていた。

 それに対して僕は、クラスメイトとはいえ一緒に遊んだことはほとんどない子と一緒に試合をしていた。

 僕もそんなにサッカーは上手じゃないし、運動神経も良くない。

 ミスを連発する僕に対して、同じチームの2人は冷たい態度をとった。

 挙げ句の果てに、僕にひたすらパスが回ってきて、ミスをするたびに笑われていた。

 『仕方ないか』と。

 そう思っていた。


 でも、そのとき。

 僕といつも遊んでいた子も一緒になって笑っていたのを見て。

 ついに僕はキレた。

 

 みんなはおふざけが過ぎたかのように謝ってきたけど、笑いながら謝る奴もいた。

 そいつらが笑っているのが腹立たしくて、絶交した。

 それから、僕は友達と遊ぶことがだんだんと減っていき、今のような人になってしまったということだ。


 そうやって考えてみると、あれから全く変わっていないことに気付き、苦笑する。

 やっぱり僕には孤独がお似合いだ。

 他人と関わっているだけで自分も相手も不快にさせてしまう。


 クラスの人と分け隔てなく接する圧倒的な陽キャラだったり、女子に囲まれて生活するリア充だったり。

 そんなライトノベルとかによくある人間になりたかったけど、所詮は物語の中の話だ。

 ここは現実。

 ましてや僕は陽キャラなどとは程遠い性格をしているんだ。

 仕方がないことだろう。


 高校生活も1人でひっそりと生活していくべきだろうか。

 それにしても、副委員長になってしまったことは取り返しがつかない。

 なるべく静かに生活することにしよう。


 自分勝手ではあるが、彼女たちにも謝って、1人にしてもらおう。


 空を見上げると、晴天は分厚い雲に隠され、風が少しばかり強くなっていた。

 春とは思えないような冷たい風が僕の心を冷やした。

いつも読んでくださりありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、是非ブックマークや評価をしたり、感想を送ってくださるとすごく嬉しいです!


また、アルファポリスにて恋愛小説大賞に参加中です!

良かったらそちらもよろしくお願いします!

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