肆ノ道ー冷ー②
因みに紲の買い主は光雲高校の理事長らしい。
何でももとは資産家らしく、紲ら(本人には全く身に覚えが無いが)未成年の殺人者の隠れ蓑にするため、光雲高校ひいては光雲高校附属中を建てたらしい。
軽犯罪者クラスは事のついでらしい。
このような形態を取っているところは多いようだ。
未成年の殺人者を少年院から多額で買い取り、何食わぬ顔で一般人と同じ学校に通わせる。
その裏で人を殺させる。
ぞっとしない。
いや、ゾッとするのか。
これは紲の知らない情報だが、鈴木の命令はプレイヤーを殺せというものらしかった。
気分によって罰が変わると言っていたのは、殺せなかった場合、それが故意であったか過失であったかの判断が鈴木に一任されていたからだ。
つまり、状況での判断が難しい場合は、鈴木の一存だけでその者の生死が決められると言うわけである。
鈴木が故意だと判断したら死。
過失だと判断したら生だ。
閑話休題。
話を戻そう。
作戦会議まで。
どうやら宣戦布告の手紙が今朝方届いたらしい。
その内容を冷島が読み上げる。
「『今夜、光雲高校、光雲高校附属中、両校を攻める。準備しておけ』という旨が英語で書かれています」
そこで冷島が黙り込んだ。
さっきまで無表情だったのだが、目が泳ぎ、呼吸も荒くなっている。
「・・・ん?どうした、どっからの宣戦布告だ?」
と聞いたのは立花。
「す、すみません。今回の相手は・・・、お・・・『オルトロス』」
ちょうどその時だった。
爆発音がしたのは・・・。