第6話
キイに依頼を託して、1ヶ月がたった。
あれから、キイは戻ってこない。だが、かいは待つ。キイがともと2人で帰ってくることを信じて。
「いないはいないで、寂しいもんだな」
かいが、独り言を呟いていると
じりりりりりりりりりりりりり
電話が鳴る。キイが壊したので、あたらしく買い替えたものだ。
「はい、こちら万屋。」
「え、ともちゃんこれ繋がってる?大丈夫?あ!かいさんですか!お久しぶりです!相変わらずぶっきらぼうな声ですね!」
「···元気そうじゃねえか」
「はい!元気ですよ!ところで、ちょっとドア開けてくれません?」
かいは急いでドアを開ける。するとそこには、キイとともらしき人の姿が。
「ただいまですー!」
「···」
「かいさん?」
「帰ってくるのが遅すぎる!キイのそういうとこほんとになおせ!」
「すいません!怒らないでくださいよー!」
怒られながらも、キイはにやにやしている。
「なににやにやしてる」
きちんとはじめてキイと呼んでもらえて嬉しかったことは心の中に閉じ込めておく。
「別になんでも!!それよりお土産あるんですよ!お土産!万屋看板なかったですよね!私頑張ってつくってきたんです!」
そういうキイの手は傷だらけだ。看板を見るとそこに書いてあるのは「万屋〜ロボットのお悩み相談始めました〜」の文字が。
「···いや、お悩み相談はじめてないが?」
「いや、万屋に来る人悩んでた人が多かったでしょ?それに、ロボットって、なかなか悩み打ち明けられないと思うんです。こうしとけば、みんな来やすいと思いまして!それに、救われた人がこうしてここにいますし···ほんとにありがとうございます」
「今なんて言った?」
「効果は保証済みです!って言ったんです!ほら中入りましょ!ともちゃんもほら!」
きいは機械音痴克服のため、説明書を読み漁り、そんなキイに喝を入れるかい。これからはそれを見守るともちゃんも加わって···
こうしてまた、慌ただしい万屋の1日がはじまっていく···