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参ノ道ー花ー③
重犯罪者クラスに通っているということは立花も人を殺したことがあるのだろう。
彼女がどんな境遇にいたかは知らないが、少なくとも日常を嫌ってしまう程に(あるいは憎んでしまう程に)非日常を生きてきたのだろうか。
それとも今もその最中にいるのだろうか。
いずれにせよ、その答えはすぐに分かることになった。
「こんな所にいたのですか二人とも」
後ろから声がした。
鈴木だった。
「もう帰ってしまったのかと焦りに焦りましたよ。二人とも教室に戻って下さい。作戦会議を始めますよ」
その瞬間、立花の顔が陰った。
かのように見えたがそれも一瞬のことだった。
次の瞬間にはいつもの調子に戻っていた。
「もうそんな時間なんですか?行こうぜ、紲」
立花はそう言うと紲首に手を絡めてきた。
人前だとさすがに恥ずかしい。
しかし、“作戦会議”という言葉が妙に引っかかる。
およそ学校には似つかわしくない言葉である。
何か変だ。