肆ノ道ー冷ー①
結論から言うとクラスメイトと殺し合うような事は無かった。
ただ、事態はさらに悪くなった気がする。
冷島の説明をまとめるとこうだった。
一言で言ってしまえば金持ちの道楽だった。
世の金持ちは退屈していた。
いつも何か面白いことを探していた。
そんなとき一人の金持ちが言ったらしい
“人を買ってそいつらを殺し合わせよう”
と。
それは大いに盛り上がった。
いつの間にか世界で行われるような一大イベントにまでになっていた。
遊びではすまなくなった。
そこで金持ちたちはルールを決めることにした。
1、殺し合わせる人間は“プレイヤー”と呼称すること。
2、プレイヤーの功績に応じて懸賞金をかけること。
3、殺し合いに勝った方には負けた方の懸賞金分の賞金を手にすることができる。
4、賞金は負けたプレイヤーの買い主が全額負担すること。
5、一般人を巻き込まないように宣戦布告を必ずすること。
6、宣戦布告は必ず受けること。
この6つ。
道楽にしてはよくできたルールだ。
しかしこれはルールと言うにはいささか脆い。
暗黙の了解と言った方が正しいだろう。
ゆえに様々な問題が起こりうる。
まずプレイヤーに対する制限はない。
なので金を持っていれば持っているほど有利ということになる。
そして、プレイヤーには買い主のいない“野良プレイヤー”なる者もいるらしい。
そのため賞金が払われないことも多々あるそうだ。
また、プレイヤーには子供が多い。
子供は安く従順であるがために重宝する金持ちが多いらしい。
例え従わなくても殺せば良い。
売られる子供の多くは大抵国籍が無い。
殺しても問題は無い。