第1話
きいは今空から落っこちている。下には青年。ちなみ
に、もう少しで到着。
「は、ちょっと嘘だろ」
ドガーーーーーン
「おい!あんた大丈夫か!?しっかりしろ!おい!」
きいは青年のその言葉を最後に目を閉じた。
***
目を開けると、目の前には人の顔。
「うわっ!お化け!」
「あんた助けてくれた奴にそれはないだろ」
よくよく見るとあの青年。青い髪に、鋭い目、加えて服はよろよろの作業服。お化けではないにしろ、怖いのに変わりはない。きいは周りをみると先程の場所ではないのに気がついた。周りには古いものから新しいものまでよりどりみどりの機械があった。
「ここは俺の店だ。万屋をやってる。 それで、あんたはなんで空から降ってきた?見たところバイクに乗ってたようだが」
「それには深い訳がありまして···おっしゃる通りわたくしバイクに乗っていたんです···するとなぜかいきなり急発進しましてそしていきなり止まり、落っこちました!故障じゃないかなって思ってます!」
「別に深くはねえな あと、故障じゃないぞ。俺もそう思って見てやったんだがとくになんもなかった。」
「あれ?おかしいなー?じゃあ、燃料切れか!」
青年は静かに首を振る。
「あれ??じゃあ、やっぱりあれかな··」
あれってなんだ?青年のその言葉を遮るように
プルるるるるるるるるるるるる
と電話がなった。今どきレアな固定電話。
「依頼か。悪い、取ってくれ」
はい!そう元気よく返事したきいは文字通り取った。そう根元ごとぶちっと。
「は?あんた今なにした!!」
「え!電話を取っただけですよ!もしかしてまたやっちゃいました?」
勘のいい青年はさっきの「あれ」の正体に気づいた。
「あんたもしかして···」
「ほんとごめんなさい!わたし···」
「機械音痴なのか」
「機械音痴なんです」