表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺鬼道  作者: 明 治
18/25

肆ノ道ー冷ー③

電気が消えて辺りが暗闇に包まれた。

クラス内はパニックになった。


泣き出す者、暴れる者、逃げ出す者がいた。


しかし、その全ては


「黙れ!!」


その一言で静まり返った。

鈴木だった。


「たった今、高等部のプレイヤーが全滅したと、その『オルトロス』自信から連絡がありました。まったく粋なことをしてくれます。ここからの指揮は私が執ります。指示はケータイでのメールで送ります。ケータイを持っていない人、私のアドレスを持っていない人は、持っている人と行動を共にするようにして下さい。『オルトロス』は見つけ次第私に連絡を。冷島、立花は私と一緒に来て下さい」


解散!


その一言で皆一斉に動き出した。


しかし、紲は一向に立ち上がることができなかった。

思考が完全に停止してしまったのである。

動けない。


その時、誰かに後ろから抱きつかれた。

言うまでも無く立花だ。

立花は耳に口を近づけてきた。

そして小声でこう言った。

必要以上に小声で・・・。


「『オルトロス』は二人組の殺し屋だ。一方は黒髪、一方は茶髪の外人の女だ。見たらすぐに分かる。見つけたら胸ポケットに入れてあるケータイで私に連絡しろ」


胸ポケットにケータイ?

そう言われてみると、確かに左胸に違和感があった。


「この後はさっき行った屋上にまっすぐ迎え。私以外は絶対に信じるな。それじゃあ私はもう行く。絶対に無事でいろよ。ハムゥゥゥ!」


最後に耳を噛まれた。

果たしてそれは必要だったのだろうか。

まあ必要だったのだろう。

いくらか緊張がほぐれた。


しかし、彼女自身気付いていなかったようだが、一人称が“私”になっていた。

それほど切迫した状況だったのだろうか。


とりあえず言われたとおり屋上に向かおう。

まっすぐに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ